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初心者のためのプロンプト入門 - ChatGPTとの対話術

ChatGPTについての雑誌記事などを見ると、プロンプトについての説明をされているものをよく見かけます。

ChatGPTは人間と自然な対話を可能にするAIで、情報を検索したり、創造的なアイデアを提供したり、さらには新たな視点で問題を解決したりと、多岐にわたるタスクをこなすことができます。そのような対話を生み出すための鍵がプロンプトです。

プロンプトとは、単純に言えば、ChatGPTに投げかける質問や命令のことです。しかし、それはただの命令文以上のものであり、AIとの対話の出発点となる重要な要素です。

この記事では、ChatGPTとの対話をスムーズに行うためのプロンプトの作成方法についてなるべく簡単に解説します。プロンプトの基本的な仕組みから始め、効果的なプロンプト作成のコツを解説して、AIとの対話を深めることを目指します。

ChatGPTの会話とは何か

人工知能(AI)は、デジタル化された世界での我々のナビゲーターとなる可能性を秘めています。その中でも、OpenAIによって開発されたChatGPTは、AIとの対話をより自然で人間らしいものに進化させました。

ところで、ChatGPTの会話はどのように行われているのでしょうか?

以前、下記の記事に書きましたが、ChatGPTは入力された文章を元に回答文に変換します。

文章の生成について、もう少し詳細に見て行きたいと思います。

ChatGPTでは、文字列をトークンという単位で管理しています。
そして、このトークン同士の関連性を元に文章を生成しているのです。

試しに、トークンの関連性を無視してランダムに文字を並べさせてみると、下記のようになります。

の宇もろ喜須伸賃梅ゆ雲庭種ど歩列才益恩冠扱ゆ留見進者澄菜団ょざっへだそ花緑拍潤貸大語又まこ賀説誌具気保料研埋げ悪要働旗稲聖器拠び浜画恥沢弾滝良縄事戒心計葉信便

ひらがな、カタカナ、漢字をランダムに混ぜて100文字生成

なんだか意味が分からない文章ですね?
では、トークンの関連度を元に文字を並べるとどうなるでしょう?
試したところ下記のような文章になりました。

彼は川辺で石を拾い、紅葉が散る秋の公園を散歩した。その後、家で美味しい夕食を作り、友人と一緒に映画を観ました。月明かりの下で、思い出話に花を咲かせながら、遅い夜になりました。

トークンの関連性を元に、漢字を混ぜた日本語でランダムな文字列を100文字分

特に内容について指定せず、ランダムに文章を作らせたのですが、文章として読めるものになっているのがわかるかと思います。

このようにChatGPTでは、内容を指定せずに文章を生成させても、日本語として理解可能な文章を生成できるのが特徴です。

では、プロンプトを入力すると回答はどのように変化するでしょう?
試しに、文章の先頭に「ぱにゅ」と文字列を追加して、ランダムな文章を生成するように指示してみました。
結果は下記のとおりです。

ぱにゅという音が、遠くの森から聞こえてきました。それはまるで小鳥のさえずりのようで、心地よい響きが周囲の空気を包み込んでいました。

先頭を「ぱにゅ」という文字列にして、そこから続く文章を生成

ぱにゅ」という文字列は、辞書などに登録されていなさそうなものとして指定したのですが、ChatGPTは指示されたとおり、先頭にその文字列を入れつつ違和感の少ない文章を生成しようとしています。
ChatGPTは擬音とみなして文章を生成しているので、意味のない文字を先頭に入れた割には、違和感は少ないと思います。

このように、もともと自然な文書をランダムに生成できるChatGPTに、文字列を条件として入力すると、それに対応しつつ自然な文章を生成させるわけです。
これこそがプロンプトの本質
と言えます。

つまり、プロンプトとして書く文章はなんでもいいのです。
具体的な質問から抽象的なリクエストまで、あらゆるものを含むことができます。例えば、「東京の今日の天気は?」や、「日本の歴史を教えて」といった具体的な質問から、「ランダムな文字列を生成して」といった抽象的なリクエストまで、その形式は無限です。
そして、ChatGPTは入力されたプロンプトを元にして、回答文を生成するのです。

しかし、意図した回答を得ることができるプロンプトを作成するためには、ChatGPTの動作原理を理解することが重要です。

次に、効果的なプロンプトを作成するための考え方ついて詳しく説明します。

効果的なプロンプトの作成方法

ChatGPTとの対話を成功させるためには、良いプロンプトを作成する能力が必要不可欠です。では、効果的なプロンプトを作成するための基本的な手順は何でしょうか?

  1. 明確な指示:

    • ChatGPTには、指示を明確にすることが重要です。
      これには、具体的な質問をする、具体的な指示を与える、または特定の形式での回答を求めるなどが含まれます。

  2. コンテキストの提供:

    • ChatGPTに対する理解は、質問または指示の直前のコンテキストに大きく依存します。
      例えば、プロンプトに「明日の天気は?」と入力した場合と「明日の東京の天気は何度くらいになりますか?」と入力した場合では回答が異なります。
      なるべく丁寧なプロンプトを書くことによって、必要な回答を得ることができます。

  3. リクエストの調整:

    • ChatGPTは適応性が高く、プロンプトの調整や微調整によって異なる結果を生み出すことが可能です。
      例えば、ある条件を指定して文章を作成したい場合に「条件に従って文章を生成」としたプロンプトと「条件を元に文章を生成」としたプロンプトでは結果が異なります。
      従って」と指定した場合は、条件からはみ出ることのない文章が生成されますが、「元に」とした場合は、条件を踏まえた上でさらに発展させた内容を生成することがあります。
      望んだ回答が得られない場合は、プロンプトの詳細を調整すると、最適な結果を得ることができるようになります。

  4. 出力結果への反応:

    • ChatGPTはユーザーからの入力を文脈として使用し、その内容を元に応答を生成します。
      そのため、ユーザーが感謝の言葉や感想を表明すると、その情報は次の応答の生成に影響を及ぼすことがあります。
      例えば、有る出力結果に対して「それは非常に有益でした、ありがとうございます」と入力した場合、ChatGPTは次の応答でその感謝の表現を認識し、適切な応答を生成します。
      特に連続して質問を行う場合は、出力結果に対して感謝や感想を伝えることで、より望んだ結果が出力されやすくなります。

次のセクションでは、これらの理論を実践に移すための具体的な例を提供します。

プロンプトを活用する方法

理論とガイドラインはある程度理解できたと思いますが、それらを具体的なアクションに変えるための実践的なステップに移りましょう。
ここでは、ChatGPTとの対話の具体的な例を通じて、プロンプトの活用方法をまとめます。

  1. 単純な質問:

    • 最も単純な形式のプロンプトは、ChatGPTに直接的な質問をするものです。
      パリの主な観光地は何ですか?」などの具体的な質問から始めてみましょう。

  2. クリエイティブな要求:

    • プロンプトは、あなたの創造力をChatGPTに伝える手段でもあります。
      例えば、「100文字のランダムな英字列を作成してください」といった要求は、ChatGPTがあなたの思考をサポートする具体的な方法です。

  3. 情報の絞り込み:

    • プロンプトは、あなたが必要とする情報を絞り込むのに役立ちます。
      例えば、「20世紀の日本の歴史を教えて」というような、特定の主題や時期に焦点を絞った質問をしてみましょう。

  4. 反復と改善:

    • 良いプロンプトは一度に作り出されるものではありません。プロンプトの作成は繰り返しのプロセスであり、反復することで改善されます。

これらの例を参考に、自分だけのプロンプトを作成していくと、ChatGPTとの対話を楽しむことができます。
自分だけの方法を見つけ、ChatGPTと一緒に学び、探索し、プロンプトを創造していきましょう。

まとめと次のステップ

この記事では、ChatGPTの仕組み、プロンプトの作成方法、そしてプロンプトの活用方法についてなるべく簡単に説明しました。これらの情報は、ChatGPTとの対話を始めるための基礎となります。

まず、ChatGPTの仕組みを理解することで、このAIの能力と制限を把握しました。次に、効果的なプロンプトを作成するためのガイドラインとヒントを学びました。最後に、これらの理論を具体的な行動に変え、実際にプロンプトを作成し活用する方法を学びました。

しかし、これはあくまで始まりに過ぎません。ChatGPTとの対話は、学習、探索、創造の旅であり、その旅はあなたがどのようにそれを使うかによって異なる形を取ります。繰り返しのトライアルとエラーを通じて、ChatGPTとの対話を最大限に活用する方法を見つけ出してください。

次のステップとしては、今回学んだ内容を実際に試し、ChatGPTと対話することをお勧めします。あなたの疑問をChatGPTに投げかけ、クリエイティブなプロンプトを作成し、自分だけの方法を探求してみてください。新たな発見や驚きがあなたを待っています。

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