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甲斐心愛さんへの溢れる感謝と距離感について

STU48が2ndシングル『風を待つ』の発売を記念して、ツイッターのトレンド入りを狙ったイベントを開催しようとしている(この記事がアップされた頃はちょうど開催中だと思う)。私もそれに参加するつもりで、ついでに便乗して私の推しである甲斐心愛さんについて書いてみようと思う。

私は今、甲斐心愛さんを好きで追いかけている。よく瀬戸内まで行ったりする。まだまだ子供らしい性格は見ていて楽しいし、パフォーマンスは少年のようにダイナミックでかっこいい。そしてとにかく笑顔が可愛い。だけど、別に甲斐心愛さんだけが好きというわけではなくて、STU48というグループが好きという前提があって、その中でも特に甲斐心愛さんが好きだという気持ちだ。

甲斐心愛さんは現在15歳。STU48の1期メンバーとして加入する前は広島に住んでいる至って普通の女の子だった。というか今でも普通の女の子だ。広島カープが大好きで去年までジュニアカープの会員でもあり、よく試合も見に行っていて、去年の日本シリーズでは観客席にいる甲斐心愛さんがカメラに映されることもあった。

過去のインタビューなどからは、アイドルになりたいという強い願望があったというのもなく、高校受験の面接の練習でオーディションを受けてみたら、あれよあれよと受かってしまったらしい。持ってる人なのだ。形式的にはオーディションであるが、どちらかというとスカウトされてしまったと考えたほうがいいのかもしれない。私はそういう不思議な巡り合わせでアイドルになってしまった人を好きになりがちで、甲斐心愛さんはまさにそのかたちだ。

とにかくやんちゃで、指原莉乃さんがまだSTU48に所属していた頃、指原さんをさしこ呼ばわり出来るほどのいい意味で怖いもの知らずの子供だった。メンバーによると今は絶賛反抗期らしいが、握手会などで対面したときの甲斐心愛さんはいつも礼儀正しいので、あまりその面倒くささを感じたことはない。少なくとも私が握手するときはいつも謙虚で、こちらがパフォーマンスなどを褒めてもいつも謙遜する。

今回の2ndシングル『風を待つ』で初めて選抜に選ばれた。本人も念願だったようで、発表されたときは涙で目が真っ赤だったのを覚えている。後ろの端であっても、自分の好きな人が素敵な曲を歌い踊っているのを見られるのは素晴らしい。MVでも本人は目一杯アピールしていて、そんな末っ子のわがままを許してくれるグループに感謝している。

私が甲斐心愛さんを好きになったきっかけは陸上公演だ。それまでに『暗闇』の個別握手会で握手したことはあったし、セトビンゴというテレビ番組ではバラエティー要員として目立っていて、面白い女の子だなという印象は持っていたが、陸上公演でパフォーマンスをちゃんと見たら、彼女の個性そのままの荒削りで洗練しきってない力強さが真っ直ぐ表現されていて、それがとてもかっこよかった。他のメンバーに比べて経験も少なく、とにかく頑張るしかない姿勢が、愚直にパフォーマンスに表れていて、その純粋さが美しかった。

きっかけのきっかけというと、初めて観た陸上公演、徳島の小さなライブハウスの最前列から観た『暗闇』がそれだ。ステージの真ん中でライトを浴びて神々しく立つ甲斐心愛さんに視線が釘付けになった。そのときはアンコールのラガーシャツにショートパンツの衣装で、サビで空に手を伸ばす立ち姿はギリシャ彫刻のようでもあった。単純に綺麗だな、かっこいいなと思い、甲斐心愛さんすごいなと感動した。なにしろその年の1月のTDCホールでのコンサートにおいて、ステージでパフォーマンスしただけでお姉さんメンバーの土路生優里さんによくここまで成長したねと褒められ、土路生さんから感動の涙を引き出した心愛さんである。それが春には陸上公演のセンターを任されるぐらいに、さらに成長していたのである。

去年の春の陸上公演ツアーは、成長に限界はないなと実感する日々だった。あの春は、毎週どこかしらの土地で陸上公演を観ていて、自然と甲斐心愛さんを観ることが、瀬戸内を訪れるいちばんの理由になっていった。特に『暗闇』、この曲での甲斐心愛さんが本当に素晴らしく、毎回その佇まいに見惚れていた。

当然、甲斐心愛さんの握手会にも多く参加するようになった。めちゃくちゃ積むわけでもないし、面白いことを話すわけでもないので、認知されている感覚もない。面白いのは、握手会ではいつも初対面のような距離感で礼儀正しく接するのに、公演になるとやたら親しげに笑顔でレスしてくれることだ。このギャップは何なのだろうか。不思議だなと思っていたが、最近やっと気がついた。自分が甲斐心愛さん推しだと認識されているから笑顔でレスしてくれるのではなくて、彼女は誰にでも分け隔てなく笑顔を見せてくれるのではと思い始めた。可愛すぎる。天使じゃないか。いやそれこそがアイドルか。

という感じで、認知されているかいないかぎりぎりのラインで甲斐心愛さんを見ている。これぐらいの状況がいちばん楽しい。自分には理想とするアイドルとファンの関係というのがあって、それはアイドルにとってあの人名前は知らないけどいつもいるね、ぐらいの距離感である。今もそこを目指しているけど、いつもいるねと思われるにはやっぱり瀬戸内は遠い。

そんな現状に小さな変化が起きた。2月8日と9日に山口でSTU48課外活動公演と2ndシングル『風を待つ』のリリイベ「せとうちめぐり」が開催された。その両方に甲斐心愛さんが出たので、自分も初めて山口を訪れた。

甲斐心愛さんは可愛らしく、いかにもアイドルらしく演じることにまだまだ恥ずかしさを感じるらしく、課外活動公演で『ウィンブルドンへ連れて行って』を歌ったときは終始恥ずかしそうなぎこちない笑顔で、それが逆に新鮮で微笑ましかった。いつの日か、可愛い曲でも堂々と可愛くパフォーマンスするようになったら、それはそれで喪失感もありそうで、自分などはいつまでもそのままの自然な甲斐心愛さんでいてくれていいんだよと思ってしまう。

次の日のせとうちめぐりは雨上がりでとても寒く、凍えながらミニライブを観た。激しい曲では、つま先がステージから飛び出すぐらい攻めていて、とても甲斐心愛さんらしい。初めて生で『風を待つ』の甲斐心愛さんを観て、その凛々しい姿に、この曲の選抜メンバーとして甲斐心愛さんが選ばれたことに感謝しっぱなしだった。

STU48メンバーのshowroomを見ていると、いろいろなメンバーが『風を待つ』を鼻歌で歌っていて、みんなこの曲が好きなことがわかってうれしくなる。選抜というシステムは嫌いだけど、それでもこうやって好きなアイドルが輝いているところを見られると幸せだ。

握手会もとにかく寒かった。そして、甲斐心愛さんと握手したときの一言目が「いつもありがとう」で、その言葉は想定していなかったので驚いてしまって、自分でも何と返したか覚えていない。その言葉はうれしいけれど、こわいような気持ちもある。何故なら覚えられると忘れられる怖さも出てくるからだ。そこに執着しないようにとわかっていても難しい。だから最近は極力名前は名乗らないようにして、認知に期待しないようにしている。

だけど「ありがとう」と言われるとやはりうれしい。私は自分の楽しいことだけをやって、自分が楽しければいいという姿勢なので、アイドルを支えるといった気持ちもないし、好きなアイドルのやっていることでも興味のないことにはとことん興味がない。ライブを観たいから遠征したりだとか、好きなことにお金を遣って、それが巡り巡ってアイドルの幸せの一部に貢献出来たら理想的だなと思うくらいの自己中心的なオタクなので、義務感もない。だけどこうやって感謝されると、総選挙に投票したほうがいいのかなと考えてしまう自分もいる。人間は弱い。

その後も何回か握手をループしたが、結局甲斐心愛さんに伝えられたのは山口2日間楽しかったありがとうという感謝の気持ちだけで、凍えた口から出たそれらも実際伝わったのかよくわからない。

今はただただ甲斐心愛さんを見ているのが楽しい。幸せになれる。だけど楽しいからついつい甲斐心愛さんに干渉しすぎてしまいそうになる。このブログも大きな意味でそのひとつだ。しかし甲斐心愛さんには外野の声は気にせずに自分らしさを貫いていってほしい。イメージに縛られた甲斐心愛さんは甲斐心愛さんでないし、常に殻を破り続ける人であり続けてほしい。という言葉も邪魔なのかなと思う。

誰もがそうであるように、人にはその人にしかない輝きがあって、それが最も輝けるよう生きていたい。いろいろな偶然や奇跡が重なって、甲斐心愛さんはステージに立っている。そして今いる場所が甲斐心愛さんのいちばん輝けるところで、昨日より今日、今日より明日のほうが眩くなることを私は信じている。不安なこともたくさんあるだろうけど、あなたなら大丈夫という頼もしさもある。本当に今、甲斐心愛さんはかっこよくて可愛くて、最高にキラキラしている。

いつもありがとう。その笑顔がいつまでもずっと輝いていますように。

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