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夏山…絶景を前にして思うこと①
(結局記事にできていないままだけど)
私にとってのもう一つの特別な場所…それは立山室堂。
他界した父が亡くなる数ヶ月前、進行癌があるとは知らずに一緒に家族旅行に行った場所でもある。
今までは室堂平から立山三山を一望するだけで満足だったが、雄山を眺めながら「3000mを超えてみたい」「あそこから絶景を、剱岳を眺めたい」と思った。標高2400mの室堂まで公共交通機関でアクセスできる立山雄山が3000m超えとして実現可能な方法だと思うようになった。
富山の小学生は遠足で登頂するという雄山だが、高地でもあり、ガレ・ザレの苦手な私にとって楽勝とは程遠く、初回のチャレンジは撤退に終わった。昨年、今度はしっかりと準備して2度目のチャレンジで雄山へ登頂することができた。ただ、この時は辺り一面ガスガスで、「3000mから剱岳を望む」という願望は叶わなかった。
このため、昨年秋、今度は「奥大日岳から剱岳を望む」という計画を立ててみた。紅葉の季節で宿泊の予約が取れず、夜行日帰りするしかなかったためである。しかし…高山病のような症状が出て途中撤退するという結果に終わった(紅葉の雷鳥沢・室堂の景色は素晴らしかった)。剱岳もガスの中にお隠れだった…
前置きが長くなった。
今年は、チングルマが咲いている季節の室堂に行きたくなった。
心身ともに調子は良くないし、ウエイトオーバーだし、左アキレス腱周りに痛みがある。身体の準備はできていない。7月の室堂にはまだ雪渓が残っており、雄山方面をめざすには私の状態が悪い。でも雪渓が消えるまで待つとチングルマは綿毛になってしまう…
というわけで、ピークハントではなく散策をメインで計画した。
予報ではお昼まで晴れる様子。
ふと、登山アプリで奥大日岳の山行記録をみかけた。
求めている眺望がそこにあった。
昨年行けなかった場所。
やっぱり登りたい、と思った。
・・・・・・・・・
富山に向かう新幹線から、そして富山電鉄の車窓から、剱岳や立山三山がバッチリ見えた。気持ちが上がってくる。
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高原バスを天狗平で降りて、通称「チングルマロード」から室堂へ向かう。
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ああ、もう幸せ。。
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夕食後。雷鳥荘の前で立山三山が紅く染まっていく様子を眺めた。
天国のような自然の姿を目の前にしていても…なぜか頭と心は忙しかった。
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周囲の人の動きも気になるし、頭の中のおしゃべりがなかなか止まらない…
頭の中でおしゃべりしていると目の前にあるものの素晴らしさに気づけないし、”感じる”力が半減する。
そんなことを考えながらも、とにかくそこに居ることにした。
そして、夕焼け空と室堂乗越から奥大日岳までの道もずっと眺めていた。
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やっぱり行ってみようか。
朝の天気と、明日の脚の痛みの具合で決めよう。
翌朝。
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身体の準備は全然できていないけど、雲一つない空をみて「行けるところまで行こう」と決めた。
つづく。