新しいやり方

先日のみずいろ絵画教室はドローイングを「油彩転写」して絵をつくりました。

詳しい授業の様子は こちら をご覧ください。

パウル・クレーが好んで用いた油彩転写。法貴先生にオススメされ、クレーの画集を引っ張り出してきて改めて見てみました。

以前京都で開催されたクレーの展覧会の図録より撮影。↓

針金か何かでドローイングの線をひっかいて写すわけですが一緒に手あとも記録されています。その後、わずかに彩色が施されています。ドローイングの鮮度、雑味が消えて、シンプルな線描が浮かび上がります。何の絵か?わかりません。絵の絵。

法貴先生の油彩転写による作品について記事がありました。→ こちら

面白いです。ドローイングが転写によってペインティングになる。図の外に手あとが残ることによって、四隅が正面化される。偶然性の取り入れ?ドローイングとペインティング、両方が出来上がる。僕も昔のドローイングを何枚かチョイスしてきて、チャレンジしてみました。なかなか楽しい。いや、かなり気分が良くなる。見え方が変わる。転写後、彩色してみたり。教室の合間合間にいろいろ試してみました。

絵を描く「やり方」はいろいろあります。画家の数だけあると言ってもいい。マンガだってそうでしょう。浦沢直樹の「漫勉」を見てそう思いました。漫画家によって制作体制が違いすぎる。作品って「やり方」のオリジナリティでほとんど出来上がるのではないか。

単に技術という話ではなく、レベルの話でもなく、単に選択の話だと思います。つまり、その人がどんな筆でどういう絵の具でどんな風に描いているか、それは全て個性とか美学とかそういうものに基づいていると思います。絵画教室では「やり方」をとにかく発見していってもらいたいんです。発見したら、もうそれは自分のものになるのです。もちろん、それはそれだけでは単に技術です。けれど、選べるようになります。そこからはセンスです。自分の感性を信じて、自分の責任でまずやってみる。やれば必ず、何かが出来上がる。するともっといい作品を作りたくなるはず。きっとその気持ちは止められない。いい作品を作りましょう。じゃあ、いい作品、いい絵って?なんだ?答えは僕は現物にしかないと思ってます。具体例を挙げていくのです。一つ一つ、その場で見せていくのです。つまり、好きな絵を紹介したり、その場で今描くことです。

油彩転写、お気に入りの一枚↓

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