UH武装化とOH-1の亡霊


「防衛力整備計画」では以下のような記述があります。

>陸上自衛隊については、航空体制の最適化のため、一部を除き師団・旅
団の飛行隊を廃止し、各方面隊にヘリコプター機能を集約するとともに、対戦車・戦闘ヘリコプター(AH)及び観測ヘリコプター(OH)の機能を多用途/攻撃用無人機(UAV)及び偵察用無人機(UAV)等に移管し、今後、用途廃止を進める。その際、既存ヘリコプターの武装化等により最低限必要な機能を保持する。
https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/plan/pdf/plan.pdf

既存のヘリコプターの武装化、という記述がありますが、素直に読めば、UH-2、UH-60、CH-47しか無いと思います。実質的にはUH-2とUH-60でしょうが、両方とも武装化キットを国内メーカーがやると大変でしょう。何しろヘリ用のFCSやインテグレーションの経験がありません。
そのうえOH-1の武装化を言い出しそうな勢力もいます。その理屈としては汎用ヘリも潤沢にあるわけではない。であれば、輸送に使わないOH-1に機銃やら積んで、という話にしたいのでしょう。
ですが、維持費がバカ高いOH-1を国内メーカーが武装化してもろくなことにはなりません。

一方でOH-6が退役して、リエゾンやら小口輸送ができるヘリがありません。であればそのような任務や、武装ヘリ、偵察、メディバックを兼ねた軽ヘリコプターが必要だと思います。
有人の観測偵察手段は絶対に必要です。サイバー攻撃を受けて無人機が飛べない場合もあるし、細かな偵察は有人が有用です。

ぼくがいいと思うのはエアバスヘリのH135M あるはH145M、あるいはH145Mの米軍版のUH-72ラコタです。
理由はいくつかあります。まずこれらは後部がクラムシェルで、メディバックに適している。同様にバイクなどを搭載して偵察にも使えます。
次に同社の武装キット、Hフォースが使えます。これは簡単に取り外しができるようになっています。
三番目はH145M、あるいはH145Mは川重のBK117ですから、仕事が日本に落ちて雇用が生まれるということです。
4番目はエアバスヘリが、大規模な訓練&整備施設を既に保有していることが挙げられます。ラコタならば戦時に米軍から回してもらうこともできるでしょう。

小口輸送、武装ヘリ、偵察、メディバックに練習用も加えるべきでしょう。練習機は戦時には、予備の機体として利用することもできます。練習機やコストのことを考えれば、H135Mがいいのですが、1機種にするならばH145Mあるいはラコタの方が搭載量が大きいし、機内のボリュームもあるので、これに統一すべきでしょう。その当たりは2機種にするか1機種にするのか、費用対効果を十分に検討すべきだと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?