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夜の散歩で聴きたい歌 3選

南国の街は、夜になるとにわかに活気を帯び始める。
赤道直下の烈しい太陽が地平に沈んで暑さが和らぐと、人々はぞろぞろと街に繰り出す。

イスラム教徒の多いインドネシアでは、ちょうど日没のタイミングでアザーンが街中に響く。
アザーンは礼拝への呼びかけで、独特の節回しで詠唱される。
厳密にいうとアザーンは音楽ではないのだが(イスラム教正統派は音楽自体を禁止している)、異国の人間にとって、アザーンはまるで音楽のように聞こえる。
ちなみにアザーンは1日に5回モスクから流されるのだが、インドネシアに3年住んですっかり生活の一部になってしまったぼくは、日本に帰ってからもしばらくはアザーンの幻聴が聞こえたりした。


日没のアザーンの優美な調べが街を包み込むと、南国の人々が楽しみにしていた夜が訪れる。

屋台はシャッターを開け、おじさんたちは夜風を浴びながら談笑し、子どもたちは薄暗い路地を駆け回る。
どこかの家からは陽気な音楽が爆音で響き渡り、バイクや自動車のクラクションの甲高い音がそこら中から聞こえてくる。
大通りは自動車のテールランプで彩られ、ギター片手に小銭を稼ぐ若者が徘徊する。


ぼくは夜型の人間ではないが、夜の雰囲気が好きだ。


歩道が整備されていない場所が多いジャカルタは、外を歩くのに適した街ではない。
治安の面でも夜に出歩くのは推奨されていないが、時折、安全が確保できる範囲内で夜の散歩を楽しんでいた。

昼間の太陽光を吸い込んだアスファルトが、ゆるりと熱を放出する。
足元を子猫ほどの大きさのドブネズミが駆け抜ける。
分厚いゴキブリがのっそりと歩く(ジャカルタのゴキブリはなぜか動きが鈍かった)。
道端のコブラ売りが声を張り上げる。
バジャイの運転手がしつこく客引きをする。
自動ドアが開いたコンビニから冷気が流れ出る。
歩行者とぶつかりそうな距離でバイクがすり抜ける。
屋台から甘いソースの香りが漂う。
剥き出しの下水からドブの匂いがする。

南国の夜は始まったばかりだ。



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前置きが長くなったが、本題は夜の散歩で聴きたい歌3選

1, CLIMAX NIGHT(Yogee New Waves)


2, 夜にダンス(フレンズ)


3, ナイトランデヴー(Enjoy Music Club)


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