お告げ 〜タキ〜 🔒
これまでずっとふたりで 玉を探してきました
神使ゆえ 老いることのないこの命
悟られぬよう 妬まれぬよう
風が 雲が 流れるように
初めてですよね
こんなに何年も 同じ場所にいて
狸の眷属達 そして多くの眷族達に
助けてもらえて いるなんて
姿の見えない 幽身だからでしょうか
目覚めてからの 楽しい日々
ずっと こうしていられるのかな
タキ それは 終わり…くち…償い…
雨音から 漏れ聴こえるような微かな聲に 耳を凝らす
どこか寂しげで懐かしい 荼吉尼さまのお聲
言祝ぎを授けし ふたつの玉
分かつ時より 時は刻まれ
永遠の手から こぼれ落ち
あの夜 玉のひとつは 狐の肉体と共に朽ち
狐の御霊も天に 還るはずでした
弐の玉を 其方が 差し出さなければ
あの 穂小津姫達が見たという幻が
朧げに脳裏に浮かびました
肉体の癒える時 未だ知れず
弐の玉の朽ちるまで
狐の玉が戻らねば 黄泉へと還る
いずれ 其方も
依り代を 授からねば よ み …
遠ざかるお聲と 入れ替わるように
雨音がだんだんと 大きく鳴り
荼吉尼さま! では私の宿るこの玉は!
そこで 目が覚めました。
夢であって欲しいけど
三狐様にも お告げはあったのかな
何もいえない 何もかわらない
最新のお話はTwitterで進んでいますが、 振り返れるようにnoteでまとめ記事にしています。