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ももちの世界「皇帝X」手話のシーンについて

9月に出演する、ももちの世界「皇帝X」リーディング公演の戯曲中にある手話のシーンについて、きちんとアナウンスしたいなと思ったのでnoteでお知らせします。

作・演出のピンク地底人3号さんは、2021年から手話を作劇に取り入れていらっしゃり、「皇帝X」にもろう者と、聴者で手話を話せる設定の登場人物がいて、劇中には手話での会話のシーンがあります。

今回の公演では、出演する俳優は全員が聴者で、上記のろう者の登場人物も聴者の俳優が演じます。手話のシーンは、ト書きで「手話で」「手話と発語で」などと補足を入れた上で、セリフの内容を声を使って読みます。

私はろう者の役にはろう者を起用すべきだと考えていますし、劇団さんもその立場に立っています。ですが、9月の企画は、12月の大阪での上演に先駆けたワークショップを兼ねたリーディング公演であり、企画の性質上、主に時間の面での制約が大きく、このような配役となりました。

ろう者のコミュニティは、日本手話をはじめとする、ろう者独特の「ろう文化」を持っています。聴者とろう者が同じ座組みで創作をする場合、聴者の俳優・スタッフがろう文化について学ぶ時間が必要ですし、稽古や打ち合わせも、きちんと意思疎通ができているか丁寧に確認しながら進めていかなくてはいけません。今回は、3日間の集中ワークショップで発表まで持っていくため、創作にかけられる時間がとても限られています。
また、リーディング公演ということで、俳優は台本を手に持っているため、手話でアクトを行うのが難しいという上演形式の都合もあります。

ですので、今回の上演では私たちは、俳優は「役を演じる人」ではなく、「その役のセリフを伝える人」であるという演出方針のもとで芝居をします。リーディングという形式は、演劇作品の上演というよりも戯曲の紹介、あるいは戯曲を読んで楽しむための一つの形という側面が大きいため、理に適った演出であると言えると思います。

今回の配役と演出方針については、顔合わせの際に作・演出のピンク地底人3号さんから丁寧に説明を受け、私は納得した状態で稽古と本番に臨むつもりです。

「皇帝X」は2023年12月に、ももちの世界の本拠地である大阪にて上演が予定されており、その際には、ろう者の俳優と一緒に創作を行うそうです。手話、発語、字幕で上演されます。楽しみにお待ちください!

東京でも、ももちの世界という劇団さんや、「皇帝X」という作品を色んな人に知ってもらえたらと思うので、今回のリーディングも見に来てくれたらとってもとっても嬉しいです。

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