マガジンのカバー画像

つるが譚 〜三狐とタキ〜

15
敦賀で目覚めてからのおはなし 07.つるが譚〜はじまり〜 08.つるが譚〜2章〜 09.つるが譚〜3章〜 10.つるが譚〜4章〜 11.つるが譚〜5章〜 12.繰り返す夢〜タキ〜… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

キツネ玉知りませんか?

敦賀譚〜はじまり〜 むかしむかし、寺の小僧さんに大切なキツネ玉を盗られた狐がいました。 …

11

キツネ玉知りませんか?〜タキと狸おやじ〜

1.5章 (一) 目が覚めたら、玉の中にいました 玉を体内に戻して 現身に戻れない…どうして …

5

つるが譚〜2章〜

三狐が目覚めて3ヶ月、ふたりは百のご信心が頂けたことを氣比神宮境内のお稲荷様に報告に来ま…

8

つるが譚〜3章〜

目覚めてから初めての新年を迎えたふたり。 初夢は伏見のお稲荷さまに呼ばれた夢でした。お稲…

4

つるが譚〜4章〜

キツネ玉と違ってタヌキ玉は姿を消すこともできました。それが幽身の術。 「幽身だと食べなく…

6

つるが譚〜5章〜

令和3年の初夢は、伏見のお稲荷様も入鹿魚の神様でもなく 継体天皇即位の樟葉宮の比定地とさ…

6

繰り返す夢 〜タキ〜

あの 雲の向こう  やっと そちらへ 行けそうです あの日 助けられずに ごめんなさい 約束を 果たせなくて ごめんなさい どれくらい 眠っていたのかな 長い 夢を見ていました 三狐さまがいて 眷属たちがいて 毎日ゆらゆら 玉を探していました 楽しい 楽しい夢でした 神様 還ったら 叱ってくださいね 暗くなってきました… おやすみなさ い これで もう 見なくなるといいな すこし かなしい ひとりの夢

穂小津姫 -ホオズキ-

うつし世に 御魂の生まれ落ちる時 黄泉比良坂に 落ちる 小さきカケラ カケラは 静かに 眠…

5

穂小津姫 -弐-

狸むすめちゃんが行き場のない穂小津姫を匿ってしばらくした 日曜の朝、狸むすめちゃんは穂小…

4

つるが譚〜6章〜

令和4年 雪の舞う元旦 中鳥居修繕への奉賛として 「角鹿三狐・タキ眷族一同」の名を掲げた芳…

4

神使の玉

大社で ふたりが 目にしたという  話を 聞き終わると  三狐とタキは  「大社でお稲荷様…

1

つるが譚〜7章〜 入鹿魚の神様

昨日 夢に入鹿魚の神様が現れ タキにいいました。 みこのみなにかへ 吾が名を授けよう その身…

2

お告げ 〜タキ〜 🔒

これまでずっとふたりで 玉を探してきました 神使ゆえ 老いることのないこの命  悟られぬよ…

3

お告げ 〜三狐〜 🔒

眠りから覚めてみれば タキも妾も幽身で 何があったのかもわからないまま タキの眷属達と 敦賀で玉を探す日々 玉を失くしてから どのくらい時が過ぎたのでしょう 魂の欠片を名乗る 穂小津姫まで 現れて 妾は 本当はもう 消えて 終わりにしたいですか? 宇迦之御魂さまの コロコロと 笑うような涼しげな聲 妾が 永遠を授けた玉  それを失くした あの日から 貴方の命は 刻を 刻みはじめました 一片の狸玉で 命の刻が 止まる訳もなく あの夏の夜  傷ついた其方の肉体と御霊を タキ