パパウパウパウ

エー金曜日はバタバタ仕事をしてまして、したら不安ごとが解消しないまま夜中になってタイムオーバー。やってられるか~い! とフテ寝したら、もう次の瞬間には土曜のヒル。ぐおお。電話が鳴って目が覚めました。我が安息を妨げるのは誰ぞ! と半ギレで電話をとったらまさかの父親。カンベンしてくださいよ。かつてはオレの右肘を関節技で脱臼させたかの偉丈夫も齢70を越え、電話口ではなんかフゴフゴいってるだけのお爺さんになりました。カンベンしてくださいよ。したら奴さん、意外と元気そうでそれも不愉快。なんか「バッドニュースになるんだけれども…」とか思わせぶりな前置きを述べやがって、なんやねん一体オラ~! と先を促したらば、なんでも「私はそろそろ死にます」と。オレもここで「知らねえよ!」と叫んで電話を切ればよかったんですが、まあねえ、人情というものもありますんでねえ(あるんですよ実は)。よくよく話を聞くことに。

エーご存じの通りウチの父親と母親は裁判所で調停を受けてた仲なんですが、まあ、この調停というのが微塵もうまく行きませんで、憎みあいながら未だに同居してるんですな。狭苦しい一軒家に一対一で閉じ込められて、基本はお互い無視しあって、でもたまにすれ違えば舌打ちをしあうような感じでですね、この十年余りを生きてこられたと。「あなたがたにはウェル・ビーイングという概念はないんですか?」と言ってやったらイイんだけれども、正直、あんまり関わりたくないんですよね! イヤ、育ててもらったのにすみません。僕は恩知らずだ。ワッハッハ。しかしねえ、本当にあんまり、二人の問題には関わりたくないんですよ。あんまり肉体に怨念を取り入れたくない。ただでさえ尿酸値が高いんですから(※よく知られたことですが、怨念には尿酸値を上げる作用があります)。

で、まあ、その父親氏は母親氏と、母親氏シンパの長男氏には徹底的にシカトされてるもんで、家族の中にはオレしか話し相手がいないわけです。ただ滅多なことでは電話なんてかけてきませんでしたけどね。一年ぶりぐらいな気がする。まあそういう父親氏にイキナリ死ぬとかいわれても、その~、わからせろ! もっとワケわからせろ! オレに! と暴れそうになります。なりましたが、成増で暴れても伊勢崎の先方にダメージを与えられるわけではないので、そこはグッとこらえてですね。ハー、オトーサンは何ゆえ死なはるんですか? と聞いた次第でございます。したら「脚がむくんで云々」「これがこうなったら救急搬送が必要で云々」と、要領を得ないワケですね。でも、とにかく月曜日に医者にかかり、その診断次第ではあるが、おそらく介護施設に入れられるだろう…と言っているのがわかりました。ちがいのわかる男、オレ。ダバダ~

「今まで、いろんなことがあったけどな」体調問題の真相はともかく、自身の死をそれなりに確信しているらしい父親氏は言いました。「オレは、なんにもケリをつけられずに、オワリになりそうだからよ。…そこは悪いけど、よろしく頼むよ」。イヤよろしく頼まれても仕方ないんですが、まあその~、いかにも出来のよくない、素行不良のグズ二人を見事に育て切った男の最期がこれかと思うと、少し涙を誘うのでありますね。なんだってオワリは哀しいものです。というのがまあ、土曜日のお話。

だ・も・ん・で! 今日はショージキ、仕事しながら「いよいよ(病院から)よくない電話が来るんじゃねえか…」と心配で仕方なかったんですが、まあ、なんの連絡もなく今に至るワケですよ。…そのー、死ぬとかなんとか言う場合はねえ、死ななかった場合にも連絡がほしいわけなんですが、それって高望みですかねえ!?(全ギレ) 父親氏と長男氏はこういうところがよく似ていて、地獄の悪魔と心配させ邦題の定額プランを契約してるとしか思えません。でも、長男氏に「おたくら、似てるよ」とか言うと小さな立方体に畳まれてしまうんだよな。オレが。ギュッと。一握りで。

なんでこんなことを延々書いたのかというと、そりゃあその~、オレだって本当は父親氏と母親氏が元気なうちによい解決に導いてあげたかったわけです。でももうね、人生で頑張ることがありすぎたために、すっかりモウロクされてしまったお二人には、理性的な、建設的な議論とかはできないわけですよ。これはもう人間性の問題ではなく、肉体的な機能の問題で。脳の機能の問題で、コンフリクトを解決できない。

だからですね、その~、自分が何かをやりなおすときもそうですけども、他者に何かをやりなおさせたいときも、早く動くに越したことはないんだなと。そういうことをヒシと実感した次第なんでございやす。オレはこの二人の問題について、時間の経過がそれぞれの怨念を洗い流してくれることを期待していましたが、まあ、今のところそういうふうにはなってません。そんなふうにオレがマゴついているうちに、取り返しがつかないくらい長い時間が過ぎてしまったと。彼らの人生のタイムリミットは間もなく来るというのに。

まあね、こういう失敗も誰かの参考になればと思いますよ。結論、時間は大切。ピャ~オ(了)


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