日本の新聞、記者クラブメディアに安全保障と軍事を語る能力はない。


「殺傷能力ある武器輸出を」政府・自民に高まる解禁論 ゆらぐ禁輸三原則 識者「平和国家像の支え失う」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/232686

>ロシアによるウクライナ侵攻から1年を迎え、政府・自民党内ではウクライナ支援や友好国との関係強化を旗印に、殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指す声が高まっている。安倍政権が「武器輸出三原則」の禁輸政策を転換し、輸出を認めた「防衛装備移転三原則」の運用指針の規制緩和を検討する。殺傷能力を持つ武器輸出を認めれば、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有に続く安保関連政策の大転換となり、識者は「平和国家像の支えを失い、東アジアの軍拡につながる」と危ぶむ。(川田篤志)

>自民党の熊田裕通氏は今月の衆院予算委員会で、欧米が戦車や弾薬を供与する中、日本は防弾チョッキや民生車両などの支援にとどまる現状に不満を漏らした。

 浜田靖一防衛相は「装備移転は日本にとって望ましい安保環境の創出や、国際法違反の侵略などを受けている国への支援のため重要な政策手段だ」と答弁。原則として殺傷能力のある武器輸出を認めていない運用指針の変更に前向きな姿勢を示した。

まず人民党の国防部会の政治家も自国の防衛産業の実態、防衛省や自衛隊の平和ボケを知らない。それは自民党国防部会、防衛族も平和ボケしているということです。
アレな防衛省やら防衛産業からのレクチャー受けて、「ウム、我が国の兵器は世界先端か」などと騙されているわけです。嘘を見抜く能力がないわけです。

で、岸防衛大臣に至っては、防弾チョッキやヘルメットですらウクライナに送った後の追跡調査、そんな人体実験みたいなことはやらない!とか仰っていた。

一体どこのおぼこな深窓のお嬢様だよ、てな、ところですが、これが与党の政治家、しかも防衛担当の国務大臣ですよ。

どこの国だって供与した装備の実戦データは取っていますよ。それが国益ですから。岸大臣は無責任です。そもそも実戦も市場で売ったこともない装備が使い物になるかどうかはわからないわけです。
例えば同じ条件で被弾して米製品だと命が助かり、日本製なら死亡した、となれば責任問題ですよ。ただでくれてやったからいいじゃないか、では通用しません。そして問題があれば、それを次の装備にフィードバックすべきです。岸大臣の発言は駄目な国産装備で自衛官がいくら死んでも関係ないと公言するに等しいわけです。
そんな当たり前のことをすらわからない政治家を元総理の弟だからと防衛大臣に据えたわけです。世間ではこれを無責任といいます。

>政府・自民党にはウクライナへの軍事支援で欧米各国と足並みをそろえたい思惑がある。対中国を念頭に東南アジアへ武器輸出して安保協力を強化し、国内防衛産業の収益強化につなげる狙いもある。

そもそも性能も品質も怪しい、機銃すらまともに作れない日本の防衛産業の製品が売れるのか?P-1にしてもC-2にしてバカ高い調達コスト、更に高い維持費で日本以外でパーツすら入手ができない装備を買ってくれる国があるのか、と疑問にすら思わない。

我が国の装備は大変優秀であり、輸出の自主規制があるから売れないだけだ、規制を緩めれば飛ぶように売れる、とでも思っているのでしょう。それはフランス書院の小説読んだ中学生が、ジゴロになった気になって3Dのおねいさんを口説こうとするようなものですよ。

>「平和の党」を掲げる公明党は、統一地方選挙への影響を懸念し、大幅な規制緩和に慎重姿勢を示す。政府・与党は4月以降に運用指針の見直しの議論を本格化させる構えだ。
 
「平和の党」ってなんだよ(笑
安全保障について考えない党が「平和の党」とでも思っているのでしょう。


武器輸出を巡っては、政府は1960〜70年代以降、憲法9条の平和主義に基づき、国際紛争を助長しないとの理念のもと、武器輸出三原則で事実上の禁輸政策を続けてきた。
 安倍政権では2014年、全面禁輸を見直して「防衛装備移転三原則」として国際平和への貢献や日本の安全保障に資する場合、紛争当事国などを除き輸出を解禁。ただ、運用指針で、共同開発国を除き、戦車や戦闘機などの武器の輸出は認めてこなかった。

>学習院大の青井未帆教授(憲法学)は、殺傷力のある武器の輸出を解禁すれば「紛争を助長せず、武器で利益を得る国ではないことで保っていた平和国家像が崩れてしまう」と指摘。「武器を送ることだけがウクライナ支援ではない。国家像を180度転換し、軍事力を背景に外交をする国になるのか、国会も含め国民的議論が必要だ」と語る。

これが東京新聞のいう「識者」でしょう。
でもね、憲法学者なんて安全保障や軍事の有識者じゃないですから。
現実の安全保障の問題に目を向けたくないから、未だにこういう平和ボケを平気でかますのでしょう。こういうバカ学者をあたか軍事の専門家であるように見出しと最後にもってきて権威付けをする。単なる印象操作です。

では青井未帆教授はどの国もウクライナに武器を送らなければ、ロシアが撤退するとでも思っているのでしょうか?それとも他国はOKだけど日本は駄目というのでしょうか?

そもそも武器輸出しないのが平和国家ならばスウェーデンやスイスやカナダなどは平和国家じゃない、ということになります。これらの国々は国際的平和活動に日本以上に関わって、血も流していますが平和国家ではないのでしょうか。

また「殺傷兵器」は駄目でも、殺傷しない兵器、例えば海自のP-3C、E-2C、C-2などの航空機、ドローン、75式ドーザーなどの「非殺傷兵器」の輸出ならばOKするのでしょうか。兵站や工兵やISRアセットとなる装備は小火器よりも遥かに大きく戦況に影響を与えるのですが憲法学者なのでわからないのでしょうか。

また一見人道的にみえる衛生関連ですが、死傷者、を減らせて、かつ短期に負傷者を戦線に復帰させるることができ、前線での衛生環境を維持できるならば大きく戦力に寄与します。



わからない無知が知ったかするのは、学究の徒としては失格です。憲法学者って実際の軍事を知らずに観念でしかものがいえない人が多い。土井たか子しかり水島朝穂しかりです。

現実を無視してひたすら念仏を唱えている連中を「識者」とはいいません。


こういう間抜けな記事を恥ずかしげもなく掲載できるのは記者クラブの欠陥が根底にあります。
記者クラブにはその分野の専門記者が少ない。軍事であればなおさらです。そして記者クラブが専門記者を取材機会から排除するので専門記者と情報交換する機会もない。
で、軍事音痴の防衛省やら自衛隊の都合のいいレクチャーでお勉強するから軍事の本質を理解できない。そういう人たちがデスクや編集委員、論説委員になって出世するからトンチキなことを会社として主張するようになる。

そういう連中が「識者」として防衛省の審議会に呼ばれるわけです。

防衛省・自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会
https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/meeting/kiban/index.html


◎齋野 彦弥 横浜国立大学大学院教授
奥本 英宏 株式会社リクルート専門役員リクルートワークス研究所所長
折木 良一 富士通株式会社シニアアドバイザー
喜多 恒雄 日本経済新聞社顧問 公益社団法人日本経済研究センター会長
黒江 哲郎 三井住友海上火災保険株式会社顧問
佐藤 千佳 日本電気株式会社 人事総務部門コーポレート・エグゼクティブ
中田 るみ子 元三菱ケミカル株式会社取締役
久江 雅彦 共同通信社編集委員兼論説委員
松元  崇 国家公務員共済組合連合会理事長

単に防衛省の主張を忖度してくれる肩書だけは立派な人たちを防衛省では「有識者」と呼びます。

東洋経済オンラインに寄稿しました。
三菱の国産ジェット機が撤退に追い込まれた必然
政府も含めたビジネス感覚、当事者意識の欠如
https://toyokeizai.net/articles/-/652353

European Security & Defence 誌に寄稿しました。
https://euro-sd.com/2023/02/news/29621/japan-to-import-minimi-mk3s-from-fn-herstal-g28es-from-hk/

Japan in Depth に以下の記事を寄稿しました。
MRJ事業の危うさ
https://japan-indepth.jp/?p=73519
海上保安庁を国境警備隊に改変すべき
https://japan-indepth.jp/?p=73451



■本日の市ヶ谷の噂■
昨年末の自衛隊入間病院の看護師自殺の件は、発生時の対応の不手際、看護部長の別件での懲戒処分など、無様な状態がマスコミに注目され、空幕長の監督責任を追求されることを恐れて隠蔽、の噂。

日記


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