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【構築弱者必見】もう迷わない!ドント式構築法のススメ

今回はTCGプレイヤーなら一度は悩むであろう構築の話です。

・MOやアリーナと実際の店舗大会ではメタゲームが違う
・地方メタが存在する
・大会直前で禁止改定があった
・メタゲーム予想はできても構築に自信がない
・新フォーマットに挑戦したい

そんなあなたに一つの判断材料としてドント式構築法をお伝えします。


序文

ことの発端は2019エターナルウィークエンドに向けた調整中のことである

MTG界日本最先端を行くであろう晴れる屋トーナメントセンターで事件が起こった。

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レガシー民が今年1番の目標とするであろうエターナルウィークエンドレガシー直前ということもあってほとんどのデッキリストが非公開となっていた!

もちろんデッキを知られるのは対戦において不利になるため大事な大会前には非公開にする気持ちはよく分かるし当然とも思う。

しかし、地方民の社会人からするといつも参考にしていたデッキリストサイトがほとんど見れず、新しい刺激を得ることはできない。
また構築から考えていたら練習時間が足らず、十分な検証もできないままに大会当日を迎えるはめになりかねない。
実際にエターナルウィークエンド前は相当構築に時間を費やした。
ただ、名古屋のデルバー有識者を集めたグループラインのおかげで自分一人では到底至らない構築に仕上がったし、デッキリスト非公開のおかげ(?)で議論も今までにないぐらい活発に行うことができた。

しかし!
多くの構築を試したため大会当日に持ち込んだデッキでの練習時間が少なかったことは紛れもない事実であった。

私のような構築弱者は常に強者のリストを手に取り実際に対戦を繰り返す中で構築の意図や立ち位置を感じ取ることで精一杯なのだ

このような気持ちを持つTCGプレイヤーは多いと思う

そこで、メタゲーム%を入力すれば自動で最適な構築を算出してくれるエクセルを作成した。

それが今回ご紹介するドント式構築法である。


ドント式とは?

この構築法には前任者がいるのでこちらで細かな箇所は把握していただきたいです。

ざっくり説明すると…
①自分が使用するデッキのメインボード自由枠とサイドボードに採用されうるカードを列挙する。
②列挙したカードを対戦相手のアーキタイプ毎にベストな配分をそれぞれ入力する。
③各アーキタイプのメタゲーム%を入力する。
④メタゲーム%を元に加重平均を算出する。
※加重平均とは…メタゲーム%が10%のデッキに対して採用されるカードと1%のデッキに対して採用されるカードでは価値が10倍違うため、その比率を加味して平均を算出する方法
⑤算出された加重平均値を1.2.3.4で割り算する。(これがドント式)
⑥割り算をしたすべての値の上位からX枚が採用枠となる。

そもそも確立された方法があるなら今回紹介する必要はないと思われますが、実際に上記の方法で構築を行うと問題があります。


従来法の問題点

問題点:デッキとしてのコンセプトが崩れる可能性がある

私が今悩んでいるのはレガシーのデルバーデッキの構築についてです。
このドント式を教えてくれたwakarockさんも以前この構築方法を試したそうですが、紅蓮破がメインボードに採用されたり意志の力がサイドに落ちたりとデルバーデッキとしてのコンセプトが崩れたものになっていました。
真の意味でドント式を用いるなら意志の力はサイドに落とすべきでしょうが、今私がやりたいのはそのようなデッキを根元から変える行為ではなく細部の採用枚数が知りたいのです。

この問題点に関しては使用するデッキによって考え方が異なると思います。
従来法で紹介されていたモダンのトロンであれば75枚で考えて問題ないかもしれませんが、デルバーデッキのようにメインとサイドで採用されるカードの毛色が異なる場合は分けて考えなくてはなりません。

ということで、その辺を考慮してデルバーデッキでも使用できるドント式を組んでみました。


ここまで読んだけどよくわからなかったそこの君!
以下の項でおじさんと一緒にやってみよう!


ドント式構築をやってみよう!

私の作ったエクセルを用いて簡単に説明します。
※各対戦アーキタイプはレガシー用に作られており、使用デッキはRUG Delverです。
 まずはメインボードだけ作成してみます。

メイン不動の固定枠
土地18 秘密を掘り下げる者4 意志の力4 目くらまし4 稲妻4 渦巻く知識4 思案4

この42枚を固定枠として残り18枚をメイン自由枠としました。

【目標】
デッキ(RUG Delver)のメイン自由枠をメタゲームに合わせて変化させたい。

【方法】
①メイン自由枠に採用される可能性のあるカードを書き出す。
画像の緑の枠内です。

コメント 2019-10-22 155902

コメント 2019-10-22 155928

最大採用枚数を設定しておくことで最終的にまとまったリストになります。
※今回は私が過去に見たことのあるデッキリストの中で一番多く採用されていた枚数を最大採用枚数としてます。

②対戦する各アーキタイプに対して最適な自由枠配分を入力する。

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コメント 2019-10-22 160148

対戦するアーキタイプに対して自分の考える最高の18枚を選びましょう。
今回私はクリーチャー枚数に最大最小枚数の条件を加えました。
私が今まで見てきたRUG Delverのメインクリーチャー採用枚数は11~12枚です。〈秘密を掘り下げる者〉を除くと7~8になります。
さらに、コンボ戦ではクリーチャー枚数はより少なくても問題ありません。
ただ、最終的にある程度使えるシステムにしたかったのでコンボ戦でも最低枚数は入力するようにし、5枚を下回った場合青く表示されるようにしました。逆に生物枚数が過剰にならないように8枚を超えた場合は赤く表示されます。

コメント 2019-10-22 161727

この作業が意外と難しく、各アーキタイプに対しての考察が足りてないと作成できないので友人知人に聞いたりしながら作成してもいいと思います。
個人で意見の分かれるところなので新たな考え方や発見があると思います。

③メタゲーム%を入力し加重平均を算出する。

コメント 2019-10-22 093225

一番簡単なのはGold Fishか晴れる屋のサイトにパーセンテージが載っているのでそれをそのまま入力してみてもいいです。
今回はMO内でのメタゲームを知りたいのでGold Fishのパーセンテージを入力しました。
メタゲーム予想が自身でできるならその値を入力しましょう。
入力ができたら加重平均の計算は勝手に算出されます。

④ドント式の結果を見てみよう!

コメント 2019-10-22 110633

メタゲーム%を入力したら加重平均とドント式の結果まで自動で計算されます。メタゲームを加味した平均採用枚数である加重平均を1.2.3.4で割り算して、その中で一番大きい数字から上位18枚が自動で色付けされます。
この色付けされた部分が採用枚数になります。
※上から18番目の数値が複数ある場合は19以上色付けされることがあります。

⑤この結果を考察してみよう!

コメント 2019-10-22 114903

コメント 2019-10-22 114755

このメタゲーム%は2019/10/22現在のGold fishに掲載されている%を入力しました。
クリーチャー採用枠は〈タルモゴイフ〉が3枚、〈真の名の宿敵〉が1枚、〈呪詛呑み〉が3枚となりました。
そのほかの採用枚数は〈もみ消し〉と〈マグマの陥没孔〉がそれぞれ1枚入賞し、新顔の〈王冠泥棒、オーコ〉も1枚入りました。
MOではコンボの数が多い傾向にあるので〈否定の力〉がメインから採用されました。

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ついでにサイドボードも同様の方法で作成しました。

コメント 2019-10-22 110109

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なんだかまとまったサイドボードですね。
そのまま普通に使えそう。
全体除去枠は感覚的に〈乱暴/転落〉を採用してましたが、〈仕組まれた爆薬〉の方が優先度高いこともわかりました。


ドント式構築の捉え方

このドント式構築は一つの判断材料に過ぎません。
ですので自分が困っている箇所についてアドバイスをもらえるツールと考えるのがいいでしょう。
また、作成していると対戦アーキタイプに対して有効だと思うカードが個人で違い、話を聞いてみるとゲームプランの違いまで見えてくるので面白いです。自分が苦手なアーキタイプ克服の糸口が見えるかもしれません。
是非、同じアーキタイプ使いの人と話し合いながら作成してみてください。


最後に

今回はドント式を実践でも活用させることを目標にいろいろ条件を付けて作成しました。メインはそこそこまとまり、サイドボードは十分に使える代物にはなったのではないかと考えています。

ここまで読んでいただいた方の中でドント式に少しでも興味を持たれた方は以下にエクセルを置いときましたので使ってみてください。

レガシーのみならずカード名を変えるだけで他のフォーマットでも使えると思います。
ご使用された方はご意見ご感想をいただけると喜びます。

これを機会にもっと使えるツールにアップデートできれば構築をスムーズに行うことができ、対戦経験値をより効率よく得ることができるでしょう。
RUG Delver仲間であればこの表を基に多くの議論ができると嬉しいです。

禁止改定後のスタンダード、新フォーマットのパイオニアと構築する機会が増える中、悩む時間も多くなると思います。
そんな時一つの判断材料として参考にされてみてはいかがでしょうか。

kiyoaggro


よろしくお願いします^ ^