自由な世界

暑いですね!最高な夏がやってきました!

先日の絵画教室は「テンペラ」教室でした。

テンペラは卵と色の元になる顔料を混ぜ合わせて描きます。絵の具というのは結局のところ顔料とそれを紙なり板なりにくっつける「のり」で出来ています。テンペラはヨーロッパで油彩よりも前に用いられていた塗料です。

フラ・アンジェリコの「受胎告知」↓謎めいた構図。。。。

有名なのはボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」↓

水で溶けて乾くと耐水になります。使い方としてはアクリル絵の具に近いですね。僕はアクリル絵の具を使うことが多いですが、発色が軽くて鮮やか、不透明、基本的にフラットな面を塗るのに適しています。で、テンペラですが、色はアクリル絵の具以上に、とにかく鮮やかでした。卵だから黄色っぽくなるのかなと思ったけど、全然気にならない。顔料が多いからかな?のり分のベチャッと感があんまりなく、さらさらしている。絵を描く塗料として優れていると思いました。最近、絵の具の色をとにかく美しく見せたいと考えているので、これはアリかもしれません。ただ、保管が難しそうです。高温多湿な日本ではほぼ100パーセント、カビるようです。(多分やりようはあるんだろうけど。。)

今回、絵の具という素材について知る、考えてみる。というテーマでやっているのですが、僕自身、絵を描くときは画材にはあんまり、というかほとんどこだわりません。矛盾していると思われるかもしれませんが。。自分は油彩もやってみるし、水彩もやるし、テンペラもやる。興味があればなんでもオーケー、同じです。なんでも描ける。上手くは描けないかもしれませんが、とにかく描ける。じゃあ描いてみる、とりあえず。画材によって表現を制限しないようにしています。それに、画材をコントロールしようともあんまり思っていません。美しい絵になるように心がけています。そのためにはやはり絵の具、画材が美しく見えなければいけないと思います。画材と紙の上で楽しくやる、ということです。手を使って。その都度、イメージと画材の違う表情を引き出していくということです。

今回の素材の授業では、なんと言いますか、楽になってもらいたのです。画材、素材と遊んでもらって、親しくなること。絵の具なんてこわくない!と思ってもらいたいのです。描写そのものは、はっきり言ってテクニックです。それならば、デッサンを積んで超人になるより、カメラを使う方が利口です。フェルメールやカラヴァッジョだってカメラを使っていたとかなんとか。(ホックニーの本を読みましょう。)やり方を工夫しさえすればどんな絵だって描ける時代なのです。(そうだろうか?ほとんどは。)だから、大事なのは、自分の「やり方」を発見して作り上げることです。もちろん人から盗んでもいいし、反対に誰かに教えてあげてもいい。絵の具もそうで、みんなが買える市販の絵の具で描くよりも、自分で作った絵の具で描けばそれだけでオリジナルな絵ができます。単純ですが画材を変えれば絵も変わるのです。そして画材を変えるなんてことは、誰でも簡単にできます。絵というものは、非常にシンプルな表現なんですよ。絵の具の作りもシンプルです。卵と、色の元さえあればできる。その色の元だって、市販の顔料を使わなくてもやりようがあるでしょう。とにかく、絵は自由なのです。

画材研究!、というほど大層なものではありませんが、8月はいろんな素材で絵を作りますよ!僕も勉強になるし、絵を描く人にとって絶対にためになる内容なので、気になる方はぜひ一度いらしてください。見学でも構いません。


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