勝手にインドネシア語布教委員会
外国語学習者にとって、インドネシア語はとっつきやすい言語の一つである。
様々な言語が話される多民族国家において、インドネシア語は仲介言語の役割を果たしており、文法や基本語彙の点で比較的平易である。
ただし、一つの単語がいろいろなニュアンスを含んでいるため、インドネシア語をネイティブ並みに使いこなそうとすると、急に難易度は高くなるらしい。
その反面、うっっっすい日常会話くらいならすぐにできるようになる。
インドネシア語はもともとマレー語から派生したものであり、この2つは日本の方言程度の違いしかない。
よって、インドネシア語を習得するということは、インドネシア語・マレー語圏に属するインドネシア🇮🇩、マレーシア🇲🇾、シンガポール🇸🇬、ブルネイ🇧🇳でコミュニケーションがとりやすくなるということも意味している。
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堅い前置きはこのくらいにして、今日の本題は「日常で使えるインドネシア語」講座。
今日紹介する4つの単語は、これだけで日常会話の半分が成立すると言っても過言ではないくらい便利な単語だ。
めちゃくちゃ便利なので、日本でも積極的に使っていきましょう。
①スダ(sudah)
「終わった/完了した」という意味。
日本語の「済んだ」と発音が似ているので覚えやすい。
例えば、「昨日頼んだ仕事終わった?」と聞かれた時に、終わっていたら「スダ」と答えるだけでいい。
何なら、「昨日頼んだ仕事終わった?」も「スダ?」で置き換えられるので、上記の会話は「スダ?」「スダ!」だけでも成立してしまうのだ。
インドネシアに住んでいた時は運転手を雇っていて、door-to-doorの生活を送っていたのだが、買い物終わりに「ハロー、〇〇さん。スダ(買い物終わったよ)」と電話するだけで、モールのロビーまで車が迎えに来てくれるというVIP待遇だった。
在住中、挨拶の次に頻繁に使用した単語だと思う。
ちなみに、「スダ」の対義語は「ブルム(まだ〜してない)」。
②ビサ(bisa)
「〜できる」という意味。
「ビサ?」と語尾をあげれば、「〜できる?」と尋ねる意味になる。
例えば、相手にギターを手渡しながら「ビサ?」と聞けば、それだけで「ギター弾ける?」という意味になる。
英語の助動詞「can」にあたる単語だが、英語だと「Can you〜?」「Can I〜?」と文を作らないといけない一方で、「ビサ」は単体でも使えるので非常に便利だ。
シングリッシュ(シンガポール英語)では、「can」を単体で用いることもあるという話を聞いたことがあるが、これは「ビサ」の影響を強く受けていると考えられる。
体感として、インドネシア人はこの単語をかなり頻繁に使用していた印象がある。
③ボレ(boleh)
「〜してもいい」という意味。
「ボレ?」と語尾をあげれば、「〜してもいいですか?」と尋ねる意味になる。
例えば、お店で洋服を試着したい時に、ジェスチャーをしながら「ボレ?」と言えばOK。
大抵、店員さんは笑顔で「ボレ、ボレ〜」と言ってくれる。
先述の「ビサ」も、意味としては重なるところがあるので、シチュエーションによってはどちらを使用しても違和感がない場合もある。
④ティダアパアパ(tidal apa apa)
「大丈夫/気にしない/何とかなる」という意味。
インドネシア人の気質を象徴する単語である。
レストランに行った時、こんなことがあった。
ぼく「レモンスカッシュひとつ」
店員「レモンスカッシュは品切れだね〜。ティダアパアパや〜」
ティダアパアパはこっちのセリフだろ。
ティダアパアパを略して、「ガパパ」と言ったりもする。
語感もいい感じで気が抜けていて、一度口にすれば、細かいことがどうでもよくなってくる魔法の単語だ。
ちょっとしたことでイライラしてしまう人は、積極的に使っていこう。
ちなみに、JKT48(AKBの姉妹グループ)の元メンバーで、インドネシアで最も有名な日本人の一人、仲川遥香さんの自伝のタイトルも「ガパパ」。
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最初に述べた通り、以上の単語はあまりにも便利すぎて、これだけで日常会話の半分をこなすことができる。
いつインドネシアに行ってもいいように、日本でも積極的に使っておきたい単語だ。
うっかりこの記事を読んでしまったあなたは、どんどん周りの人に布教していきましょう。
周りも巻き込めば、そのうち、
「スダ?(あの仕事、終わった?)」
「ブルム!(まだだよ!)」
「ティダアパアパ!(オーケー!まあ、まだ何とかなるかな!)」
みたいな感じで会話ができるようになってくるはずだ。
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