乗数効果がない自衛隊施設に建設国債



自民党にも建設国債を防衛費に使えと言う人達は結構おりますが、いわゆる赤字国債(借り換えしているので、法律で禁じられている赤字国債ではないが、事実上の赤字国債)はまずいが、さりとて増税で賄うと票が減るという如何わしい魂胆の発露でしょう。

防衛省施設に建設国債検討 公明党・北側一雄副代表
防衛3文書改定巡り 「反撃対象は基地に限らず」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA27A4Z0X21C22A0000000/

>公明党の北側一雄副代表は27日、日本記者クラブで記者会見した。増額する防衛費の財源を巡り「防衛省の施設には建設国債の発行も選択肢だ」と言明した。

>将来的に法人税が財源になる可能性に言及した。「今の経済情勢で増税が直ちにできるわけではない。当面、国債を発行するにしても将来的な手当ては決めておかないといけない」とも説いた。
>公明党税制調査会の竹内譲副会長は27日、防衛費を増やす財源として「所得税などが想定される」と話した。

そもそも建設国債は空港や道路など建設されることによって、民間の産業や経済が発展して乗数効果が期待できて、税収が増えるもの。あるいは防潮堤など自然災害から国民を守ったっりするものに使われます。
まず自衛隊の隊舎や施設などを作っても乗数効果は見込めません。その意味は建設国債は不適切です。ただでさえ整備新幹線とか乗数効果の低いものを建設国債で作ったりしているわけですからなおさらです。
まあ、理屈としては後者になるのでしょうが、それも苦しいでしょう。防衛費の不透明化になります。海保の船を作っているからいいじゃないか、という理屈もありますが、あれはそもそも間違っています。それが可能であれば防衛費をゼロにして全部国交省の予算で建設国債で防衛を賄って良いとう理屈にもなるでしょう。

要は「赤字国債」じゃなけりゃ格好がつく、という永田町の理屈です。

そして所得税を更に増税できるのか。現在1千万円以上の所得のある層が、所得税の半分を負担しており、その層は納税者の4パーセントに過ぎません。その多くは1千万~2千万の年収で最も重税感が高い。対してもっと収入が多い層は株式の利益などで、分立課税2割ですから労働の対価からごっそり抜かれるのがこの層です。
こういうことを続けるとこれらスキルの高い層が、国外に逃れるケースも出てくるでしょう。

ぼくは増税ならばまず、「ふるさと納税」=「ふるさと脱税」をやめることだと思います。これで4千億円が確保できます。さらにGOTO脱税やら各種のばらまきを止める。これで十分なはずです。またたばこ税の税率をあげることも検討すべきです。まだたばこ税は他国に比べて低すぎるし、タバコ消費が減れば医療費も低減されるでしょう。
それでも足りないのであれば国民が等しく課税される消費税の増額です。国民が納得するのであればそれで良いはずです。

何れにしても先の戦争末期以上の国家財政の赤字は異常であり、これを更に拡大させるような状態を続けるのであれば、IMFの管理下にはいることも十分あり得るでしょう。
その場合は国民は更に苛烈な負担を強いられるでしょう。
それを防ぐのためには日銀の金融緩和をやめさせるべきです。政策にはコストと金利がかかる、財政の健全化が必要というコンセンサスがなければ、最後は先の戦争後と同じで、政府は国民に負債を押し付けてチャラにするでしょう。

>反撃能力の保有に関してミサイル防衛の観点から北朝鮮を念頭に置いていると説明した。「中国本土にミサイルを反撃能力で発射する想定は現時点ではしていない」と発言した。

じゃあ、必要ないでしょう。何を寝言をいっているのか。主たる仮想敵は中国ですよ。公明党にとって中国は脅威でもないのもない、と言っているに等しい。政権与党がこのような寝ぼけたことをいっておいて、防衛費の大幅増額などありえません。


■本日の市ヶ谷の噂■
防衛医大の客員研究員の審査。在日米軍の昆虫部の職員(日本人)で、大学農学部卒、
業績書は論文ゼロ、学会発表ゼロ、2年後 修士課程修了予定、2か月後、学会発表予定。
これで客員研究員OK、との噂。


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