「非実在軍事ジャーナリスト」を重用する週刊新潮とデイリー新潮。



先日週刊新潮から電話取材を受けたのですが、ぼくの話がお気に召さなかったようでコメントが採用されませんでした。さすが「非実在軍事ジャーナリスト」を重用する編集部です。

で、今度はデイリー新潮の与太記事です。

防衛費5兆円増でも…自衛隊員から「財務省に殺される」という悲鳴が上がる現実
https://news.yahoo.co.jp/articles/698dc176f42d03f2efaf0ad3cf0943604fad789a?fbclid=IwAR1cfHF0XwLyUU-5lyA02bPsiMoSnGa-j6lVlF1VWmgqLFBzbybCeaK4APo

>朝日新聞デジタルは5月25日、「ウクライナでも次々破壊、戦車はコスパ悪い? 財務省と防衛省の攻防」の記事を配信した。財務省が防衛省に「戦車は高額な割にコストパフォーマンスが悪い、安くて役に立つ対戦車ミサイルを増やせ」と“注文”をつけたという内容だ。

記者は日本語が読めないようです。財務省のいっているのは、今の装備体系、運用体系で、今回明らかになったような戦いで勝てるんですか?見直しをしたほうがいいんじゃないですか?といいう話です。

ぼくが既に指摘しているとおりです。

財務省が戦車の有益性を辛辣に指摘した真の意味
https://toyokeizai.net/articles/-/587274

戦車だけは新品で、戦車に随伴するICVなどの装甲車両の更新はないだけでなく、ドローンや対ドローンシステム、RWS(リモート・ウェポン・ステーション)の導入では途上国以下のレベルの陸自戦車部隊は実戦になったら一方的に虐殺されるだけです。
それで新潮社はいいらしい(笑

>「財務省が“戦車不要論”を唱えたのですから、かなりの反響がありました。東洋経済や産経新聞も記事にしています。複数の軍事専門家が“戦車必要論”を主張して反論したこともあり、『財務省が日本を滅ぼしてしまう』と指摘する識者もかなりの数にのぼっています」

東洋経済の記事ってぼくの上記の記事ですかねえ?
だとすればデイリー新潮の編集者って日本語が読めないことになります。
そもそも財務省は「戦車不要論」など唱えておりません。それはそこいらの程度の悪い軍オタあたりが歪曲しているだけの話です。新潮社の編集者ってそのレベルなんですね。

>本稿では、戦車が必要か不要かという問題は取り上げない。デイリー新潮は6月4日に配信した「防衛費“5兆円増”で自衛隊が購入すべき兵器は? 専門家が『トマホーク』を挙げる理由」の中で、戦車不要論は正しいかどうか専門家に取材している。興味のある方は、そちらをご覧いただきたい。

あれが「戦車不要論」と読めるなら脳の精密検査を受けた方が宜しい。
今のままの「戦車偏愛、戦車溺愛」のおかしな装備体系で、ドローンの導入もネットワークも最貧国並で
戦えるのですか?という話ですよ。

常識があれば防衛費を増やす前に、無駄遣いを正しますよね。
常識があればまず他国の数倍の装備調達を普通にすること考えますよねえ?
新潮社では印刷費とか文藝春秋の数倍払っているんでしょうかね?

>さぞかし自衛隊では士気が上がっているだろうと普通なら思う。ところが現場を取材してみると、「高額で高性能な最新兵器より、私たちの身の回りを整備してほしい」という切実な声が多いようなのだ。さる軍事ジャーナリストが言う。

何で軍事ジャーナリストが実名を出せないんですかあ?
大切なことなので繰り返します。

何で軍事ジャーナリストが実名を出せないんですかあ?
何で軍事ジャーナリストが実名を出せないんですかあ?
何で軍事ジャーナリストが実名を出せないんですかあ?


本当にその「軍事ジャーナリスト」っているんですかあ(笑

>「沖縄県内の駐屯地では部隊の車両車庫まで予算が回らず、装甲車なども青空駐車で塩害に悩まされています。野ざらしだと車両の劣化が早く、整備に手間を取られてしまう。ただでさえ人手不足なのに、余計な作業が増えて困っているそうです。『防衛費が増額されるなら、車両の車庫が欲しいですね』とのことでした」(同・軍事ジャーナリスト)

>「航空自衛隊の基地には、ほとんど『掩体(えんたい)壕』がないのです。『掩体』とも呼ばれますが、平たく言えば“軍用機用の防空壕”です。格納庫が鉄骨で作られるのに対し、掩体壕は鉄筋コンクリートです。青森県の三沢基地など、いくつかの基地では掩体壕が整備されていますが、全くないという基地も珍しくありません」(同・軍事ジャーナリスト)

この下りはぼくが週刊新潮にお話した内容と同じです。不思議な偶然があるものですねえ(棒

だって高価な戦闘機かったり、他国の何倍も高い調達&運用費のかかるC-2を導入したり、官製談合で23.75億円で調達すると嘘をついて50億円の救難ヘリかってりしているわけですから、そういう無駄使いをやめればバンカーぐらいすぐ作れますよ。
それは故海原治氏がかつてのFXでF-15よりもっと安い機体を選定して、その分をバンカーや弾薬備蓄などにつかって、広い意味で戦力をつけろといっておりました。それができずに、高いおもちゃを買いたがる。その結果です。

>「本来は一括購入したほうが単価は安くなります。ところが、防衛費には上限があるので、一斉に20式小銃に切り替えると予算超過となってしまう。そのため、何年もかけて順次、新式の小銃を配備していきます。実際、1世代前の89式小銃も、まだまだこの先も長く使い続けられますし、一部の現場では更に古い64式小銃も現役です」(同・軍事ジャーナリスト)

これも89式が他国の小銃の何倍も高いことを無視していますよね。機銃にしても他国の数倍から10倍以上です。他国並みの調達単価にすればあっという間に揃えられますよ。
30年も掛けて小火器を調達すること自体が異常です。MINIMIにいたっては30年かかって調達が終わらず、メーカーの住友重機は生産から撤退、別のMINIMI MK3の輸入となりました。

>「『隊員の制服や靴も、実は足りていません。予算が増えるなら、こうした個人貸与品の整備に使ってほしい』という意見もかなりの数にのぼりました。物品不足の北朝鮮を笑うことはできません」(同・軍事ジャーナリスト)

これらも装備調達を他国並にすれば簡単に解決する話です。

>「一部の駐屯地では、小銃だけに合わせたサイズの銃架を使っています。そのせいで、例えば光学照準器を装着したままでは、銃架に収まらないのです。正確に調整して取り付けた照準器を片付けるたびに外すなど、常識では考えられないことです。『予算が増えるなら銃架を何とかしてほしい』という現場からの要望もありました。裏を返せば、財務省の厳しい予算査定だと、銃の格納場所も満足に改造できないというわけです」(同・軍事ジャーナリスト)

まあ、89式には光学照準器付いている方が少ないんですが(笑
これも意図的な世論誘導です。財務省が悪いわけではなく、限られた予算で正面装備を何倍も高いカネで買うからですよ。サラリーマンが通勤用のカローラ5倍の値段で買えば、金欠になるのと同じですよ。
普通の軍隊ならば武器庫の備品の予算も考えまて、全部クソ高い国産小銃に銭をぶっこんだりしません。

>いかにも財務省が好みそうな「アウトソーシング(外部発注)による経費削減」の行きすぎにも、現場は不安視しているという。


>財務省に自衛隊員は殺される──こんな物騒なことを言う隊員もいるという。陸上自衛隊の隊員が携行する「救急医療キット」が貧弱なためだ。

>「かつて自衛隊のキットは、極端に言うと、包帯と三角巾ぐらいしか入っていませんでした。さすがに今は改善されましたが、アメリカ軍と比べると貧弱です。例えば、アメリカ軍の場合はモルヒネを筆頭に様々な医薬品が準備されていますから、負傷しても鎮痛などの応急処置を施され、救援を待つことができます。ところが自衛隊員は、激痛にのたうち回りながら戦死する可能性があるのです。薬事法の規制といった問題もありますが、財務省の予算査定が厳しすぎるのも原因の一つです」(同・軍事ジャーナリスト)


取材していないのがよく分かる箇所です。かつては包帯と三角巾ではなく包帯が2個でした。それがその後包帯、止血帯が各一個と変わったわけです。そのころにぼくが個人衛生キット批判をしました。
一連のぼくの記事に加えて、防衛省の衛生問題の座長だった佐々木勝先生も批判記事を書き、ぼくの勉強会のメンバーだった、当時参議院議員で、現在の大野埼玉知事が民主党を動かして、改善のための予算が補正で付きました。これには財務省も賛成でした。ぼくはその舞台裏を全部知っています。

大体衛生キットの向上を嫌っていたのは陸自の衛生部ですからね。あたしゃ、きちんとその当たりは十全に取材しております。
ですから、ぼくは裏の事情を全部知っています。それで衛生部は大臣や幕僚長には問題ないです、米軍と同レベルですよ、とだまくらかしていたわけで、それがぼくの執拗な会見での質問で問題が露呈したわけです。

オレが言い出さなけりゃ、未だに衛生キットはあのままだよ(笑


こういう捏造記事書いて恥ずかしくないんですかね?

>もちろん、自衛隊員の“言い分”ばかりを聞き、財務省を悪役にするつもりはない。防衛省にも猛省すべき点があるという。

嘘つけ(笑

16式機動戦闘車に途中からクーラーが付いたのはつけないと予算を認めないぞと財務省に言われたからです。海外視察予算は青天井でつけると財務省がいったのに、要求しなかったのは防衛省側です。そのくせ出張希望者には「財務省がカネを出さない」と嘘をいって騙していました。

無論財務省の予算の削り方には問題が無い点がなくはない。ですが普通に話をしていると軍事的常識は防衛省や自衛隊よりも財務省の方があるように思えます。

こういう程度の悪い軍オタの喜ぶような捏造記事かいてPV稼ないと行けないほど新潮社はこまっているのでしょうか?
これだけ「某軍事ジャーナリスト」発言の引用だらけの記事ならば、その後本人に「署名記事」でも書いてもらった方がはやいでしょう。
それともその「軍事ジャーナリスト」とやらは原稿が書けずに喋るだけなんですか?


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根拠なき自民党の防衛費GDP比2パーセント公約
https://japan-indepth.jp/?p=65812

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https://japan-indepth.jp/?p=67056

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。

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防衛費をいくら増やしても企業撤退が止まらない

https://toyokeizai.net/articles/-/595203


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