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防衛費GDP比2パーセントの軍拡は絵に描いた餅



防衛費増で受注増、前年比5倍のメーカーも 重工・電機「想定以上」
https://digital.asahi.com/articles/ASRCF6HJ2RCFULFA00P.html


>ミサイルやレーダーなどを手がける大手重工・電機メーカー各社が、防衛事業の受注を伸ばしている。政府は昨年、2027年度までの5年間の防衛費の総額を、これまでの1・5倍となる43兆円に増額する方針を決定。岸田政権が防衛政策を転換し、メーカーの利益水準を改善するなど支援を本格化させたことで、各企業の業績にも影響が出始めている。

 

>長射程のスタンド・オフ・ミサイル関連の開発で4月に防衛省と契約を結んだことなどが要因となった。通期の見通しも8千億円上方修正し、ほとんどが防衛事業の伸びによるものだという。

>川崎重工業も防衛事業の23年度の受注高の見通しが4600億円程度となり、前年より2千億円増える。防衛事業の売上高も前年から約400億円増え、2800億円強となる見込みだ。

>NECも、防衛と航空宇宙領域を合わせた事業の上半期の受注高が前年比で40%増えた。主に防衛領域が好調だったことが要因といい、藤川修取締役は「かなり大きな数字の受注が来ている」と語った。

>装備品の受注増に伴い、人員や設備投資を増やす動きも進む。三菱電機は5月、防衛・宇宙事業の人員を1千人増員し、約700億円の設備投資を実施すると発表した。10月には、レーダーなどを製造する工場に新たな製造棟を建てる計画も明らかにした。三菱重工も急増する受注に対応するため、設計部門などの人員を増員するという。


毎度申し上げておりますが、このような買い物をしても防衛産業の強化にはなりません。
それは世界的に見れば弱小レベルの規模でしかない。そして互いの縄張りが決まっており競争もない。輸出をしていないから、市場経済に晒されることもなく。軍事音痴の自衛隊のいうがままに開発をしている。

まずは同じ分野での事業統合が必要です。例えばソナーでもパッシブとアクティブで棲み分けしているわけで、当然、研究開発は偏るし、開発予算も按分されます。音響工学の博士号を持った人材も両社にはいない。先を見たらどんどん人材を投入して、開発費も負増やすことにはならないでしょう。増えるのは天下りだけでしょう。
ミサイルも潜水艦も、無線も同じです。タレス、レオナルド、レイセオン、L3はもちろんSTエンジニアリングやアセルサン、韓国にも敵わないでしょう。

ですが官民ともに事業統合はやる気がない。


>防衛産業の利益率は海外では10%を超える企業もあるなか、日本では平均8%と低く、実質2~3%という調査結果もあった。国内では大手企業も含めて事業の撤退や縮小が近年、相次いでいた。
>防衛省はこれを問題視し、10月から、発注の際に見積もる企業の利益率を従来の8%程度から最大15%に引き上げた。品質管理や納期の順守など企業努力に応じて利益率を上乗せする仕組みを新たに採り入れた。

これも毎度申し上げておりますが、他国のメーカーは市場で競争しています。開発しても売れない商品もあるし、売上回収が滞ることもあるなどリスクを背負っています。そのさを説明せずに日本のメーカーは冷遇されているというのはいささかむしの良い話です。
事業統合によるダブりをなくして、事業規模を拡大することによって体質を改善するつもりはない。

これで個々の弱小規模の事業に金をばらまいても体質改善にも、開発能力やコスト削減には繋がりません。

>NECは「(利益率は)もともと低いが、新規の案件では改善し始めている。マックスに近い利益率を取れるようにしたい」(藤川取締役)としている。

いまでも十分にとっているでしょう。クズのような広域多目的無線機やいずも級に不要で、探知能力も低いバウソナーやらをOB大量に抱え込んで押し込んでいるでしょう。さらにシステム関連なんてボロ儲けでしょうや。

さてこの5年間で43兆円の防衛費を確保し、更にGDP2パーセントまで拡大するという話ですが、ぼくは実現しないと思います。

今後日銀の利上げは必至です。それをやらないとますます円の価値は下がってインフレは続くでしょう。更に金利が低いと今まで同様のバラマキ政策の大盤振る舞いが続いて財政赤字が大幅増えてやがては破綻するでしょう。
金利が増えれば予算の中の金利利払いが増えます。同時に原本も返さないといけない。例えば、金利払いが国家予算の半分になっても軍拡できますか?

その分の防衛予算の財源確保できますか。どうしてもやるならば、社会保障費を何割もバッサリと切る必要がありますが、政治的に可能でしょうか。まあこのまま行けば、IMFの管理下に入ってそうならざるを得ない。

そもそもGDP2パーセントはアベノミクス失敗をごまかすための安倍晋三の狂った権力欲のためのものです。これだけの防衛力が必要だからと積み上げた数字ではない。
彼はそれに合わせて予算を作れて言っていた。語るに落ちるです。

ぼくは中長期的には防衛費は7兆円強程度がせいぜいではないかと思っています。防衛大手も馬鹿ではないでしょうから、いつでも逃げられるような姿勢で臨んているでしょう。
そうであれば本気で事業を振興しようなどと思っていないでしょう。今だけ、金だけ、目先だけでしょう。

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