夏の手紙のはなし

淡いマーブル模様の世界で眠っているきみへ。


きみがあんぱんを食べるとき、ひとくち目で餡に辿り着きますように。

きみがお料理をするとき、南瓜がさくりと切れますように。

きみが眠るとき、かならず温かい毛布がありますように。



もしきみがつらい思いをしたとき。

涙をぬぐうタオルがやわらかく、そのそばに話を聞いてくれるひとがいて、翌日の朝日がきみにやさしく差し込みますように。



きみは、
そして私も、
つまり我々は、
愛されるべき存在なのです。
 
もちろん、きみの大切なひとも。

そのことを、きっとどうか覚えていてください。

もしも心が挫けるようなことがあっても、私たちが守りたい“やさしい世界”を諦めなくていいんです。

だってそれは、私たちの美学だから。


世界がどんなふうになったって、私はきみのしあわせを願っています。


2022年7月2日
日本の端っこから愛をこめて

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