高知、香川、夏の躍動感
出迎えてくれたのは夏の空気の分子の隙間を埋め尽くすように充満した蝉の鳴き声だった。7月の終わり、私は高知と香川を旅した。もちろん、訪れた理由はSTU48を見るためである。
高知駅で夜行バスを降りた私の感覚を刺激してきたのは、べったりとペイントツールで塗られたような夏の青空でも、朝早いにもかかわらず既に汗ばむ暑さでもなく、圧倒的なまでにうるさい蝉の大合唱であった。
今STU48は、STU48号での船上劇場公演の他に、課外活動ユニットが2組でライブする課外活動公演を各地で行なっている。高知と香川では、勝手に!四国観光大使と瀬戸7の2組がライブをした。私が四国まで赴いたのも瀬戸7の甲斐心愛さんを見るためである。
初めて訪れた高知は暑かったが、ライブも熱かった。小さいライブハウス特有の凝縮された熱気があった。昼夜共に立ち見で見たが、特に夜公演は立ち見のパーソナルスペースが広くて身体を動かしやすかったので盛り上がりまくった。
瀬戸7は2月の山口以来、勝手に!四国観光大使は初めてだった。勝手に四国はNMB48『フェリー』のカバーが良かった。世の中には知らない48楽曲がたくさんある。
瀬戸7は『大声ダイヤモンド』『片想いFinally』『ポニーテールとシュシュ』『しぇからしか!』の流れが最高すぎて、去年の夏の出張公演アンコールの夏メドレーを思い出した。身体の可動範囲限界まで目一杯踊る甲斐心愛さんの躍動感にしびれまくった。ステップを踏んでいるときの、その人一倍大きな一歩が、ぐいと、私の心を強く掴んでくる。立ち見のお客さんの隙間を貫くように射抜いてきた心愛さんの視線に心動かされまくって、真夏の太陽よりも心愛さんの瞳のほうが熱く燃えていた。
最高の気分でライブが終わり、せっかくなので夜は鰹のタタキを食べた。
高知の翌日は香川。5月の船上劇場ぶりの香川だ。
香川公演は最前だった。何度体験しても最前の景色には圧倒される。
近ければ近いほど、甲斐心愛さんのダンスは鋭く攻めてくる。見ていてとても爽快だ。思い切りがよくて本当にかっこいい。目の前で心愛さんから『片想いFinally』のキックを食らって、椅子に座りながら心は飛ばされた。
そして最前といえば福田朱里さんだ。ステージ上の誰よりもこちらに迫ってくる迫力がすごい。いつもアグレッシブだ。自分のファンではないとわかっていても、誰に対しても優しい。福田朱里さんというとshowroomを頑張っているという印象があり、いつだったか配信を見る度に憔悴している福田さんがいて、辛いなあと課金レースに嫌悪感しかなかったが、ステージで笑顔で踊っている彼女を見ていると本当に楽しそうで、やはり私が見たいのはステージにあるという思いを強くした。私が好きなのは歌って踊るのが好きな人です。
前日の高知も最高だったが、香川も最高だった。感謝しかない。
ライブハウスでの公演の後は、そのすぐ近くで瀬戸7によるせとうちめぐりがあった。白を基調とした『大好きな人』の衣装は可愛く爽やかで、私は大好きだ。バルコニーから眺めていて、くるりと回転したときのスカートの広がりがとても綺麗だった。
握手会では甲斐心愛さんに2日間の感謝を伝えた。伝わってるといいな。
本当はこの香川の翌日に広島でSTU48の皆さんと一緒に花火大会を見る予定だったのだが、チケットが当たらず。香川から東京に帰った。
毎回瀬戸内への旅行は楽しい。旅先で好きな人に会うと思い出も輝く。いつもありがとう。
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