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生産国を知るーコスタリカ

Costa Rica

 みなさん、美味しいコーヒー飲んでいますか。僕は最近、飲んだコスタリカが本当に美味しくて幸せでした。コスタリカのコーヒーを飲む機会は比較的少なく、いまいちコスタリカについて知らないなとふと思いました。また、最近参加したセミナーで「豆を知ること」の重要性にも改めて気付かされましたので、ここからシリーズ、「生産国を知る」ということで、共有していきたいと思います。

 私たちは得てして美味しいコーヒーをどうやって淹れるか、どのような精製方法か、など「HOW」について興味を持つことが多いです。しかし、コーヒーの品質の根本には、その豆の生産、つまり「WHO」誰が作っているのか、そして「WHERE」どこで作られているのかにあると思います。その生産というプロセスに目を向けていきたいと思います。

 記念すべき1カ国目はもちろん「コスタリカーCosta Rica」コスタリカは中米に位置する国で、太平洋とカリブ海に面し、陸地ではニカラグアとパナマに接しています。実はコスタリカで生産される豆の約半数がスペシャルティです。なぜこれほどに品質が高いのでしょうか。そこには3つの要因があると考えられます。1つは、豊かな自然環境。もう1つは政府の施策、最後に生産者の努力です。

 まずコスタリカは生産地のほとんどが800mを超え、1000m〜1700mの高地で生産されているところもあります。標高が高いと実がゆっくりと熟していくため甘みがしっかりとあるコーヒー豆に仕上がります。また多くの火山があるために、火山灰性の豊かな土壌で生産が行われています。これらの自然環境を存分に生かして生産が行われていることが品質を高める1つの要因になっています。

 そして政府はコーヒー生産について「生産量は少なくとも品質の高いものを」という姿勢をとっており、ロブスタ種の生産を禁止する法令を出しています。つまりコスタリカで生産される全てのコーヒーはアラビカ種だということです。これが多くのスペシャリティコーヒーを生み出す大きな要因になっていると考えられます。これは自然環境を守る政府施策でもありました。そんな自然環境保護施策から生まれたものもあります。それが今「ハニープロセス」と呼ばれている精製方法です。これは「メカニカルウォッシュドプロセス」と言われていたもので元々は排水量削減のため考案されたものだったそうです。それが今ではハニープロセスと名前を変え、コーヒーの味わい作りのプロセスとして広く知られています。コスタリカではこのハニープロセスを始め、アナエロビックファーメンテーションも盛んに行われています。(それそれの精製方法、詳しくはまた改めて共有したいですね…)

 ただ忘れてならないのは品質向上は生産者の努力あってこそ。コスタリカではいわゆる「マイクロミル革命」と呼ばれるものが起きました。マイクロミルとは小規模な生産処理場のことです。コスタリカでは小規模農家が多く、生産された豆は大規模な生産処理場に集められ、処理されていました。これでは良い豆も悪い豆も混ざってしまい、品質はまばら、もしくは悪くなってしまいます。しかしマイクロミルを作ることで、自分たちの手でコーヒー豆を管理することができるようになりました。自分たちで管理していくことでコーヒー豆の品質をあげ、それを付加価値として高い値段で売ることができるようになり、また品質向上を目指していくというような良い循環も生まれています。このような生産者の努力がコスタリカのコーヒー生産を支えていると言えます。

 上記のような様々な要因によって品質の良いコーヒー豆生産を行っている国がコスタリカです。最後に久しぶりに飲んだコスタリカのコーヒーを紹介して終わりたいと思います。(写真)今回飲んだのは、2023年COEで6位に輝いたハシエンダコペイ農園の豆です。タラスはコスタリカでも有数の生産地域であり、品種はゲイシャ、精製はアナエロビックナチュラルです。味わいはゲイシャらしい豊かなアロマとみかんのような甘味ととろみ、りんごのような爽やかな酸味もありながら冷めてくるとはちみつのような甘みが口に残り続けます。本当に美味しい豆でした。このような豆に出会えることは本当に幸せなことで、それを日本で飲めるという有り難さ。コーヒーは人のつながりによってできていると改めて思わされます。

 今回はコスタリカという国に注目してみました。これからも生産国について紹介していきます。また、コーヒーを飲むときにはその生産地にも目を向けてくださいね。

今日も今日とて最高の1日に。

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