転職エージェントだった僕の転職活動の進め方

僕は2020年3月、ベルフェイス株式会社に転職をしました。

前職は総合人材サービス会社で転職エージェントとして6年弱勤めており、その間に300名近くの転職に関わらせていただきました。
(お時間があれば自己紹介記事をご覧ください。あまり前職の時の詳細はまだ書いていませんが。笑)

現職へ入社して3週間が経った今、改めて転職活動(ベルフェイスを選択した決断も含め)を振り返っても一切後悔はなく、お陰様で毎日充実した日々を過ごせています。
元々入社前に想定してた壁よりも高い高い壁にぶち当たり、自分の力不足を痛感している毎日ですが、それも前向きに捉え、楽しくさせてもらっています。

さてさて、今回は転職エージェントだった僕が、転職活動をどのように捉え、どのように活動をしていたのかを記事にしました。

記事を書こうと思ったきっかけは、このツイートです。

このツイートを見たのは転職をした後でしたが、
「まさにこの感覚で転職活動してたわ!!!(雷ズドーン)」ってな感じで、せっかくだからこのツイートに乗っかって言語化してみようと。
(ちなみにツイート主の勝村さんは前職でかなりお世話になった先輩)

僕はこの記事を通じて、僕の転職活動の考え方・進め方を正当化したいわけでも、強要したいわけでも、もちろんありません。
この記事の内容も、僕の価値観を中心に書いているため、参考にならない方もいるかもしれません。
ただ、転職する方々を間近で見てきたからこそ伝えられる、後悔のない転職をするための考え方・進め方の一つの例として、一助になれればと思っています。

この記事では、転職活動を新卒の就職活動に置き換えて読んでいただいても大丈夫かと思います。

【転職活動で大切なこと】

まず前提としては、「転職は転職することが目的ではなく、目標を叶えるための手段であること」
これは言うまでもないと思います。

では、どんな状態で転職活動を終えられていたらよいのか?
僕は以下の2つが重要だと思っています。

1)覚悟を決められた状態であること。
2)納得感の高い状態であること。

転職は「手段」であり(=入社してからがスタート)、かつ、10割の希望が叶う会社がないからこそ、未来への「覚悟」自身の決断への「納得」が重要であると考えます。

余談ですが、僕が大好きな落合博満(元中日ドラゴンズ監督)さんの著書で、以下のような言葉があります。

自分の采配を「正しかったか」それとも「間違っていたか」という物差しで考えたことがない。ただあるのは、あの場面で最善と思える決断をしたということだけである。~「采配」落合博満 p74より引用~

僕は落合さんのこの言葉には続きがあると勝手に解釈しています。
最善と思える決断をするために、とことん自分と向き合い、考え抜き・行動しなさい。
と。

つまりは、転職に置き換えると、最善と思える決断(入社の意思決定)をするために、自分の考え・想いを整理し、選考では準備を含め、全力を尽くすことが大事であると僕は思っています。

【何から取り組んだか?】

僕の場合は、以下の手順でまずは自分の考え・想いを整理することから始めました。下図をご覧ください。(手製の図で味気なくてすみません。。。)

図 ギャップ

【手順1】なりたい姿(will,want)はどんな姿か?
【手順2】なりたい姿から逆算した現在の姿はどうか?
【手順3】「ギャップ=転職活動の軸」の形成

ざっと全体感をお伝えすると、【手順1】をかなり具体的に考え、【手順2】で【手順1】から逆算して今できていること・できていないことを整理したら、結果的に【手順3】がほぼほぼ出来てた!みたいな感覚です。
ではそれぞれ詳しく記載します。

【手順1】なりたい姿(will,want)の考え方

そもそも僕は元々野望や夢がないタイプの人間でした。(幼少期に野球選手・松坂大輔さんを目指していたことはありましたが、、、)
10年後、20年後にどうなっていたいの?と質問されても、明確に答えられず、色んな方と話をしたり、自己啓発本なるものを読んでも読んでも野望や夢は見つけられませんでした。
しかし、明確に●●を成し遂げたいということはありませんが、転職活動を始めた時、将来、●●の状態でいたいというなりたい姿は2つありました。

それは、
1)妻と自分、今後生まれてくるかもしれない子どもを含めた家族を守っている姿
2)「働くこと」に誇りをもって生き生きとしている姿

でした。

じゃあそれができている状態って、どんな状態か?と、もう少し具体的に考えてみました。

1)妻と自分、今後生まれてくるかもしれない子どもを含めた家族を守っている姿とは、、、
仮に会社の看板がなかったとしても、家族が生きていける分(+子どもがクラブに入ったり、塾に行きたいと言ったらある程度叶えてあげられる分)のお金を稼ぐことができている状態。
 より具体的には、、、VUCAの時代と呼ばれる中で、今後価値の高いビジネスマンってどんな人?と考え、以下の2つと定義しました。


①目の前の人・組織に対して「本質的な課題を捉え、適切な解決策を提示し、成果まで導ける」人。
「変化に対して柔軟に、素早く対応できる」人。


2)「働くこと」に誇りをもって生き生きとしている姿とは、、、
自分が人として正しいと思ったことに誠実に向き合えている状態。そして、自分の提供する価値が、提供する人・組織、ひいては社会の役に立てていると実感できている状態。
 より具体的には、、、どんな時に役に立てているという充実感をより一層感じられるか?を考え、以下の2つの価値観が強いと整理しました。

①お客様の「働く」ことに関われたと感じられた時。
②価値を提供したお客様が働く中でお客様の「できた!→楽しい!→存在価値を感じられる!」に関われた時。

自分のなりたい姿がある程度見えてきた中で、【手順2】に進みます。

【手順2】なりたい姿から逆算した現在の姿の考え方


【手順1】の1)から逆算し、以下の2点においての現在の姿を整理しました。
①目の前の人・組織に対して「本質的な課題を捉え、適切な解決策を提示し、成果まで導ける」人。
(現在の姿)
◆できている(得意な)こと◆
・本質的な課題を捉えること(いわゆる課題発見力、傾聴力、仮説構築力)
◆できていない(苦手な)こと◆
・適切な解決策を提示し、成果まで導くこと(いわゆる打ち手を考える力、プレゼンテーション力、巻き込み力)


②「変化に対して柔軟に、素早く対応できる」人。
(現在の姿)
これがいかんせん苦手。。。行動する前に考えに考えてしまい、機を逸しているケースが多々あった。

2)については、なりたい姿と比較する対象は「前職(当時就業中だった企業)で叶えられること・叶えられないこと」になりますが、ここは今回は割愛します。

「なりたい姿」と「現在の姿」が整理できてきたので、【手順3】に進みます。

【手順3】「ギャップ=転職活動の軸」の形成

これまでの手順1、2で考えを整理する中で、僕は転職活動の軸は以下の3つを定めました。
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1)自分の提供する価値が、お客様の「働きがい」に大きな影響を与えること。
→何を介して(カネなのか?モノなのか?情報なのか?)かはあまり考えず、定義。

2)ビジネスマンとして成長できる環境であること。
→変化に対して柔軟に、素早く対応できるようになるために、そもそもそれが求められる環境であること=組織がマーケットの動きに合わせて、柔軟・素早くに変化させている会社であることと定義。
→「本質的な課題を捉え、適切な解決策を提示し、成果まで導ける」ようになる、という点については、選考を受けている最中も、とても悩みました。得意なことをより伸ばすことを成長と捉えるか、苦手なことを克服することを成長と捉えるか…。これについては次回の記事で記載します。

3)強い組織に属すること
→強い組織とは、「自立し、能動的に働いている社員が、ビジョン・ミッションの達成のために他の社員と建設的に議論を交わしている組織」と定義。
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一旦、軸が選定できたので、軸に該当しそうな企業を受験しながら、より軸のイメージを明確にしていこうと思い、ここからようやく応募を始めていきました。

【選考時に取り組んだこと】

まず前提として、書類選考が通過し面接を実施してくださる場合、応募先企業にとっても、自分自身にとっても、貴重な面接時間をいかに濃密な価値のある時間にするかと考え、入念に企業分析をし、面接時に確認することを整理しました。
実際に取り組んだ準備は以下のようなことです。

・企業HP・採用ページ(Wantedly等の求人媒体含め)は隈なく目を通す。
→企業の概要はもちろん、社員さんのインタビュー記事(違う職種の社員さんも含め)に目を通すことで、企業の風土やそこで働く社員さんがどんな部分にエンゲージメントを感じているのかが見えてきます。尚、株主向けの決算説明会資料は企業概要、今後の方向性等がわかりやすくまとめられているため、仮に準備の時間がない場合、最優先で目を通すことをお勧めします。
・3C分析やSWOT分析をやってみる。
→自分なりに分析した結果をもとに企業に今後の戦略・方針を質問することで、HPには掲載されていないような情報を教えてもらえる可能性が高くなります。(結果的に、そこまで準備をしたことが高評価につながるケースも)
・面接官の名前をGoogleやYOUTUBEなどで調べる。
→面接官のインタビュー記事・動画や、セミナーに登壇している動画などが意外とアップロードされていたりします。面接官のお人柄や価値観などがなんとなく見えてきます。
・質問を考えておく。
→質問を考えておくのは当たり前っちゃ当たり前かと思いますが、僕の場合は上記の企業分析も基にし、よく以下のような質問をしていました。

・今後の企業の展望とそこから逆算した時の現在の課題は?
・●●様がマネジメントをする上で大切にしていることは?
・創業してから企業が一番壁にぶつかった時期は?どのように乗り越えた?
・ここで働く社員さんは企業のどのような部分にエンゲージメントを感じていると思うか?

上記のような質問をするこちら側の目的は一貫して「企業の価値観・風土」を知るためです。面接前に企業分析をする中で「こんな価値観・風土かな~?」とイメージを膨らませておいて、面接時に答え合わせをし、より自分の価値観とのマッチ度合いを測るイメージです。
※ちなみに質問をする際の注意点としては、「企業分析をした上で、自分では▲▲かと感じたが、●●様はどのように捉えていらっしゃいますか?」と、こちらの理解度合いを示しつつ、質問をすることが重要です。

【まとめ】

僕の転職活動において、、、
・転職は目的ではなく、あくまで「目標を叶えるための手段であること」。
・転職活動の終わり方で大切なことは未来への「覚悟」自身の決断への「納得」。
そのために、自分の考え・想いをしっかりと整理し、選考は入念な準備で臨むこと。
・自分の考え・想いの整理のためには以下手順。
【手順1】なりたい姿(will,want)はどんな姿か?
【手順2】なりたい姿から逆算した現在の姿はどうか?
【手順3】「ギャップ=転職活動の軸」の形成

拙い記事をここまでお読みいただきありがとうございました。長々と自分のことを書いてきましたが(苦笑)、、、
結果的に僕は未来への「覚悟」ができ、自身の決断への「納得」が高かったため、今、すごく前向きな気持ちで取り組めているのだと思っています。
当然、誰でも入社後に入社前のイメージとのギャップは出てきます。100%イメージ通りということは絶対にありません。そのギャップも前向きに捉えられるか否かは「覚悟と納得」に紐づいてくるものかと思います。

もし活動中・これから活動をされる方がいらっしゃれば、
よりよい転職活動・就職活動になることを心より祈っております…!

【次回】

今回の記事の内容も踏まえ、ベルフェイスの選考がどんな選考で、どんな変遷を経て、ベルフェイスに入社したのか、を記事にしようと思います。

また読んでいただけると嬉しいです…!