油絵の話

最近ブログを書けていませんね?はい。

久々に絵画教室にて油絵をやりました。▶︎ 授業のようす

市販のチューブ入り絵の具は使わずに、顔料と油を手練りして出来立ての自作絵の具で描きました。作った色は5色くらい?このくらいあれば十分です。夏野菜が揃いました。(ナスもあればよかったかな?)

実は僕自身、油絵にはあんまり自信がない。油絵はやりにくいというイメージがあった。それは、やり方を知らないからです。そもそも、考えてみると絵のやり方を教えるところってほとんどない。油絵なんて特にない。大学は油画科だったけれども、油画とは名ばかりで、基本的には何でもアリです。クラシックな油彩画なんて微塵もやっていません。無法地帯です。というか、やり方は自分で見つけるもんです。僕が初めて油絵に触れたのは中学生の頃、美術部で顧問の先生に油絵セットを頂いたのがきっかけだけれど、その時だってただ触っていた、だけなんです。描いていただけ。きちんとした描き方、やり方、なんてどこにも用意されていないし、自分で描きながら無理やり掴む、先人の作品を見て盗むもんだと思っていました。要するに、根性論、みたいなものがまかり通っているのです!この絵の世界には。それは良くないのではないか!?それこそが、諸悪の根源なのではないか?最近そう思うようになってきました。

絵を描くことが苦手で、絵にコンプレックスを抱えているひと、絵をテクニック的な上手い下手でしか見られないひと、そのせいで絵に対して自分の見方ができなくなっているひと、、僕はこれ、ぜんぶ根性論のせいだと思えてきました。つまり、上手い下手って、ただ「やり方」の問題であることがほとんどであるのに、そのやり方を誰も教えない、だから自分で見つけるしかならず、結果、上手いひとはどんどん上手くなり、そうでないひとは進歩なし。絵は自由、自由に描いて良い、好きに描けと言われたのに、いつの間にか差ができる。目に見えて、差が生まれる。そして、一人でやってもその差は埋まらないから、諦め、脱落。例えば筆を変える、絵の具を変える、ちょっとしたことで変わるはずなんです。別にリアルに描かなくたって、ほんの少しやり方を変える、取り入れるだけで気持ち良く描けるようになるはずです。できるようになるはずで。「やり方」を共有する、これをしないといけない!

僕は運動音痴で子供の頃から体育が嫌いでした。体育の世界なんて、まさに根性論ではないか?と、少なくとも僕は当時思っていた。やればできる!人がいて、僕はやってもできない人で。僕は短気だからウンザリして、じゃあもうできる限りやらないでおこう、やることすらしなくなりました。そこで突っ込み自分で学ぶ気概があれば世界は変わるのだろうけど、そこまでの自信・テンションは全然なかったのです。でも何かきっかけがあれば自分を信じてチャレンジできたかもしれない。オリンピックを見て、スポーツでチャンピオンになるって、本当にかっこいいと思います。毎回思う。傾向と対策、その積み重ねですよね。一点突破すること。輝く選手たちを見て、才能とか努力とかそんなことよりも、僕は知性を感じました。スポーツもやり方の問題だったと思うんです。

で、絵画教室の話。みずいろ絵画教室では、「やり方」の提案・共有をどんどんしていきます。時には僕が生徒さんの絵から技術を盗むこともあるかもしれない。絵を頭の中ではなく、現実の紙の上で様々に描ける良いイメージを持てるようになること。さすれば、らくらく自分だけの絵が描けるようになる。

今回は、画材研究の一環としての油絵でしたが、油絵には油絵の「やり方」がありましたね。絵の具の調合、下地作り、投影法、等々、「やり方」は古来より画家にとって最重要極秘事項です。誰も進んで公開などしてきませんでした。技術は権利を生むからです。けれど、僕は進んで公開していきたいと思います。なんでかと言うと、そうすることで、誰かの絵がもっといい絵になるから。僕はとにかく色々な絵を見たいのです。いい絵であるためには、気持ち良くいい気分で描かなければなりません。そのためには様々な「やり方」を見つけていくことが大事なのです。

長くなってきた。油絵の話を少しすると、線で筆で描くのではなく、絵の具を固める。置く。左官する。土づくりをする感覚でやるといい。ポイントは粘度です。地盤を固め、徐々に緩くしていく。つまり油は加えずに絵の具のまま描き、順次混ぜていく。これも一つのやり方に過ぎませんが、逆は良くない。地滑りを起こしてしまいます。淡路弁で言うと、じゅるくなる。このやり方だって、僕のオリジナルではない。先生から最近になって思いも依らず聞き出せたお話です。早速盗んで言いふらしています。

最後に、大学時代の油絵の話。油絵したのは最初だけでした。そのあとはずっとアクリルメインです。当時ベラスケスに憧れていて、雑誌から切り抜いた芸能人を古典絵画の中に入れ込んで描いたりしていた。栗山千明とか描いてた。あとは映画のコラージュ。ギズモやダーズベイダーを描いた。しかし何のやり方も知らない者がベラスケスのように描けるわけもなく。ぼかしは割と決まってたと思うけど。何枚か描いたけど、うまく絵の具を扱えず、猿真似感も拭えず、いっそキャンバスやめて、手元でコントロール出来る小さい紙(A4コピー用紙)にペンで描くことにしたのでした。そこで半年くらい遊んで、やっとキャンバスに戻る。でもその時は油彩ではなく、アクリルを選択しました。油絵という選択肢が頭になかった。けれど、油絵を使っても良かったんですよね。「夜」では油絵をやったけど、本当にそれくらいしか思いつく作品がない。「夜」の作品もどっちかと言うとアクリルの使い方をしているなあ。。油絵の具のきれいな絵を描いてみたい。やりたくなってきた。


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