月兎


 月兎のルビいろの目玉を集めているのは誰?

 それは麦わら帽子の少年

 キラずきのホアキン君です

 《フリフリの神さまだよ》

 キラずきのホアキン君は

 月兎の落下点に目星をつけて

 宇宙から落ちてくるやつらの落下傘を

 ブーメランで打ち落とします

 《神さまがブーメランを動かすのさ》

 月兎の体はフワわたで覆われているので

 それが広がって落下傘の役目をするのです

 《フリフリの神さまだよ》

 キラずきのホアキン君は

 月兎の耳を持って

 月兎の尻尾を引っ張ります

 軽く、軽く引っ張ります

 《神さまが月兎を作ったんだ》

 すると ルビいろの目玉の月兎は

 バラくちゃになって

 サラすなになってしまうのです

 《フリフリの神さまだよ。》

 サラすなの山を崩してゆくと

 二つの赤いキラいしが混じっています

 それが 月兎のルビいろの目玉です

 《月兎の目玉は、カセぼしのかけらなんだって》

 キラずきのホアキン君は、

 ビンだまの中に そのルビいろのキラいしをいれます

 ビンだまのふたをしめるまえに

 お祈りをその中に吹き込みます

 《フリフリの神さまだよ》

 そのあと キラずきのホアキン君は

 ブーメランをひろいにゆきます

 サラすなは 太陽のひかりをあびて

 じわっと消えてゆきます

 《月兎が見えない人は信じてはいけないよ》

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