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バラエティー豊かで、しっかり学べる、みずいろ絵画教室。

最近の絵画教室での光景を書き留めたい。

現在のみずいろ絵画教室ですが、本当に様々な年代の方が来てくれています。小学生から、中学生、若い社会人の方、中高年からシニア世代まで、実にバラエティー豊かです。生徒人数は全然多くないですが。

今日は、ご年配の方々に「カラーフィールド」のレッスンに取り組んでもらいました。

「カラーフィールド」とは、大きな色面によって空間を演出させることを目的とした絵画のことです。部屋の壁面としての絵。とりあえずは、そういう理解でいいです!
今回はそんなカラーフィールドに着目し、「自分の背景」をテーマに描いてもらいました。モチーフをスクリーンとしての画面の中に描くのではなく、モチーフを絵の外にある現実の自分と捉え、その背景となる壁面としての絵画を描くという課題です。自分の「雰囲気」を絵にすると言い換えても構いません。四つ切り画用紙の何倍もある大きな紙を壁に貼って、描いていきます。実際に完成後は絵の前に立って、自分と背景の絵を写真に撮ってみたいと考えています。

まず重要になるのは色です。自分のオーラは何色か?青は好きだけどクールすぎる。赤は?ちょっと怖い。緑は森っぽくなってしまう。黄色は?明るくて色の重みがないかも?色に付随する様々なイメージについても考えることになりました。

まずはクレヨンなどでミニチュアサンプルを描きました。
ロスコの画集を眺めたりしつつ。

大きな画面に描いていきます。
結構体力いりますよ。

生徒さんが描いている時、僕は疑問に思ったことや自分の考えをどんどん発言します。生徒さんも、それに答えてくれます。そして生徒さんからも、アイデアや気付いたことがどんどん出てきます。
僕はこの関係性をとても嬉しく、かけがえの無いものだと思っています。

例えば今日は、緑と青で画面を分けて描いていたことに対して僕が、「風景のように見える。何か具体的なイメージを想起してしまうと、抽象的な雰囲気を表すことに繋がらないのでは?」と問いかけたところ、白いタッチを散りばめて構図をボカす、というアイディアが出てきました。

他にも、「タッチをどうしたらいいかわからない。」という問題提起が生徒さんからありました。これはすごく重要なことで、モチーフを描く時にはあまり気にならなかったことかもしれません。僕は、「タッチは邪魔。色を均一に塗るだけならプリンターを使った方がいい。」とか、「タッチは意図を伝える。ベチャッと塗れば、フラットですよ。ふにゃふにゃ塗れば、空洞が出来る。」等々そんな時は思いついたことを色々言うようにしています。関連があり見せたい作品があればすぐにパソコンで調べて見てもらうようにしています。

タッチについてはこんなことも言いました。
「色面が分かれて差異が何かに見えてしまうのが気になるので、短いタッチをもっと全面に入れて構図を潰したらどうか。草間彌生さんのように。」「右利きだから右方向に同じようなタッチが入ってる。」「回転させて縦の絵にしたらどうか。そうしたら縦構図になるし風景感が消えて抽象度が上がる。」

僕は、自分だったらどうするか?という視点で発言します。すると、生徒さんは、僕の考えの根拠を理解した上で、自分だったらこうします、という一つの答えを出してくる。
この教室では、好き嫌いを超えた絵画の理解と実践が生徒さん主体で行われてる気がします。

参考として持ってきた画集をご覧になり、ロスコの絵に感銘を受けられた生徒さん。自分の絵にもそのアイデアを取り入れようとされていましたが、「これってパクリですよね?」という疑問が出てきました。鋭い指摘でした。「理解して真似する事も大事なのでは?」作品は個人の著作物だけども、優れた作品は皆に知恵を伝えるものでもあると僕は思っています。


みずいろでは毎回、こんな感じで作品の見栄えよりも何より制作の方法と意図を重視して、様々なことに取り組んでいます。内容は大人も子供もほぼ同じ感じでやっています。特にご年配の方々には毎回新鮮な反応があり、普通の絵画教室とは違って新しいことを学べるのが楽しい、とおっしゃってくれていて、本当に嬉しく思います。やっててよかった。対照的に、子ども達には、子ども達の絵がありますので、何をしても彼らのモノにされてしまう感はありますね。逆に僕が制限をかけているような感じです。ただ、僕はそれが逆に彼らを自由にしてくれると考えています。様々な問題について考える経験をさせてあげる事が大事だと思うからです。

↓こちら、別のシニア世代の方の作品。

とっても面白いでしょう?
これは、粘土でオリジナルのモチーフを作って、撮影し、さらにその写真を元に絵を描くという課題です。プロセスを変えるだけで絵が変わるんです!!


さて一方では、同じ部屋で、中学生がデッサンに取り組んでいました。

↓何をしているのでしょうか?

透明板に映ったモチーフをなぞって描いています。
視点が動くと絵がズレるので注意して。。。。

デッサンに見えませんが、これこそがデッサンの考え方なのです。

デッサンを始めたいということで、まずは、そとそもデッサンとは何か?ということからお話しました。
デッサンとは、透視図法であり、視点を固定したスクリーンだということ。そして、それを実践してみました。デッサンという考え方を、描く時に頭の中で何が起きているのか、実際に体験することで理解して欲しかったのです。これが体感できていないと、何が正解なのか、何故自分の手ではこんなに上手く描けないのか、わからなくなってしまいます。理論が分かっていると、自分の手癖が気にならなくなりますし、対処法も冷静に考えることが出来ます。後はもう、トライアンドエラーを繰り返すだけです。正解がわかっていれば、そこに合わせていくのみ!

そしてもう一つ、デッサンの不自然さも体験して欲しかった。こんなのは遠近を表す一つの知恵、方法論に過ぎないということ。その反例として、大和絵などを挙げて鑑賞したりもしました。もちろんデッサンが西洋美術の基礎であるということも。だから、デッサンなんて怖くないのだ。でも、舐めると間違うからやっぱり、怖くないけども鬱陶しい!


さてさて、一方では、自分の作品作りに専念されている方もいます。

↑なんて自由な!
キャンバスにポスカで描いています!美大生が見たらきっと感銘を受けるだろう!!

中高年世代の方の作品です。この方はモチーフも線もこだわりがすごくあるんです。その特殊さをどう作品として伝えていけるか、一緒になっていつも考えています。この作品ではあえてキャンバスに描きタブローにしてみました。他の方法もたくさん試しています。大きくしたり、小さくしたり。最近は、マンガがいいんじゃないか?という提案をさせて頂きました。これからの作品がたのしみです。


こんなバラエティー豊かな絵画教室、他にあるんか?

いつでもいつも生徒さん募集しておりますので、興味ある方はぜひ、まずはメールなり電話なりください!

WEBサイトは、こちら

Instagram:@mizuiroclass

ホントに小さな教室です。
でも、しっかり学べる教室です。

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