見出し画像

町興し、村興し、街興しの整理

町興しや村興しについて整理しておこうと思う。若者会議とか、町興し会議とかのポスターをたまにみるので、少し考えた事を整理しておく。




町興しや村興し、衰退と発展とは

そもそもなぜ街が衰退するのか。シンプルに、富が入る以上に富が流出するからである。そこで生活する人が稼いだお金が、外の町や村やら外国やらに流れて、帰ってこなければ、富は目減りしていくばかりだ。すると、(仕事の土台は富なので)仕事が減っていく、次いで、仕事がないならと少し近くの大きな町や村に出稼ぎに出て、最後には、いつかそこに引っ越す。生活にはまずは仕事稼ぎありきなのだ。多くの小さな円が近くの少し大きな円へと流れていくこと、これが衰退である。

しかし、大きな都市という円であっても、人口の集中による生活基盤経済(家の設備管理とか、美容室とか、人の日々の生活のために使うお金の総量が多くなる)の潤いで、過疎地よりかは華やかに見えているだけで、結局、この構図はいつまでもつきまとう。流出が続けば、衰退する。

仕事がもうここにはないというあるレベルを越えると、もうその円(町や村)は、人の流出に歯止めが利かなくなり、子供は徐々にいなくなり、さらに生活基盤期経済そのものも減り、老人だらけで再生産もなくなり、死んでいく町や村や都市となる。





発展や繁栄とは

衰退を裏返せば、それがそのまま発展や繁栄となる。
つまり、以下の3ベクトルである。

1、如何に富を内部で回して拡大再生産するか。(内部の最大化)
2、富を外から如何に引っ張ってくるか。(外部の最大化)
3、周囲の円よりも魅力的と思われる、ライフスタイルに合うや生活のしやすい街、あるいは特色あって好かれる人を集められる街になるか。(誘引の最大化)



その視点を掘り下げると、以下のようになる。
1、生活基盤経済の最大化
  → 地産地消の推進
  → 遊休設備や人材や物やらの、金銭化。市場化。やり取りの増加。

2、住みやすい街、ライフスタイルに合う町、特色ある街化
  (1と関連して、賑やかな処の方が生き残りそうでいい!に加えより具体的に住みやすさも明示する)
  → 衣食住や生活基盤の利便性の向上。どのライフステージでも◎へ。
  → ある特色の利用度利便性を最大化(雪遊びの街とか。)

3、仕事の創出
  →企業誘致や商業、工業用地開発

4、外貨の獲得(外からのお金)
  → 観光地化
  → 地域で産出・地域生産性の高い1次2次3次産業の振興、販売提供



一番優先度が高いのは、4だろう。その土地で材料やら加工やらで作られた物が、売れてお金になる。一番、地域貢献率が高い。同様に、観光地化も有効だろう。普段なら0のはずが、外からの獲得でそのままわかりやすくプラスになる。(飲食や観光業への割り振りが大きすぎる気もするが。)

次いで、1が重要だろう。夜に飲みに出掛ければそこらで音楽の演奏やパフォーマンスで賑やかに楽しく飲んで、チップが行き交ったり。屋台みたいな個人のお店もあったり。老人がベビーシッターをしたり。その人のしたちょっとしたことでもお金が行き交うなら、みんなちょっとしたことで町を楽しく良く便利にきれいにすると思う。金銭化して市場化する弊害も存在するが、まぁ、お金のやり取りが盛んなのは賑やかでいいよなとシンプルにはそういうことだ。

そうして賑やかなこと栄えていることが誘因となって、周囲の人を集めて大きな円になることができる。これが誘因であり2番のことだ。他にも、子育て世代のサポートとか、整った公園や体育館があるとか、様々な暮らしやすい街を構築することで、同じような選択肢の他の円よりも選ばれることに繋がる。あるいは、一点特化で、海の町、山の街、大学の町という他にはないある特徴で、人を引き付けること集めることができるとおもう。

最後の3は、微増だろう。働き口が増えたとしても、その地域のなにかを使うとかでもなければ、地域貢献率(地域に還ってくる率)は低いからだ。






具体的事例による考察・・・、できない

1~4の視点で政策を分類して、地域貢献率を算出しつつ、また具体的な案としてはどんなものがあったのかまとめてみたい、また成功失敗事例等も。基準が明らかになるはずである。が、しかし、時間がないので、ここから先はできるかたにお任せします。すいません。また機会かあれば。

箱ものだったり、暮らしが便利になる建物的な政策よりも、どうやって金を町におとしてもらう、町全体で外からお金を稼ぐみたいな発想の方が大事だなぁと当たり前のことに気づいた話でした。

しかし、そう考えてくると、グローバル企業とか、大手チェーンによる地域のお金の流出とか。もっと遡って大店法やら。効率性、自由競争、地域貢献率、部分最適、全体最適。その辺の考え方や基準を今一度根本から整理する必要があります。

全国展開する大企業の方が効率性は高い。高い競争力=効率化されている。しかし、地方が栄えることは同立しない。言い換えるなら、地域貢献力の最大化=生存戦略(高い競争力)ともいえないので、難しいところです。

別の記事で書きましたが、やはりお金の流れを見える化して、どこにお金が流れてきて向かってきたのかわかるようにする。数値化してわかりやすくすれば、地域貢献率や環境負荷率の少ない商品サービスが選ばれやすくなり、もっと今よりも地産地消・地域貢献率の最大化に向かう気がします。環境的効率性(メキシコ産のとり肉を遠路はるばる何百キロ運ぶ!でも100g50円安いよ!みたいなアホらしい話はやめられないかなぁという話です。




終わりに

特産物のブランド化、独自品種(いちごやさつまいも等の嗜好品よりなものが顕著)の開発。アンテナショップを開いて地場産のPR活動を都会で行う。アニメでの町興し。この辺は、こうして原理を考えてみて、腑に落ちました。少しでも外からお金を稼ぐために、特色を最大限に開発&PRしていってるんですね。各地方都市も、民間企業と一緒で闘いを繰り広げているのだなぁと改めて思いました。少しでもうちの方をご利用ください~と。

ただ、こうして考えると1つだけ疑問が生じます。町興しや村興しの主体は、官主導もあるでしょうし、民主導もあるでしょう。民主導の場合は、普通の企業活動の戦いと構図は一緒なので、好きに戦ってくれなわけですが、官主導の場合は、疑問符がつきます。

例えるなら、ある街に10個の系列店のファミレスがあって、それぞれが別個に商品開発や宣伝PRをしていることへと、同じような疑問です。

まとめてやる、協力してやればよくない???って話です。

各県やらで県立農業食品研究センターみたいなところがあって、みんなで商品開発を1からしている。これ無駄じゃないですかね。生物の生存戦略的に言えば、各自が好き勝手に、特色あること、少しでも特色をもつためにあくせくすること、でそれが実を結んで自分だけのニッチなポジションを手に入れて、生存率が高まる事。これは真でいいことです。でも、国という単位で見た場合、各自が好き勝手にやるよりも、情報共有して、時には、あえて制限した方が、長い目で見れば、良い気がします。

街が生き残るでいえば、各自ががむしゃらにあくせく競争するのは正解ですが、国として、各街が機能して、一番無駄なく国として成果を出す!としてみれば、各町がやみくもに争う現状はどうなんだろうという話です。

また考えがまとまったら、そのあたりにも触れてみようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?