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10年目の暑気払い

夏の便りが届きました。「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースするクエストリーのブランディングセッションでご縁をいただき、そのお人柄と仕事を知ることのできた辻田浩之さんからの「暑気拂」(しょきばらい)です。

物語性豊かな商品

大阪・堺市で和風香辛料専門店「やまつ辻田」を営む辻田さんは、明治35年創業の老舗の四代目。お贈りいただいた「暑気拂」とは、江戸時代から地元の西高野街道に伝わる大辛鷹の爪純粋種のみを使用した七味唐辛子です。

私たちは赤唐辛子のことを何気なく「鷹の爪」と言いますが、じつは現在国内で流通している赤唐辛子の99%が外国産であり、「鷹の爪」として売られているもののほとんどが外国産の他品種なのです。「鷹の爪」とは何百種類もある赤唐辛子のうちの一品種であり、辛みが強く香りも格段によいものを使うから、食する者を魅了するのです。

「香辛料とは、心と体の両面で人を豊かにする魔法の粉。和の香辛料香りは日本人の心を癒す働きがある」と辻田さん。その魅力は調合をするお姿からも伝わってきます。

哲学と人柄が紡ぐ顧客との契り

辻田さんのつくる商品は味と品質はもちろんのこと、そこに込められた商人としての哲学と辻田さんのお人柄がその価値をさらに高めています。いえ、哲学とお人柄あってこその商品と言うほうが正しいかもしれません。

「暑気拂」が誕生したのは2011年。東日本大震災への支援として、この商品の売上の5%を義援金として、今年は医療従事者の方々のために、毎年、日本赤十字社に寄付されてこられたのです。そこに辻田さんの商いのあたたかさを感じるのです。


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