写真に写らないもの。
働いている人や何かを作る人の撮影するとき、手元や指先だけじゃなく全体の動きを目で追っています。足早になったり動きがゆったりになったり、少し顔を近づけたりピタッと止まったり。
その一連を追いかけていると撮るべきシーンが見えてくると同時に、なんとなくその人の人柄にも触れているような感覚にもなるからです。
それらを写真の中にどのぐらい写し込むことができているかは分からないけれど、どうしても写真では撮れないなあと感じているところもあります。
それは音。
お肉がじゅうじゅうと焼ける音、窓から入ってくる子供たちの声、青空に響く工事の音。シャッターを切る際、耳にはいろんな音が届いていて、中にはそれによってファインダー越しの情景が映画のワンシーンのように見えることもあるけど、どうしても音は写真には写り込んではくれません。
そうやって取りこぼし続けてきたものをすくい取ろうと、半年ほど前から動画を撮るようになりました。写真と映像は似て非なる物だけど、重なり合う部分が多いのも確か。
福岡の料理家・広沢京子さんのホームページ用の写真の撮影をさせて頂いた際、同時進行で動画も撮影。(ホームページはこちら)
絵コンテも香盤表もなくその場での閃き頼みなので粗さは隠せないけど、ジャムセッションのような即興性の持つ臨場感・緊張感は表現できると思うので、この方法で撮影を続けてみようと思います。
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