'04年の典明・ザ・ボスゴリラ

さて、20世紀最大の発明が『ウンナンの気分は上々。〜FEEL SO NICE.』('96)であることに、異論をはさむ者はないであろう。
その『気分は上々。』のレギュラー放送終了が'03年なのだが、実はそれ以降も2時間枠でたびたび復活していたりする。

うち、『ウンナンのものすごく気分は上々! お待たせ10万円の旅スペシャル』は、'04年4月に放送された特番。これは「10万円の旅」という人気企画の拡大スペシャルで、内村チームと南原チームが、ぞれぞれ10万円の軍資金を基に…やめよう。Wikiなどで検索してくれ。

キャストの布陣はこうだ。まず内村チームは内村光良、哀川翔、勝俣州和、TIM・ゴルゴ松本。ゴルゴの交代要員で、蛍原徹(当時は「雨上がり決死隊」)。
対する南原チームは、的場浩司、若槻千夏、加納典明。



加納典明って。



加納典明といえば、昨今のマスコミには(コンプラ的な意味で)実に微妙なアーティストなんじゃなかったっけ。それは息子か? 写真家でいえばアラーキー(荒木経惟)なんかは、例のヌード強制が暴露されて以降、表舞台からは遠ざかった感がある。最近みねえけど、典明はそういうのはねえのかな。

ま、なにはともあれ。この回は加納典明がよかった。

若槻おまえいくつ? 17です! に応えて、典明曰く

「カーッ! まだ人間じゃねえな」

……。

男連中で安宿の風呂に繰り出し、ナンチャンの「狂暴そうなチンチンですね~!」に応えて、典明曰く

「まあね、おめえ写真とどっちが本業なんだって時期、あったよね」(※たしか「ゴリラの下半身自慢」とのテロップが無音でついた)

……。

典明。

典明。

典明。

この男性的な加害性をまとう露悪的な物言いが、まだゴールデンタイムのお笑いとして成立する時代が'04年だった。…いや、成立してたのか? オレにはよくわかりません。でも、典明はよく演じきったと思う。演じてなかったのなら勝手にしろと思う。

典明。

典明。

典明。

(了)

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