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過去作品解説 part.3

寒くなってきましたね。今日の給食はシチューでした。さてここからは駆け足でいきます。3年〜4年にかけては、どんどん展覧会を行って外部に発表していこう!という時期でした。

まず春に行ったのが奥田さちよさんとのふたり展(コンボ展)「みらくるエブリデイ カイザーブルー ☆シ☆ー☆ル☆キラ」(みらブル)。ubeful galleryからART KYOTOと同時期に開催させて頂きました。奥田さちよさんのことはpixivで既に知っており、お会いしたのは彼女の個展に僕が普通に伺ったのが最初だと思います。それからさちよさんに学祭の展覧会に来て頂いたり、、何かとフィーリングが合い、じゃあ二人でやってみよう!という流れに自然となりました。

いやぁ〜、非常に、懐かしいですね。奥のスクエア100号はさちよさんとの合作です。今見るとけっこう良い絵ですね。そう思いませんか。この絵は今僕の自宅にあります。

「MIRAGE EYE」思いっきり瞳を描いています。ただそれだけをキャンバス画にしています。これ、最近Tシャツになりました。かっこいいので見てみてください▶https://ubeful.booth.pm/items/136595

この頃の作品は「サンダーボルト」からの流れです。この時期の絵は、一枚の絵じゃないんです。絵の中にパースペクティブなんかありません。さらに、絵の具はただの塗料のようです。色の均衡も何もありません。それから、わざと層をペラッペラの一枚表面にしています。手数が無さ過ぎますよね。というのも、これらの絵は物語も何もないただの「エフェクト」なんです。その軽快さを強調するように当時会場では様々な擬音・効果音がランダムに流されていました。つまり、色彩などなく、ただ好きな色を塗っている=「カイザーブルー」、奥行き否定の一枚レイヤー=「☆シ☆ー☆ル☆」、エフェクト=「キラ」というわけです。一切の重さから解放された、スーパークールな展覧会だったのです。(「みらくるエブリデイ」に関してのコメントはありません。)

さて、次は初夏に大学のギャラリーで行った展覧会「秘密ソング」です。こちらもふたり展となりました。以下出品作リストです。左列の大作は黒い絵以外すべて新作です。黒い絵はけっこう前、青いストライプの絵と同時期です。

この展覧会では打って変わって、「絵画」に寄り添う形にしています。これには個人的な原因があります。いよいよ大学4年というところで僕はゼミを変更します。普通、4年からゼミの変更はしないのですが、今までいたゼミでは調子がつきすぎてやることが良くも悪くも散漫になってしまう、と感じていました。自分にセーブをかけたかったんです。それにせっかくこの大学にいるのだからもっとチャンバラしていこう。というわけで、「絵画」というものを大事にしているらしい別のゼミへと転入することにしました。これが苦行でした。苦行というか、まったく話が噛み合わないのです。詳しい話は省きますが、「絵画」ゼミでの立ち回りを経て、この絵画群が生まれています。  

「TSUBASA Requiem」202x204cm キャンバスにアクリル、パステル

翼を描いたこの作品は特に気に入っています。あの広い空間で光が入るとすごくきれいに見えました。神々しく光るんです。画像で見るとまったく印象に残りませんが。ぜひまたどこか光のきれいな空間で展示したいですね。この絵はいま淡路島の実家に収められています。。

「絵画」ゼミで重視されたのは絵の具の厚み、使い方です。ある狭い業界の意味するところでは「絵画」とは塗り絵なのです。要するに適当なモチーフをテクニックで塗っているだけなのです。その意味では、なんでも、どんなつまらないアイディアでも、傾向と対策で素晴らしい「絵画」にすることができます。で、だから?そんな意味の無いことをしてどうなる?しかし、まあ、絵の具は裏切りませんから。と、いうわけです。ちゃんちゃらおかしい話です。と、若い僕は世の中を非常に気の毒に思っていましたが、今思えばそうとも限りませんでした。ひたすらに、絵の具と向き合う。「画家」になるためには、必要なことなのかもしれません。今では少しだけそう思えます。そしてこのゼミでの奮闘は結果的に自分の絵にとって良い結果を生んだと思っています。描き方どうこうではなく、根性論的な意味で。

「DEUS X MACHINA」228x570cm キャンバスにアクリル

これは、せっかく広い部屋で展示出来るし最高に大きい絵を描いてやろう、その方がきっとみんな楽しいだろう、で絵の前に人を立たせてニューマンの「アンナの光」みたいなかっこいい展示写真を撮るんだ、ということでつくりました。これは本当に描いてるとき死ぬかと思いました。どう死にそうだったかは秘密です。(描き方想像してみてください。)若者というものは意味の無いことを死ぬ気でやってみたくなるものです。この絵はぐるぐる巻きにして、同じく実家の淡路島に収められています。なぜか木枠だけ京都の部屋にありますが。絵の展示写真ですが、かっこよく撮れたものがありますので、ぜひ今度お見せしたいです。(モノクロフィルムカメラで撮影したもの。)

駆け足と言いながらけっこう丁寧です。さて最後の展覧会は、夏に参加させて頂いた「光と影の剣◇剣ジャンプ」です。奥田さちよさんとのコンボ展ふたたび。(展覧会は交流イベント「OPENING PARTY」を飾って盛り上げるために企画されたもの。)

新作で、光と影の絵です。細かい成長があります。この辺になってくると少しは上手くなって来たかなという感じです。肩の力が抜け始めてきた頃ですね。あと会場写真に剣があると思うんですが、あれは「秘密ソング」の時にも発表していたもので、木材を十字架に組んで逆さまにして剣に見立て、キャンバスを張って一面だけ絵の具で塗っています。立体でもレリーフでもなく、絵です。裏はキャンバスホチキスで裏張りしてるの丸見えです。柄はゴールドで飾り、刀の部分は薄くエメラルドグリーンで塗られていてとても綺麗なんですよ。この刀の作品も淡路島収蔵です。

さてさてやっと一段落、大学4年の夏、ここまで来ました。次回に続きます。次回は、夏休みに行った故郷・淡路島での初めての個展についてご紹介させて頂きます。もうしばしお付き合い下さい。

つづく

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