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京芸卒展行ってきたよ!

やあ。京芸卒展に行ってきたよ!

卒展とは・・・美大の卒業制作を展示するイベント。
京芸とは・・・京都市立芸術大学のこと。
⚠︎ただし、京芸は生徒数が少ないので、全学年の作品を展示している。だから卒展ではなく作品展と呼ばれているのだ。

僕が在籍していた頃は基本的に京都市美術館でやっていたのですが、美術館改造&京セラ美術館へリニューアルのため現在は大学内でやっています。
めちゃくちゃ行きにくい、市内の西の外れの外れにあります、京芸。冬には猿が出るようなところです。へんぴな場所にあるのですが、卒展になると皆作品が見たくて遠路はるばるやってきます。バスはありえないくらいの大混雑でした。僕がゴボウだったら折れてます。

あまり時間がなくてじっくり見れなかったけど、特に陶磁器専攻の展示が面白かった。

美術館でやっているのを見ていた時より何故だか良く見えた。個展形式で見られるからかな?工芸品として距離を近くに感じるからなのか、単純に僕の興味なのか、流し見できない魅力があるものが多かったです。逆に言うと絵画なんかは美術館で見た方が華やかに見えるかもしれない。

いくつか写真を撮ったものを。

リュ・ジュユンさんの作品。
韓国からの留学生の方です。(実は今度やる渉成小学校展に出して頂いてます。そっちはまた全然タイプの違う作品ですが。)

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手びねり?で作ったと思われる少しいびつな形の壺。
目につくのは韓国語と日本語、英語、何やら文字が書かれています。たどたどしい字です。読むとおかしみがこみ上げてくる。壺を覗き込むと、真っ暗闇です。その大きな空洞を守っている土の皮膚には、手の跡が無数に見える。その上には引っ掻かれた傷があり、それはさっき見えた文字である。なんとなく悲しくなってくる気もするが、釉薬は楽しげにデコレーションしている。

手びねり・掻き落とし・釉薬の表情・金彩銀彩・etc………
そういった伝統的な陶芸の技が、感情を伴ったものとして素朴に見えてくる、新鮮な体験でした。

あと気になったもの。
(お名前メモしてません、すみません。)

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これをなんで作ろうと思う?不可思議すぎて、面白い。

由来がわからないのです。絵画だったらだいたいわかります。絵画というのはある意味で他人の絵を見て描くものですから。そして他人の欲望に応えようとするもの。でもコレは、何がどうなって何処からどう来たのか、どこを向いているのか、僕には全く不明。感覚的には理解出来るが、出典とかノリが分からないのです。

正体はわからないが、手にとって愛でたくはなる。サイズも変に小さいし。オブジェ、にもなっていない。名付けようのない奇妙さだけがそこにある。

これも、不思議。

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砂糖菓子のような淡い色をした大きな塊に、よく見ると極小のフィギュアが付いている。重量の表面に宿る架空のミニチュア世界。

これを作る動機はなんとなくわかります。子供の頃はどんなものにも空想のお話が見えたもの。お花の中や、靴の中に妖精が見えたりね。動機はわかるが、何故これを陶器でやる?粘土でやるまではわかるかも。目の前に粘土の塊があり、手を動かしていたら自然と作ってしまえるかもしれない。だけど作ったとして、何故これを焼く?釉薬をかける?

いざ作るとなれば根拠が実感としてわからないが、しかし陶作品に仕上げることによって何か美しいものとしてシルエットが定まっている気がする。何なの?いったい・・・・・


そういえば書いていて思い出したけど、最近、陶芸ブームなのでは?と思うことがあって。
特に若手作家が新しい取り組みとして陶芸を始めたりしているのを良く耳にします。自分の周辺でも、関東の作家さんだったり。窯がないと出来ないというのは大きな縛りだけど。「工芸」以外のいろいろな視点から陶芸を捉える人たちが増えているんじゃないかな。僕も元々陶磁器が好きだから素直に見れるし、ユニークな作品が出てくるのは楽しい。陶もいいけどガラスもいいなあ。しかしガラスはあんまり見ないんよな。やっぱ作るのがより専門的なのだろうか?

何にも作れないわ自分。

唐突に。工芸科の一回生の基礎の課題とか見てるとさ。楽しくしっかり形になってて、、、、まあホントに、この人たちが技術を身につけている間、僕は何してた?今はもちろんのこと、当時の話。ただ目の前の課題やってるだけ、何にも考えず静物描いてるだけ、ただ油絵の具をコネてただけ。何も教わらず、教わろうともせず、自分のエリアに留まって、ネルネルネルネ、してただけなんじゃないの?(パーのアランさん風に言うならば…)

猿でもできるじゃん!絵の具混ぜるだけなら。ちゃうんか?

自信回復のために何かを始めようかな。
陶芸とか・・・・いや、そんな動機でええんか?

変な話に行き着いたけど、卒展レポートでした。終わり。

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