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苔の話!w

「昨日も、本当は、コケ植物の話をしようと思って、苔寺の話から始めたのに、船乗りから、ロシアの話をしてしまったんじゃよな。」

「ま、このnote。主題なく、個人的に様々な感想文を書いているだけなので、良いのでは??」

「じゃから、今日は、苔の話をするぞ!」

「苔寺は、拝観、予約制ですよね!」


「往復葉書で予約ってのが、昭和っぽくて良いのう!www」

「苔の話ってより、苔寺の話ですね。なんか、苔の話は横道にそれやすい!www」

「寺における一般拝観は、寺側からみれば宗教行事なので、このように、予約制にして、その代わり、住持等の責任者がきちんと、その由縁や結縁、その現在の在り方などを説明するのは本来、義務じゃよな。」

「実際には、大寺ほど、そういうことはしていないですよね。」

「宗教行事ということで、理念的には、お賽銭等には基本的な税金は掛けられていないわけだから、本来的には、きちんとすべきという議論は、昭和の頃からある。」

「この辺り、複雑ですね、現実的には。昭和の終わり頃には、”古都税(仮)”的なものの導入を議論されたこともある。」

「実際、1985年には、当時の今川京都市長は、拝観料の1割を古都税として徴収する案、(つまり、拝観料500円なら、拝観者は550円を修めて、50円は、寺社からまとめて京都市に納めるという案)を強行したこともあるが、3年で廃止になった。」

「一回決まったものを覆すのは、よほどの政治結束力ですよね。」

「理論的支柱の一つとなったのは、拝観は宗教行事であり、政教分離の原則から、税金徴収は馴染まないということだったと思う。」

「ならば、しっかりと拝観者に対して、その宗教的なレーゾンデートル(raison d'être、存在意義、というような意味)を説明せよという議論もあったとは思いますね。」

「なかなかいわゆる”白足袋族”の政治的な結束力とそこから繰り出される政治力そのものは強いよ!www」

「京都は、平成6年(1994年)には、”京都市公債償還基金”というものを創設して、古都の景観保存やその他、より一般的な行政サービスを含めて、市として必要なことをきちんとしようとしている。しかし、そのための”古都保存税”的なものはなかなか難しいのが現実みたいじゃね。」

「その京都市公債償還基金も、近年は、貯めるより、取り崩す方が大きくなっているようですね。大変だなぁ・・・。どこもかしこも。」

「”理想だけでは、現実は回らないという”現実じゃな・・・。」

「苔寺(西芳寺)ばかりでなく、桂離宮、修学院離宮などは、参観に一定の手間を掛けさせて、予約制になっているな。天皇家に直接、所縁(ゆかり)のあるところは、さすがというべきじゃろう!」

「そろそろ、苔の話、しましょうよ。」

「苔寺の話を始めると、浮かんでくる感想が多岐にわたるので、千々に乱れるのう・・・。」

「乱れるのう、じゃないでしょう!wもう。」

「苔ってのは、陸上植物であり、維管束を持たないものの総称じゃ!中学でも習うのう。」

「ええ、仮根があって、岩などに固着できるけど、そこから水を吸い上げたりはしないんですよね。」

「そう、で、種子ではなく胞子を作って、それを飛ばして増える。」

「いわゆる植物体は、その程度の簡単な構造なので、あまり大きくはなれない。精々、数センチから10数センチくらいじゃな。」

「葉緑体はあって光合成するし、シアノバクテリアの一種を共生させて、光合成のみならず、窒素固定するものもいる。」

「どちらも、老廃物(酸化物)の還元に関わり、要するに、燃えかすを燃料に戻すための重要な営みですね。」

「これらの小さいものや微生物のたゆまない”環境浄化”過程があってこその、地球環境であり、その上で、我々、ヒトを含む、いわゆる高等生命体の営みがあるんじゃ。」

「環境問題や地球温暖化、ひいては、SDGsなどに対して、地道に基本的な努力を重ねるにあたっては、このような知見の積み重ねが大切ですよね。いまの地球は、億の単位での年月が醸した生命現象の集大成な訳で・・・。」

「きちんと理解しなければ、そのための効果的な方策は考えられんからな!」

「そのような基礎の部分を学び、展開するための基本の部分が弱ってきているような印象がありますね。」

「先進国ほど、そうなってきている印象はあるよな。わかりやすいものに飛びつきすぎなことも一因じゃろう?」

「まあ、そうなんでしょうね。しかし、苔の面白さは、そういうこととは無関係な部分も多いですよね。」

「そうそう、このマクロスケールで見えているいわゆる植物体は、これ、コケでは、半数体なんじゃよね!」

「半数体って、減数分裂後の相同染色体がひとつになっているミクロ状態の時だけってのが普通ですよね。」

「いわゆる高等生命体ではそうじゃな。植物でも、シダ以上のは、そうなっている。」

「苔って不思議ですね。そうすると、卵子や精子が”体”をおっきくくっつけてマクロに大きく育っているようなイメージですかね???」

「そうそう、イメージとしてはね!で、受精して胞子を作るための受精卵(接合子)が作られるその一瞬だけが2倍体。それは、雌株の配偶体に寄生して、栄養や安全な環境を提供されて育つ。そして胞子体を形成する。」

「その胞子体は、2倍体なんですか?」

「そうなんじゃよ、我々と違っていて、というか、逆じゃよな。ちょっと面白いじゃろ???二倍体のほうが半数体に寄生している。」

「この胞子体はすぐに、成熟して、先っちょに”胞子嚢”というものを作ると、その中で、生殖細胞の減数分裂が起こり、半数体の胞子ができるんですね。」

「その胞子嚢は、コケ植物では、”さく(朔)”って呼ばれているんじゃよね。」

「へー!”さく”ですか!藤原さくらちゃんも、ニックネームは”さく”だから、それは重要な器官に違いないですね!」

「なんじゃそれはw そんなのは関係ないけど、その”さく”は重要な器官じゃよ。確かにねw」

「面白いのは、その配偶体自体は半数体じゃが、雌雄同株のことも多いんじゃよね!wちょっと不思議じゃろう???遺伝のシステムの普遍性と特殊性の両方が見られる。まあ、異なる株の種類のものもあったり、その場合、雄が異常に小さくて、雌に寄生しているようなものもあるがな。チンピラみたいな苔じゃな!wwwwwwww まさに、ヒモというべきかな!wwwwwwww」

「半数体ってのは、倍数的には1倍体ですよね。」

「あ、そうそう、我々が基準になっているんだよな。2倍体が普通だから、減数分裂後の1倍体は、半数体って呼ぶ慣習みたいじゃよ。」

「”生物”を選択していないと、ちょっと混乱しますね!w」

「少なくとも、21世紀前半は、生物学、生命科学とそれに付随して、思考の数理的な核を提供する数理科学。また、そこからヒントを得て、数理科学そのものが進化して行くことが予想されているよな。そして、それが数理科学、自然科学を問わず、科学の中心として、振る舞っていく。」

「数理科学自体も、そのあり方を進化させていく感じですよね。実際、そうなるでしょうね。俺は、数理科学自体に興味がある高校生も、選択の理科の一つは、生物選択が良いと思っているんですよね、今は。」

「この半世紀、生物の教科書ほど、どんどん内容が変わっているものも珍しいからね。」

「進歩が激しいしな!高校の教科書というのは、どの分野でもその分野の第一人者たちが、何人も集まって内容を練って、最終的にこれでいくって決めたものなので、な。結構、あとあとまでも、役に立つことも多いぞ。」

「地球環境は、億の単位の年月でみると、結構大きな変化がしょっちゅう、あるんじゃが、それが様々な自然選択の過程も生み出し、遺伝のシステムが作り上げたのが現代の地球の在り方じゃな。」

「苔の時は、半数体と2倍体の関係が上記のようだったのが、進化の過程で、どっかで逆転したんですね。」

「その方がより広範な環境に適応できたり、大型化したりしていくのに、有利っていうことがあるんじゃろうな。自然は、結果は見せてくれるがその過程や理由は教えてくれない。」

「数理科学は、それそのものがそれとして、その存在理由のあるものだけど、同時に、結果の特徴や構造、そのような構造と機能の関係を抽象化して、理解することもその内的存在理由に数えて良いと思う。」

「そういった過程も含めて、数理科学の存在理由にするべきなんですね。」

「応用がなくても良いがあっても良い。そういう関係もひっくるめて数理科学であるということかな。」

「こういうの日本的で良いですね!」

「京都の西郊外での苔むした林床の風景など、とても日本的だしな。」

「何となく、オチましたね。」

「そういうことじゃ!www」


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