極めて個人的な。

俳句・写真・コラム。 極めて個人的な。 俳句・・・母 コラム・・娘 母と娘のコラボペー…

極めて個人的な。

俳句・写真・コラム。 極めて個人的な。 俳句・・・母 コラム・・娘 母と娘のコラボページ。

最近の記事

  • 固定された記事

極めて個人的な。

初めてこの世に「ブログ」というものが出て、 友人のそれを始めて読んだ時。 人の生活を盗み見ている感じがして、 とてもいやだった記憶があります。 あれから20年。 その意識は消え、 それぞれが「表現したい」そしてそれを「外に向けて発信したい」というのが当たり前となってきました。 そして、母。 「自分の表現」を今、次々と花開かせています。 それは、俳句。 五七五の中にぎゅっと詰め込まれた、 母の極めて個人的な句を ここに置きます。 そして、それが「俳句」

    • これとこれ。どうしたら結びつくんだ。

      鍵穴に鍵 庭石に青蜥蜴 この句に関しては、もう、これに関して書くしかない。 母の才能は、小さな生き物と生活の端切れがぴぴっと結びついたときに開花する。 鍵穴のことなんて、鍵をあけるときと閉めるときにしかほぼほぼ思い出さないのに、なぜ青蜥蜴庭石鍵鍵穴が結びついたのか。 母の脳みそを見てみたい。 私が理科の問題集を解くたびに(まったく解けない)、父はよく「おまえの頭をぱかっと二つに割って、脳みそを見てみたい」と言っていた。 まったく違う理由で母の脳みそを観察してみたい

      • へび・感想文

        幼い頃、階段のまどから外をみていたら、 家の前の電柱に蛇が上っていくのが見えた。 にょろにょろにょろにょろ。 蛇の動く擬態語は、秀逸だ。 にょろにょろにょろにょろ。 蛇が電柱のてっぺんに到達した。 そのとき。 蛇がいきなり湾曲し、 電柱の頭の部分に躍りかかった。 鎌首をもたげ、ヘ音記号のようになった蛇の体。 そしてそこから鳥が、数羽ぱっと飛び立った。 そのまま、終った。 何の感想もなかったが、一つの現象として、強烈な印象として残っている。 本当に衝撃

        • 文庫本・たんこぼん

          おしいれの片隅に一つ、段ボールがあった。 母所蔵の、文庫本の山だった。 海外ものが多かった記憶がある。 「嵐が丘」「若きウエルテルの悩み」「エミール」・・・ そして「戦争と平和」。 すべて、日にやけていて、めくるとめりめりと音がする本もあった。 そして、どれもこれも、独特な香りがした。どのページの間からも、本でパッキングされた空気がぽわりぽわりと浮かび出てくるのだった なので、いわゆる海外の文学小説は、すべてこの香りと茶けた紙とめりめりという音のイメージがついて

        • 固定された記事

        極めて個人的な。

          方向音痴

          母は自分でもよくわかっているのだが、 結構いい調子で、方向音痴だ。 イギリスだかどこだかの外国で迷子になり(ツアーなのに) 地図を開いてその辺の外人(自分が外人なのだが)を捕まえて、 「Where am I?」 と聞いたそうだ。 「わたしはだれ ここはどこ」 なんのドラマだったか、 それに近しいものがある。 池袋はサンシャインシティの入り口で 「サンシャインってどこですか?」 と聞いた、という逸話も残っている。 そして、娘のわたしも見事なまでの方向音痴

          亀と少女と静かな冒険

          大きなリクガメが動物園から脱走した、というニュースがあった。 エンデの「モモ」を思い出した。 ちょっと先のことがわかる大きな亀が、ゆっくりとゆっくりとモモを誘導していく。決して時間泥棒には出会わない道を選んで。 あんな大きくてゆっくりしか動かないリクガメが、 なぜ脱走から行方不明になるまで、だれの目にも止まらなかったのか。 本当に誰の目にも止まらなかったのか。 亀には「自分が発見されない道」を察知する能力があるにちがいない。 そしてもう一つ。亀がわかっていること

          亀と少女と静かな冒険