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「一億円売るやつですか?見ればすぐ分かりますよ」

何年振りだろうか、
ひとり歌舞伎町へと向かった

group BJ

新宿歌舞伎町を中心に横浜など12店舗を運営するホストクラブグループ 

今宵、とあるご縁を頂き

このグループに”お客さん”としてお世話になる機会を得たからだ


女性数名とともに風林会館前で待ち合わせをし、件の店舗へと向かう

男であるぼくも客となり(本来は男性客はNG)
サービスを体験させてもらいに

ぼく自身こう見えても、サービスの世界一筋でいままで生きてきた 

歩き方や足音、立ち位置やグラスを置く手の引き方1つで鉄拳が飛んでくるような 

いわゆる今で言うところの時代遅れな
パワハラ上等の超体育会系の世界で育った 

長いキャリアの中では
ロバートデニーロを始め世界中で数多くのセレブリティの大切な席の接客をしたし(サービスマンという病い)、ここには書けないようなギリギリの経験もしている 

文字通り 

死線をくぐり抜けるような緊迫した思いも....

世界中、
香港や台湾、シンガポールからロンドン、ミラノ、NYなど世界各地のレストランの現場で働き
サービスを通して世界中の人々と生で触れ合ってきたのだ

サービスとは、ぼくの人生である 

そんなぼくからすると

サービスをなめるなよと
サービスマンをなめるなよ、という思いが強い 

プロフェッショナルとして日々戦い抜いているぼくらの生き方を

いわゆるプロ経営者たちが
簡単に分析して評価したり
それらをマニュアル化をするなんて
あまりに馬鹿げているとさえ思う 

超属人的な職人仕事でなにが悪い

接客とは
日々、心身を削った生身の人間の戦い
激しくも非常に緻密で繊細な戦いなのだ 

さて

自分たちが一番だ
自分が一番だ
などとおこがましい事を言うつもりもないが
少なくともサービスだけで勝負をしていると言う意味では、他に負けるなどとは思っていない 

繰り返しになるが
非常に繊細な心の機微を瞬時に読み
発するべき言葉
取るべき自然なリアクション
を判断し
刻一刻と変わるシュチュエーションに
臨機応変に対応しながら
自然に
まるでずっと昔から知り合いだったかと錯覚させるような自然体の演技していく 

これは
センスと経験のなせる技で
どちらかが少しでも欠けるようだと
その演技は成立しない 

つまり
「不自然な接客サービスという商品」へと成り下がる 

世でいうところの、ホスピタリティ溢れるサービスというのはこの不自然かつ過剰なサービスであろう

では

ホストの世界はどうであろうか 

果たしてどこまで自然なのか
どこまでソフトなのか 

それはとても素晴らしいレベルのものであるのには違いないが、ぼくの考えるサービスとは一線を画す世間のイメージする「ホストクラブ的なサービス」なのではないかと思っていた

ホストクラブ的なというのは、
超シンプルにKPIを日々の売上を上げる、数字を積み上げることに置き、女性を喜ばせファンにすることに関してのみ一流であるというサービスではないかということだ 

サービス単体を切り取った時に
若い者たちが、果たしてどこまで自然体を演じきれるのだろうか 

と疑問を持っていた 

group BJ には6年連続で1億円を売り上げる男がいる 

YU-MAという男らしい

お連れいただいた方に

「何がそんなにすごいんですか?」

と聞くと 

「きよとさん。席につけば、すぐに分かりますよ」

と言われた 


実際に”すぐに”分かった 

正確にいうと
彼が入店してきた時に
おそらく出勤のタイミングだったのだろう
ちょうどぼくの席からは出入り口がよく見えるのだが
その瞬間に
「あぁ、彼か」
と席に着く前にわかったということだ 

オーラというものの存在を
敢えて1つの言葉で定義するのであれば
それは「自信」に他ならない 

ここで言う自信というのは
圧倒的な努力に裏付けられたもの
大きな器の上に綿あめみたいにふわっと乗っかった 「穏やかなオーラ」とでもいうのであろうか 

彼には、穏やかなオーラがあった 

ぼくらの席には店舗の代表から社長
また
他店舗にて周年イベントにより
満席超多忙の中抜けてきてくれた
一条ヒカルさんも顔を出してくれた 

ヒカルさんに聞く 

「ぼくは4年間続けて、歌舞伎町で1億円を売りました。そんな時に彼が入店してきた。

プレーヤーを上がっても、同じくらいの数字を売り続けられるとぼくはおもっていた。 
でも、実際は売れずに、記録はそこで止まった。

天狗になっていたところがあるのかもしれない。

でもね、彼はそんなぼくの記録を抜いてくれた。その記録はまだ続いていくかもしれない」

シャンパンコールが鳴り響く店内で
隣に座った一条さんはそんな話をしてくれた 

社長との話の中でも、ぼくはスタープレーヤーを抱えることの難しさと恐ろしさ
についての話をした 

エースと呼ばれるような人間を抱える怖さというのは、スポーツの世界であろうが、アイドルの世界であろうが、その他ビジネスの戦場であろうが同じではないだろうか?

メッシが日本代表に入ることの恐ろしさを、みんな理解していない

得点力不足のサッカー日本代表を嘆き批判するマスコミやファンの言葉に対して、ある有名な指導者が口にした言葉だ

同グループには恐るべきことにスタープレーヤーが多く存在していて

そして皆、
自信にあふれ非常に穏やかである 

ホストクラブのサービスのイメージが大きく変わる夜になった 

派手さの裏にある地道な努力、華やかさの裏にある泥臭さは

おなじサービスを生業にする人間として一瞬で嗅ぎとることができた 

そういうものは物腰だったり会話の端々だったり
一見して普通は気がつかない細部に宿る

だから

売るからすごい
のではなくて
売れ続けるからすごい
のである

この穏やかな猛獣たちを果たしてどうやって躍動させているのか、その組織づくりに大変興味を持った 

厳しいトレーニングによって、勤勉な学習によって成長させることができる部分と
サービスの本質にある人間力を成長させる部分というのは、全く異なった教育が必要になる 

ぼくはこれを「アート」と「クラフト」と分けて呼んでいる 

アーティスティックな部分を損なわずに、巧みな技術を伸ばすためには
非常にこだわり抜いた教育システムが必要になるし
各分野において特殊能力を有し、さらにそれらを伝達することができるリーダーが必要となる 

形のない商品である、サービスは難しい 

group BJ の別の店舗に足を運び、レオ社長と話をした 


会長の右腕となり現場をまとめ上げる彼は、自分が見切れない売上規模やスケールになってきた組織を仕組みによって底上げする、平均値を上げる努力をしている 

「イケメンは生き残らないですよ」

「やんちゃでハングリーなやつの方が売れる」

ぼくはホストクラブに来ている事を忘れて、その話に聞き入っていた 

「赤信号は渡るな」
「買い食い禁止」
「たとえ道端でも、困っている人を助ける」 

なんだか、どこの世界の話かわからなくなる 

ここは間違いなく
ぼくらの頃のそれとは大きく異なるけれど
いまだ如何わしく危険な香りを放つ歌舞伎町だ 

彼らが作ろうとしている世界を見てみたいなと思う

自分に大きな息子がいたら、この店に預けてみたいなとさえ思う 

業界の地位を上げる 

地道な
そして圧倒的な努力が
業界に良い刺激を与え
ぼくらのような
そしてもっともっと離れたところにいるような
そんなビジネスマンたちの心を掴む日も遠くはないかもしれない 

偉そうなやつは大して偉くない

本当に脅威となるのは穏やかな猛獣である

獰猛な猛獣と、クレバーな猛獣使い

会長はすごいな、、
あまりにもすごい

日々、想像を絶する気遣いだろうな

いつかお会いしたい



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アソビカタSalon にて来店 (2019年4月某日)

※group BJ ご利用の際はnoteを見てとお伝えください。こればかりは体験しないと分からないと思う。

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