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夫婦喧嘩のトリセツ、作法マナー。付録として許容と我慢と諦念の境界線。

ついこの前の事。結婚30年以上の60歳親戚夫婦が、夫婦喧嘩して離婚する!等と騒いでいた。(結局モトサヤに収まったのだけれども)事の成り行きをはたから見ていて、そしてそれに付き合って巻き込まれた両親や娘夫婦の対応を見ていて、結婚の大先輩たちなのに、夫婦喧嘩のやり方や解決や収め方をちゃんとしらないことにびっくりした。というわけで、自分なりに思うタイトルの件について書く。世の中から不毛なケンカが減れば幸いである。なお、ケンカの前段階である、許容と我慢と諦念についても少し触れてみたい。



夫婦喧嘩の原因

価値観の相違

↑拙記事でも触れているが、男と女が一緒に暮らす、暮らしていくとなると様々な領域で価値観がぶつかり合う。大概は、別に気にならないことなので、お互いにうまくいく。というか、気にならない=互いの相性が良い、うまくいくと思ったから結婚するわけだが・・・、相手が猫を被っていたり、子供ができてと、未知の価値観にでくわすこともある。そこで、大きな価値観の隔たりがあると、それがストレス抵抗となり、ケンカの種になる。結婚前によく相性(気にならないか)の確認をしておきたいものである。




夫婦喧嘩の発生メカニズム。

ケンカの種が花開き、爆発する。

ケンカの種の状態では、まだなんか嫌だなと思っている段階だが、長期間になる。頻度強度が増す。他にもケンカの種が出る。注意指摘してもすぐに元に戻る。逆切れされる。他と比較される。等でストレス抵抗がさらに増大している状態で、以下の行動が引き金になりケンカになる。


・相手から自分への注意指摘責め

・相手の不公平な振る舞い

・我慢の限界を超えて、普段より感情的になったふるまいや攻撃


たくさん我慢して、鍋に水がなみなみ入っている状態で、相手から自分の至らなさを注意指摘をされる。すると、同じような内容、あるいは全然別件の内容であっても、私の方が我慢していたんだぞ!!と水がこぼれて爆発してケンカになる。


あるいは、相手がやるときはOKであるくせに、それをこちら側がした場合には、注意指摘されるという二重基準(自分はいいけど、相手がするのはダメ)であるケースや、相手は自分に要求したくせに、自分はその要求水準を行わないという二重基準(自分はしないできないくせに、相手には求める)場合に、その不公平感から、爆発してケンカになる。


最後は、仕事の忙しさや他の出来事での高負荷状態のせいで、普段より我慢できない状態下で自然にもう嫌だ!とこぼれてしまう場合や、あるいは、自分の一番痛いところや自分の地雷(トラウマ、心の傷、弱い部分)を踏み抜かれたりすると、鍋にひびが入り瞬間的にこぼれてしまい爆発してケンカになる。



夫婦喧嘩のややこしさ

上述のように爆発した際に、夫婦喧嘩はその性質上、以下の点でややこしさを抱えている。

・感情的爆発である点

・相手を傷つけた、我慢させていたという本当は双方に落ち度がある点

・ケンカの発端に加えて、別の問題がくっついてくる点


人により沸点が低かったり、我慢していないケースもあるが、それでもそれはその人なりの限界を超えているわけで、まぁ感情的に爆発している状態である。冷静になれないでいるとただ相手をなじったり、責めたり、泣きたてたり、憐れんだり、実家に帰る!とか、離婚する!と相手を攻撃したり、問題の解決には繋がらないアプローチを取ってしまう。傷つけたんだから相手にもやり返して傷つけよう!と思ってしまう心をぐっと抑える必要がある。


爆発させた側は、些細なことを指摘しただけなのに急に怒り出した!!普段通りにしてた、うまくいっていたと思うのに急に怒り出した!!と相手のふるまいに困惑したり怒りを覚えるかもしれない。爆発させられた側は、ずっと我慢してたのに、もっと我慢しろというのか!!これもあれもやれというのか!!と相手に憤慨する。互いに相手が悪い!!と思ってしまうのである。これは、鶏や卵の話になるが、我慢させた側も、我慢が爆発した側もどちらも相手に無理させていた、相手に爆発して傷つけたという点で両方に落ち度があると思う必要がある。


最後は、爆発のタイミングが他の事件出来事と関連しているために、今目の前の爆発させた出来事と、これまでの我慢を同時にそれぞれ解決する必要があるという点でややこしい。お互いの目線や話が今とこれまでで平行線になって一向に話が前に進まないこともある。さらに、それがトラウマやその人の心の傷(頑張って!と言われると頑張ってないように見られてたと感じて絶対嫌とかその単語だと爆発しやすい)に関連していて、それを本人も自覚がないトラウマのケースだと厄介極まりない。




夫婦喧嘩の対処法、作法マナー

ここからは夫婦喧嘩の対処法や作法マナーを語りますが、各自なりに合った解決策や解決法にアレンジしてもらえれば幸いです。ここまでの予備知識や前提知識をおさえれば、すんなり各夫婦向きのものができると思います。


0、我慢や無理をしないをモットーにすぐになんでも話すことにする。

1、種の段階で、吐き出す習慣や、定期的な毒出し夫婦会議をする

2、種が爆発した場合に、冷静になるための対処法について決めておく

 その日のうちに仲直りする。どちらが悪いかはさておき、とりあえずは両方こんな事態になってごめんなさいと言う等、感情爆発から冷静になるための装置、スイッチを確認しておく。


3、我慢させた方、我慢を爆発してしまった方、双方に落ち度があるので、冷静になってから真摯に謝る。自分の心をさらけ出す。

我慢させた側が、何に我慢して無理させていたのかヒアリングするように傾聴してもいいし。我慢を爆発させた側が冷静になって、どう感じていてどういうきっかけでカチンときたのかを1から説明してもいい。相手を責めたり傷つけるのではなく、相手がこういう行動をしたときに、私はこう感じていた、こう思ってしまった等と心の動きを丁寧に説明するよう心がける。


4、我慢させた側が弁明し、誤解を解いたり、我慢させていたことをさらに真摯に謝る。爆発した側も、爆発したことを真摯に謝る。爆発する前にうまく話せなかったことを謝る。


5、これからはこうしよう、これまでの生活のここを改めよう、新しくこれを取り入れようという問題解決の話し合いをする。


作法マナー

・素直に自分の心をさらけ出すこと。自分が何にどう感じたか。どう思ったのか。どういう行動がどうして嫌だったのか。相手を攻撃したり、相手を責めるのではなく。あなたのここが嫌!ではなく、あなたがこういう行動をすると、私のことを○○に見ているようで嫌。以前から散らかし気味だったけど、私が片付けるようになってからもっと散らかすようになって、いいように使われている感じが嫌。母親みたいに甘えられるのが嫌。子供がマネすると嫌などと、相手の行動、それにより自分が感じる事、ありがとうと一言欲しいとか、こういう風ならいいとか解決策まで伝えられるとなおベター。本当に細かく細かく心の動きを言語化して相手に伝えられるとなおベター。




よくある間違った夫婦喧嘩の対処法

・相手の両親や知り合いにまで話を広げて、根回しや多数決的な圧力で物事をすすめる。解決を図る。

お昼ご飯は何を食べるのか。人数が多い程決まりにくいように、話し合うのは夫婦同士の当事者だけでするべき。また、圧力で蓋をしても、今度は相手が押し切られて我慢するだけで、押し切った側には好ましい状況になるかもしれないが、相手に無理させる時点で長い目で見れば無意味である。なお、身体の危険等がある場合には、両親などを交える必要もあるかもしれないが、もはやそれは夫婦喧嘩とは言わないと思う。


・グーグル検索で、自分の正しさを証明する材料を集める。愚痴を聞いてもらおうとする。

世の中の平均はどうたら。私は頑張っている方か。他の人はこれだけしている。そういう情報を集めて、相手を説得するような意識で夫婦喧嘩に臨んでも、相手を論破したり相手だけを変えようとしている時点で、話は平行線になるでしょう。どう感じるのかは人それぞれだし両方が悪いのだから、相手の気持ちや心の動きをただただ聞くしかない。同じくネットで愚痴を聞いてもらったり、同じ愚痴を見つけて溜飲を下げても、我慢の爆発が先延ばしになるだけで無意味です。勇気をもって相手に打ち明けた方が、何倍も心が晴れやかになります。





終わりに、付録として。

誰だってケンカなんかしたくない。なので我慢したり、許したり、諦めたりして大事にしないようにする。でも、それでも消化しきれなかったものがどんどんたまっていき、気づけば爆発する。

全てをさらけ出して、本当なら小言や愚痴や改善案を全部全部話していくのが理想的なのだろうけれど、絶対に無理しない二人のために、ことあるごとに不満や改善を話し合い続けるのもエネルギー消費がバカらしい。やっぱり我慢、許し、諦めも、必要な処世術なのだとは思う。

境界線は、作業と言葉にあると思う。

それが作業であり、やること、やらないといけないことならば、それはいつか自分の血肉になって習慣になって、我慢や許しや諦めからきたものでも、それは普通の当たり前になる。

一方で言葉は違うと思う。相手からのお願いや命令や注意指摘、相手の行動を自分がどういう言葉で理解認識して受け止めたのか。この言葉の部分でひっかかりがあると、それは事あるごとに不満や不安や不信として顔を出すと思う。

言い方はきついけど、私の事を思ってくれてる等と自分の解釈次第で認識としての言葉など、どうとでもなるので、心を無にできれば絶対防御的な我慢許し諦めを身に着けることも理論上は可能だろう。しかし、そこまで人間の心は、都合よくできていない。なので、できることとしたら、相手の行動を自分なりに勝手に解釈して誇大妄想しないこと(私を愛してない大事にしてくれてない!等)と、明らかに許せない言葉には、ため込んで爆発する前に、今の言葉発言は、私はこう感じるから嫌だと素直に言うことだろう、作業と言葉が境界線のように思う。


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