ブラジル海兵隊はAAV7から装輪装甲車へ 水陸機動団は?


ブラジル海兵隊は現在AAV7を運用していますが、次世代の装甲車は装輪装甲車を選択するようです。

Brazilian marines eye wheeled Assault Amphibious Vehicle fleet
https://www.janes.com/defence-news/news-detail/brazilian-marines-eye-wheeled-assault-amphibious-vehicle-fleet

>The Brazilian Marine Corps is looking to acquire 8×8 wheeled amphibious armoured vehicles in several variants to replace its fleet of AAV7A1 Assault Amphibious Vehicles (AAVs), Vice Admiral Rogério Ramos Lage, Commander of the Marine Materiel Command, told Janes recently.

>Brazil is considering the 8×8 BAE Systems Amphibious Combat Vehicle (ACV), among others, to meet its requirements, he added.

>Between 1986 and 1997, 26 AAV7A1 vehicles – 22 troop carriers, two command vehicles, and two recovery vehicles – were delivered.

>Brazil initially planned to acquire three additional AAV7A1 RAM/RS (Reliability, Availability, Maintainability/Rebuild to Standard) AAVs (two AAVP7A1 RAM/RS personnel carriers and a single AAVC7A1 RAM/RS command vehicle) through the US Foreign Military Sales (FMS) programme, but this effort was abandoned in 2022, officials told Janes .

つまり、ブラジル海兵隊は追加のAAV7を調達してまで、現在のAAV7部隊を維持する気はなく、米海兵隊同様に8輪の装輪装甲車に切り替えるということです。

トルコはAAV7を近代化したような、水陸両用装甲車を導入しますが、運用環境にもよりますが、AAV7型の水陸両用車は廃れていくと思います。
それはまず洋上作戦が水平線の彼方からとなって、移動距離が長くなった。そして対戦車兵器の長射程化やドローンの発達で、比較的低速であるAAV7型の車両では海上での生存性が低くなったし、そもそも強襲揚陸は不可能になっています。
これは防衛省が開発している水陸両用車両も同じです。

仮にAAV7の二倍の速度でも、依然低速にはかわりはありません。そして揚陸後には大きな図体は敵の的になり、ウォータージェットなど航行用装備はデッドウエイトにしかならない。

そして統幕にも陸幕にも上陸作戦の確固たる想定がありません。あれば輸送手段もないのに52両もAAV7を買っていません。しかも本来2年のトライアルして採否を決めるのを、アメリカ様に言われましたと、半年に縮めてろくに試験もしなかった。リーフに上るかどうかの試験もしませんでした。無論AAV7は登れません。不要なものを陸自はエリート部隊の主力装甲車として選びました。

本来水陸機動団のどの程度を空輸し、水上移動させるのか。まともに考えていません。
輸送艦やDDHからの輸送をどうするのかも分かりません。

更に申せば、AAV7型は維持整備にカネがかかる。米海兵隊での事故も、原因の一つは
維持整備の不足でありました。

仮に陸自で50両ほど調達するにしても、開発費を頭割りすれば1両あたりの調達単価は下手すれば50億円超えるでしょう。そして維持費も相応にかかる。米海兵隊が買ってくれるかも、というのは甘すぎる期待です。これの無人車両まで開発しようというのは、頭数を増やして、単価を下げようというものでしょうが、筋の悪い話です。

揚陸艇に装輪装甲車やバイキングみたいな汎地形装甲車を乗せて海岸近くまで輸送するのがよほど合理的です。

我が国の環境を鑑みれば水陸両用装甲車の開発と調達はムダで無謀でしかありません。

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