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危ない音楽

滅んだ文明を駆け抜ける風や
これは風や!!!!

また音楽の話ですが、これを聴いてください。

先月にリリースされたArcaの新曲です。
シングルということですが、一時間あります。デジタル配信によるアルバム崩壊へのカウンター?本人出演のMV(?)がもはや誰やねん状態です。タイトルは「@@@@@」。デヴュー作「&&&&&」を思わせる、検索に引っかからない記号の羅列。

Arca流の歪みまくった電子音、花火のような爆発音、粉砕音、吹き荒れる風、遠くで鳴っている銃声、ドローン、笑い声、パイプオルガンのような残響的なメロディー、かすかに聴こえてくるボーカル、、、、等々、様々な音・ノイズが現れては消え、唸りを上げながら広大な世界を猛スピードで突き進んでいきます。それらは時に渾然一体となり、あるいはバラバラに切断され、ある瞬間には完全に止まったりします。ビートを感じたと思えば消えていく、または変化して全く違う音になったり、急に切断される。しかし混沌とした砂嵐のような音の吹雪の中で、刹那に感動的な旋律が聴こえてきたりもする。泣かせてくる構成がある。これは旅?荒廃した文明を時空を無視して超特急で駆け抜けていくようです。ワクワクしたり、怒ったり喜んだり、立ち止まり、悲しくなったり、この旅人は一体誰なのか?なんとせっかちな現代人だ。印象ばかりを追い求めている。哀れだよ。しかし自由で強い!このジャンルは何?ノイズミュージックだけれどBGM・アンビエントではなく何か強いメッセージがある。感情的な感じがすごくする。むしろ感情的でしかない。これは歌モノ?歌モノよりも歌モノでは?そう思えてくるほどに、エモい。

Arcaについて。
僕はbjorkとの繋がりで知りました。Arcaはbjorkのアルバムに2作参加しており、最新作「utopia」では完全共作していて得体の知れないモンスターみたいな傑作になっています。音楽的なことはあまり知りませんが、Arcaの特徴として、爆発音のような攻撃的なサウンド・やたらと残響を残す旋律・軸となるビートが無い・ツギハギ感・突如として無音になる、等が上げられるかと思います。Arcaが僕に何をもたらしてくれるかというと、開放感です。開放感と言っても、抑圧されているモノは人それぞれだからニュアンスは変わってきますよね。規律や平穏からの開放です。

bjork×Arcaから一曲。

カオスすぎません?
ハープ・フルートの美しい生音とArcaのサウンドが対照的すぎ。カオスすぎ。で、そんなの無視して歌い上げるbjorkのボーカル強すぎ。bjorkの旋律は相変わらずユニークで、初めて聞くメロディーのように毎回思わせる。けど、毎回同じような歌だと思っている人もいそうだ。それもわかるけど。とにかくこの4分間は凄すぎる。MVは、もうコメントできないレベル。

音楽を聴くとあらゆる欲望が消えていきますね。

煩悩昇華効果。あれもしたいこれもしたい、もっと食べたい、人の目がきになる、自分が気になる、顔が気になる、服が気になる、部屋が気になる、掃除洗濯、金をどうする、、生活の全てが煩わしくなった時、音楽があればオールOK。

いや、それって危険では無いか?
だから芸術は危険なのだ・・・・・・

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