見出し画像

四つのよいか

日本人の食生活が変わり、魚介類の年間消費量は年を追って減少しています。こうした「魚離れ」の外部環境にありながら、売上げ353億円(2020年3月期/前期比3.4%増)と成長を続けるのが「角上魚類」です。現在、新潟県長岡市を拠点に埼玉、千葉、神奈川、東京、群馬、長野に22店舗を展開しています。

東京都東久留米市、マンションが立ち並ぶ新青梅街道沿いにある小平店。100坪の売場を訪れる人は平日で2000人、週末では4000人に及び、年商は28億円強。角上魚類を代表する店です。店の奥には対面売場に並ぶ魚種の豊富さに驚き、お値打ちな価格に驚きます。
 
毎朝8時半に出勤する店長がまず目を通すのが、市場から届くファクシミリ。新潟と築地の市場から届く旬の魚をいかに“売り切る”かが店長の大事な仕事です。

まずは対面売場で丸魚として販売。店長は絶えずチェックに回り、刺身や寿司にするタイミングを計ります。そこでの売れ行きを見ながら、次にはさらに揚げ物、煮物などの惣菜への加工に回していきます。最後は値下げしてすっかり売り切るのです。


結果、角上魚類の廃棄率は0.05%。一般の食品スーパーの水産部門の廃棄率が7%近いことを考えれば、驚異的な数字です。

廃棄ロスが少ないから、初めから値入れを高くする必要がなく、そこでも安くできます。刺身、寿司、惣菜と加工度が上がれば利益も取れので、その分、ほかの高級魚を安くすることもできます。

「儲けるのではなく、お客さまに還元するのが方針です」と店長。日本一の魚屋を標榜する角上魚類は魚のおいしさを伝えてくれる店。店頭に掲げられた「四つのよいか」が売場づくりの原則です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?