【恥ずかしい失敗談】6
5の続き。
紆余曲折ありながらも、無事バッキンガム…ではなく、ロンドネア弦を購入し、早速愛器のグレコのFVに張ってみた。
しかし、中学生だった私の耳には、今まで使っていたグレコの弦との違いが分からない。w
分からないながらも、リッチーと同じ弦と言うだけで心が踊る。
妙な高揚感に包まれながら、ギターをガチャガチャ弾きまくっていたら、2時間ほどした時に、プツンと1弦が切れた。
実は1弦が切れるのはこれが初めてではない。
酷い時はチューニングしている最中に切れることも有る。
何時もブリッジの駒から切れるので、駒の溝がダメなんじゃないかとか思ってたが、そうではない。
まぁ、当時は原因不明ながら、他の弦に比べて異常に短命な1弦を毎回呪うわけだ。
折角のロンドネアも例に漏れずに2時間で切れてくれた。
弦が切れると近所に楽器店が無いために、街中まで行かなければならない。バスに揺られて45分。
札幌中心部まで行かなきゃ楽器屋なんかない。
都会の連中はどうか知らないが、札幌の中学生にとって、片道30分を超える道のりは大冒険なのだ。
なのでそう頻繁に楽器屋には行けない。
何時もは親父に頼んで弦を買ってきてもらう。
1弦だけ。w
親父は、ギターの事など全く解って無いので、弦の事もよくわからない。
何時も、グレコの弦と言うのだが、グレコの弦はセットしか無いので、バラ売りしてる別なメーカーの弦を買ってくる。
しかも、毎回違う…。
有る時は、Gibson、ある時はFender、ある時はYAMAHAと、毎回違う。
今回はロンドネア弦が切れたので、ロンドネア弦を頼んだ。
父:「ん?何?ロンドン!?」
私:「いや、違うロンドネア。」
父:「だから、ロンドンの弦だろ?」
私:「イギリスの弦だけど、ロンドンの弦じゃない。」
父:「日本のにしないさい。」
私:「けど、前はアメリカの弦買ってきたじゃん!」
父:「で、ケンブリッジだっけ?」
私:「ロ・ン・ド・ネ・ア」
血は争えないらしい…。(号泣)
ともあれ、ロンドネア弦を買ってきてもらった。
0.08と書いてある…。
細すぎる…。
私:「1弦って言ったのに…」
父:「店員がこれをくれたぞ?」
私:「これじゃ細くてまたすぐ切れるじゃんかよ!」
父:「オレは知らん。ソコまで言うなら自分で買いに行け!」
親父は面倒になって、自分で買いに行けと言い出した。
まぁ、とりあえず0.08でも良いから張ってみた…。
弦:「ビョーンビョーンビョーン…」
私:「…。」
弦:「ピョーンピョーン…」
私:「…。」
弦:「ピーンピーン…」
私:「…。」
弦:「ペーンペーン…」
私:「…。」
弦:「キーンキーン…ぺんっ!」
私:「(。-_-。)」
切れた…。
まだチューニングもしてないのに切れた…。
1本300円もするのに切れた…。
さっき親父と言い争ったんでもう頼めない。
小遣いで買うしか無い。
悲しすぎる…。
でも、弦がないと練習に成らない。
せっかく買った「ワウとファズの写真が入れ違ってた教本」も、まだ全然進んでない。
仕方がないので自分で買いに行くことにした。
ついでにギターも持って行って見てもらおう。
いくらなんでも弦が切れすぎだからね。。。
その週の土曜日にギターをもって例の楽器店に出かけた…。
因みに当時私は、一部の店員の間で「バッキンガム少年」と呼ばれていたらしい。(泣)
いつもの、JENのFUZZ店員が居た。
私:「すみません。」
店員:「毎度!今日はどうした?」
私:「いや、弦が切れたんで買いに来たんですが…」
店員:「ん?」
私:「1弦ばかりよく切れるんですよ。」
店員:「ほう…」
私:「なので、なんかブリッジのところから切れるんで、不良品かな?と思って…」
言うに事欠いて「不良品」と言ってしまったが、他に言葉が浮かばなかった…。
店員:「出荷前に検品してるから、不良ってことは無いと思うんだけどねぇ…ちょっと見せてごらん?」
と言われたので、持って行ったギター出して見せた。
店員:「ふーん、特にブリッジはおかしくないよね…」
と言いながら、弾き辛そうにVを抱えて弾こうとしたその瞬間…。
店員:「あれ??」
私:「やっぱダメですか?」
店員:「いや…ちょっと待って…」
店員はギターを置いて奥に引っ込んでいった。
しばらくして何やら辞書より一回り大きな機械を持って出てきた。
その機械にギターを繋いだ…。
機械にはメーターが付いてる。
店員が弾く度にそのメーターが動いた…今思うとアレは電子チューナーだった。
ひとしきり弾いて…
店員:「これさぁ…チューニング高すぎるよ。何でチューニングしてるのさ?」
私:「ぇ?調子笛です。。」
店員:「いやぁ〜これじゃ切れるのあたりまえだよ…レギュラーよりも3度位高いよこれ…」
つまり、私の耳は調子笛と実音の音程差を聞き取れず、長3度で調子笛とハモってる状態でチューニングが合ったと思っていたのだ。(泣)
店員:「この機械は高いからアレだけど、調子笛じゃなくて、音叉で合わせた方がいいよ…」
店員:「いや〜、こんなにチューニング高いんじゃ弦も切れるわ…www」
私の新しいあだ名が出来ないことを祈った。。。(泣)
この時点で「チューニングもまともに出来ないバッキンガム君」と言うレッテルを背負うことに成った。
痛々しい中坊である。
JENのFUZZ店員は私のことを不憫に思ったのか、音叉を噛んで、ハーモニックスで合わせる方法を教えてくれた。
私は1弦を買って、とりあえず張ってもらい、今後はこの音程をキープしながら練習することになる。
と言うか、ソレまで私はどうやって練習してたんだろう?
チューニング合ってないのに…?
確かにチョーキングの練習は「地獄の特訓か!?」と思う程指先が痛かった。
成毛滋の言う通りに音程が上がらないから、自分にはセンスも力の無いのかとさえ思っていた。
てか、その前にチューニング高いのに気づけよ自分!!!!(号泣)
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