確率で、数理科学的に考えると♡
「今日は、数理科学で考える!という話をしよう。確率の起源は、フランスのメレという賭博師が次のような問いを有名な哲学者のパスカルに相談したのが始まりなんだよな、知っておるか?」
「”パンセ”で有名な、
『人間は考える葦である』
の方ですね。賭け事の相談も受け付けてたんですね。」
「まあ、ただの友達だったんじゃろうけどな。パンセは、パスカルの”考えられたこと”を彼の死後、遺族などが出版したものじゃなぁ、Pensses は、”思考する”っていう意味の、penser の過去分詞形じゃな。つまり、”考えられた”っていう意味じゃよ。それはそうと、そのメレの問いってのはな、
『AとBの二人が、各々、32フランの金を賭けて勝負する。
そしてどちらかが先に3点を得たものを勝ちとし、勝った方が賭け金の総額64フランをもらえるとする。ところがAが2点、Bが1点を得たとき、勝負が中止になってしまった。
このとき、二人の賭け金の総額64フランをAとBにどのように分配するのが合理的だろうか。
ただし、そのゲームは全く平等・公正で、二人の勝つ確率はそれぞれ 1/2 ずつだとする。』
というものじゃな。」
「AがBの2倍の勝ち数なので、もらえる金額もAがBの2倍になるようにすればよいのではないですか?」
「ふふーーんw、それは、数理科学的に物事を考えてない者の浅知恵じゃな、ふふ。気分で物事を決めがちな連中にありがちな答えじゃよなー!」
「なっ!!!、じゃあ、姫ならどう決めるんですか!?!?」
「期待値というものがある。これは、もしこのまま、勝負を続けたら、どちらがどのような確率で、どれだけ取れたか?で考えるのじゃよ。」
「ふーん、で、じゃあ、それで、どうするんですか?」
「えっとな、あと1試合やるとすると、Aが勝った場合は3対1でAが勝つためAが64フランもらえ、Aが負けた場合は2対2の同点なので32フランずつ分け合えばよい、よな!?わかるかな?。」
「(不承不承)ええ、なんかバカにされてませんか?」
「Aが負けた場合、勝ち星、負け星が同数だからって思ってないか???そうではないぞ!その場合、その後、何回で勝負が決まっても、ゲームの公平性から、AもBも勝つ確率は、1/2 ずつとなり、等しくなるからじゃよ。」
「あ、そうか!間違ってました。答えがあってれば良いってもんじゃないんですね!www」
「よって、Aは64×(1/2)+32×(1/2)=48フランもらえばよく、Bは残り16フランもらえばよい、となるな。つまり、AはBの3倍のかけ金をもらえばよいのである。」
「なーるほどなー!納得するしかないですね!確率って、明快ですねーー!それでは、Aがすでに2点、Bが0点のときに勝負が中止になってしまったらどうすればいいですか???」
「それはじゃな、おっほん!w 次の1試合でAが勝った場合はAが64フランもらえ、Aが負けた場合は最初のケースになる、よって、この時は、Aが48フラン取るのが、合理的じゃったろ!だから、結局、Aの取り分の期待値は、
64×(1/2)+48×(1/2)=56フラン
とするのが、合理的じゃな!Bは残り8フランもらえばよいことになる。」
「なーるほどーー!合理的に考えるってこういうことなんですね!」
「確率で数理科学的に考えるというのは、こういうことじゃな!」
「ふーん・・・、もう少し、勉強してみたくなりました、何かいい本はないですか!」
「現代では、読み物的な良い本はいっぱいあるけどな。もう少し、キッチリ、でも、あまりにも専門的すぎるところまではまあ、いいかな?いかなくても、みたいな人は、京都大学の”数学”で、1970年代の”名物教授”のお一人であった小針晛宏先生の ”確率・統計入門” をオススメしとくよ。このかたの”数学”は、今見ると、数理科学的な思考が横溢しているよな。」
「ふーん、調べてみます。」
「岩波から出てるぞ!w」
「ああ、amazon にもありますねー!」
「ここで考えたのは、現代では、”条件付き確率の期待値”って言われてるやつじゃな!」
「言われてみれば、明快で、数理科学的に考えると、みんな納得するしかないですねー!w」
「それが、エジプト、ローマ以来の数理科学の役割じゃよ。」
「あらかじめ、確率がわからない場合は、どうするんですか?」
「その時は、”統計的に推定する”ってことをやると良いが、その説明は、またにするかな?!」
「そうそう、お茶でも飲んで、ゆっくりしましょう!」
「今日は、コーヒーでな。」
参考書類:
以下、確率の勉強をして見たくなった人のための参考文の pdf を置いときます。
このリンクからDLできる文章の最後にも、さらなる参考文献がありますので、良かったら、ご参考にしてください!どうぞww
大西先生、感謝!w