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忘れないように

夕方駅で待合せしようと言ったら、近所で用事を済ませてからうちに寄るというので、甘いなぁケーキを買って待つ。
声が天龍になってるからと事前にLINEしてたのに、「おかえり」と出迎えたとたん腹抱えて笑い崩れる長男。「そんなに笑うか⁈言ってあったじゃん!」「マジやめて!想像を超えてるwグフっちょっと喋んないで!」

前の日に入社試験へ行ってきて、ものすごく疲れたと言う。本質を見抜かれる様な、受けてて嫌だなぁって思うテストだったって。
要領のいい子なら、何回もシュミレーションして対応するテクを身につけておくのであろうが、面倒くさがりの我が子は事前準備が苦手。本命の前になんでいっぱい受けないかなぁ、数打ちゃ当たる的な母からするとノンビリ息子は歯痒く感じる。けれど不器用でキャパオーバーしやすい自分を本人よくわかっている。まあジタバタしたところでしょうがない。ケーキを食べて昼寝してから出かけた。

「何を演るかな。リバグラ、三日月聴きたいよね。」「ナウゼン2で初めてくるりのライブ行ったのが恵比寿リキッドだったね。」そして開場で周りを見回して長男が一言「今日はくるり度が濃い感じ」「どんなところが?」「年齢が上目っていうか、なんか〜」と口ごもる。ファンクラブイベントなのでもっとファンTシャツ着てる人がいっぱいかと思ったら3割くらいだったか、そんな装いがオトナ感なのか。20年も追いかけてればファンも醸す何かがあるのだ。

番号が後ろの方だった割に前方に入り込めラッキー。ブレーメン、そして宿はなし!いつも音博の最後を締めくくる曲がいきなり聞けてからはもう展開を読みませんでした怒涛の第1部。

幕間はFCイベントならではのお楽しみ新曲試聴会。PCを前に佐藤さん、岸田さん、ファンちゃんが座って、おしゃべりしながら録りたての曲を生焼きのお好み焼きに例えて紹介していく。この曲くるりっぽいと思う人と尋ねて挙手したお客さんの反応に、ビミョーな表情を見せる岸田さん他。ぽいのもぽくないのも、それがくるりなんだって。ギターのウネウネを聞かせてる時の変顔とか、とにかく喋りがおかしくて。エモい東京オリンピックを次の次では無くて、次のに入れるっていうのを挙手で決めちゃうとか最高。ものすごく近かった。ファンと心の距離が。

第2部は試聴会で聞いた新曲を惜しげなく披露。東京オリンピックは演奏も大変そうだけど付いてくこっちも必死。難解でワクワクする。ハイネケンのギターはエクスタシィ。ハイネケンを音博で空の下で聴いたら気持ちいいだろうな。どの曲も印象が強くて第1部なにを演ったか吹き飛んでしまいそう。なんだか別モノのバンドに感じた。建設中の次のアルバムはどんな風にまとまるんだろう。
おなかぱんちくりん満腹のファンクラブイベントの夜でした。ごちそうさま。


#くるり

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