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つまみ細工にチャレンジ

01-2.つまみ細工にチャレンジ

「きよこちゃん。始めるのに遅いことなんて何もないのよ」
なにかを始める時、祖母の言葉がいつもわたしの背中を押してくれます。

気に入ったものがないなら作ればいい!と始まった、わたしの「つまみ細工チャレンジ」ですが、さて。どこから手を付ければいいものか。
祖母はもう亡くなっていましたが、ヒントを探して祖母の話を思い出していました。

70才を過ぎてからちぎり絵を始めた祖母は、すぐに展覧会で賞をとるまでになり、86才で亡くなるまで、自宅でちぎり絵教室の先生をしていました。
美しい和紙をお土産にもらったのをきっかけに、和紙のままではなくなにかの作品を作りたい!と考えたそうです。まず本屋さんに行き手工芸の本がならんだ棚からちぎり絵を見つけ、本の後ろにあった著者に連絡をし教室を訪ねたと話していました。

すでにつまみ細工については検索に検索を重ね、動画サイトの作り方も見て基本のつまみ方は理解し、キットを購入するところまでは進んでいたのですが、ここが知りたい!の部分がまだ満たされないままでした。

そうか!本があるかも!と本屋さんに探しに行きました。ネットで表紙を見て注文ではなく、本屋さんなら実物を手に取り、知りたいところが載っているか確認できるので、これはいい方法だって思いました。
そしてまんまとつまみ細工の本を見つけ、中身を比べて…
わたしの知りたいことが全部載っている1冊を発見し購入したわけです。

(この本がまさに運命の本であり、手にしたことで、自分で教室をする未来に繋がるなんて。この時はまだ欠片も思っていませんでした)

わたしが購入したキットには、縮緬もおちりんの台紙も全部そのまま封入されていたので、指定の大きさに縮緬をカットするところから始めなければなりませんでした。

はて。この縮緬という布は普通の裁ちばさみで裁断するんだろうか?
その時チャコペンで線引くの?え?1.5センチとか線引いたら2mmとかずれちゃいそう。それって致命的じゃない???でもカッターじゃ無理だよな。あ、ロータリーカッターか。カッターマットもあったはず。。。

はじめからそんな感じで、手芸にはなんでも手を出してきたわたし。道具はいろんなものを持っていてまったく困りはしなかったけど、じゃぁ、何をどう準備したらできるのか…がわからずに困りました。

そこで購入したあの本が役立ちます!

「はじめてでも簡単 素敵なつまみ細工 (花びら著)」

初心者の私が、ん?って思うこと、大げさじゃなく全部ここに載っていて、なるほどなるほど!と進めるうちに練習も試作もしないままいきなりのキット本番で、成人式の簪がめでたく出来上がってしまったのでした。


そんなわけで、できあがった長女の簪は素晴らしく美しく、振袖にもぴったりで、長女の肌の色にも良く映える色合いで、自画自賛にも程があるんですが、控えめに言っても「わたしって天才!」って思っていました。

このときから2年ほど経って、お世話になったこの本の著者である花びら先生の広尾教室に通い始め、作品の製作は長女の大学の卒業式の袴に合わせた髪飾り、次女の成人式、卒業式、友人のお孫さんの七五三かんざし、成人式、卒業式・・・と続いています。

最初は「ないなら作ろう」で始めたつまみ細工ですが、道具をそろえて始めてみたら今までかじったどの手芸よりもわたしに向いていたようで、これがつまみ細工か!と初めて知ったあの日からもう7年になりますが、今も広尾に通っています。楽しくて楽しくて楽しいままに。

そして今度は、つまみ細工の魅力を伝えたい!という気持ちがわいてきました。祖母よりも年齢的には早く始めましたが、スピード感はゆっくりなものの、確実に同じ道をたどる自分に、笑ってしまいます。

おばあちゃん。孫娘は元気につまみ細工をしています!