AIに、「多度津工学試験所における耐震試験の条件と具体的な試験内容について教えてください」と質問 2007.7.16に発生した新潟県中越沖地震に被災した東京電力の柏崎刈羽原発1-7号機の経験の特筆すべきことは、多度津工学試験所の耐震試験の多くが縮小試験(もちろん実規模試験もあり)であるのに対し、結果として、世界初の実炉でのフルスケール試験で、原子炉建屋内の機器・配管類は、予想どおり、変形どころか、塑性変形(設計許容値は弾性変形の応力ひずみの三倍に対応する応力対応)すら発生していませんでした

質問

私が、昔いた組織のひとつのブランチの施設についてであり、分かり切ったことですが、AIに、「多度津工学試験所における耐震試験の条件と具体的な試験内容について教えてください」と質問。

回答

多度津工学試験所は、香川県仲多度郡多度津町西港町にかつて存在した原子力発電用機器の耐震試験を行うための研究施設でした。主な試験設備として、世界最大と称される大型高性能振動台設備がありました
この振動台は、原子炉圧力容器などの原子力発電用機器を実際に載せて揺らすことで、耐震信頼性実証試験が行われていました。阪神・淡路大震災の7倍の6000ガルの揺れを作り出せる15メートル四方の振動台の上に、最大重量1000トンまでの設備を載せて振動テストを実施することができました
具体的な試験内容としては、高圧ガスタンク、原子炉建屋の耐震試験等が実施され、末期には一般の家屋や家具の加振試験も受託されました
また、試験所の主要機器構成は以下の通りです
・制御装置・計測データ処理設備
・振動台テーブル
・水平加振機(7基)
・垂直加振機(12基)
・耐力壁
・耐力床
・試験ピット
・天井クレーン(250t×2基)
・アキュムレータ・ユニット(36基)
・油圧ポンプ
振動台の主要性能は以下の通りです
・最大積載重量:1000t
・テーブル寸法:15×15m
・加振方向:同時2軸(水平1軸、垂直1軸)
・最大ストローク:水平±200㎜、垂直±100㎜
・最大速度:水平75㎝/s、垂直37.5㎝/s
・最大加速度:水平無負荷約5G、垂直無負荷約2.5G
・最大加振力:水平3000tG、垂直3300tG
・転倒許容モーメント:6500t・m
・加振持続時間:20s
・周波数範囲:0~30Hz
以上の情報は、試験所が運用されていた時期のものであり、現在は閉鎖されています。そのため、現在の試験条件や具体的な試験内容については、該当の研究機関や企業に直接お問い合わせいただくことをお勧めします。

試験内容
・原子炉格納容器の試験:エアロック、PWRのポーラクレーンなどの慣性付加質量やBWRの圧力抑制室内水などを模擬しました。
・PWR一次冷却設備の試験:主冷却材管、蒸気発生器、ポンプなどを含みました。
・BWR再循環系配管の試験:ポンプ、弁、圧力容器の一部を含みました。
・原子炉圧力容器の試験:振動性状模擬の炉内構造物を含みました。
・炉内構造物の試験:実寸大模型の燃料集合体群、炉心支持構造物を含みました。

感想

私は、当時、通産省管轄の原子力安全解析所(耐震部があり安全審査用クロスチェック計算に対応できる能力あり)に4年間勤務(1984-88)し、原発の安全解析に携わりましたが、耐震部とは直接関係なく、さらに、多度津工学試験所に直接かかわっていたわけではなく、勤務中と通勤時間に、耐震試験報告書を片っ端読み、日本の原発耐震評価技術が、どの程度か、調査し、現状把握していただけであり、退職後、原子力安全解析所で蓄積した耐震技術の知識が役に立ち、地震や自然災害が発生すると、テレビ局の取材班といっしょに現地に行き、現場調査と報じ方の打ち合わせなど、多くのことにかかわりましたが(著書参照)、日本の耐震評価技術が、妥当であることは、2007.7.16に発生した新潟県中越沖地震に被災した東京電力の柏崎刈羽原発1-7号機の建屋内外の損傷状況で証明され、すべて、多度津工学試験所での試験結果の範囲内であり、柏崎刈羽原発1-7号機の経験の特筆すべきことは、多度津工学試験所の耐震試験の多くが縮小試験(もちろん実規模試験もあり)であるのに対し、世界初の実炉でのフルスケール試験であったことであり、原子炉建屋内の機器・配管類は、予想どおり、変形どころか、塑性変形(設計許容値は弾性変形の応力ひずみの三倍に対応する応力対応)すら発生していませんでした。
BWRの制御棒は、下から上に、水圧で押し上げられますが、通常、技術基準では、2秒以内で完全挿入のスクラムですが、実際には、1秒以内ででき、大きな地震時でも、多度津工学試験所のフルスケール試験の結果では、1.6秒であり、柏崎刈羽原発1-7号機の震災時でも、1.6秒でした。
原発の耐震対策では、大きな安全余裕度が確保されているため、震度六強以下では、懸念すべきことはなく(設計では、壊れてはならない機器・配管類と壊れても支障のない機器・配管類が区別されており、世の中で、地震の度に問題視されていることは、一般建築構造物に適用されている耐震指針である耐震Cクラスの壊れても支障のない部位で、主に、一部の屋外施設、注意すべきことは、屋外施設でもAクラスあり) 、懸念すべきは、震度七(850 gal.以上) の世界。





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