大祐 家庭環境📝

「俺はお前だ」
兄が大祐に殺される時に兄が言った言葉。兄を殺しても何も平穏など来ない。きっと困難が次に押し寄せる。そういった螺旋を描く悲痛の上に生きていることを表している。
その後、大祐が殺す前に自死する。(のも、アリかな、と思う。大祐自身で「大祐」を殺させないため。また功績を完全に大祐に渡さないため。私目線で物を言うなら自分で自分の首を締める環境にいる事の暗喩。)自殺というのもヤクザにとっては恥じるものと受け止めた大祐は自分で手にかけたことにするが、殺しきれなかったこと(その弱さ)、目の前で家族が自殺する瞬間を見たこと、兄の言葉が重くのしかかっていく。



頭脳派。弟と父に見せる顔の軽い二面性がある。
弟を可愛がる心を持ちながらも、父が正しいと思っており父の冷酷な指示により弟に酷い事を行う事も。父の感性に近く、求める事を敏感に察知する。(この辺はかなり女性的な感性に思える)その為父の角も立てず気に入られる。(ように大祐には映る。)現実主義の世渡り上手。

実は女である。
男社会に生きる父に認めてもらうために女極道として生きる。男の大祐がヤクザとして活躍することが正しいあり方であるとわかっているからこそ切なく、自分の居場所の確保に必死になる。
実力的には兄の方が上。それなりに組の役割を果たしているからこそ組員にとやかく言われることもないが、組員の年齢が上に行くにつれてやはり本心では快く思われてはいない。
一人称「俺」性自認「女性」通常パンツスタイルがほとんどであり、それに対して嫌悪は無い。見た目は男装の麗人、宝塚みたいなイメージ。可愛いものに対しての嫌悪も無いが柄じゃないと思っている。
女性らしさを秘めた女性というより芯のある強い人。
組員や家族からも女であることは周知のことであるが、ほか組では知っても知らずも一人の人間としている。

(実際に女極道がいるケースもあるが本当に稀である。)


大祐
努力型。(腹違いの弟?)兄の事は好きだが、頭の良さや器用さなど自分に無いものが多くそういう所を認められているのは悔しかった。本来自分が優遇されるべきではないかというもどかしさもある。両親との愛情も薄く感じている。兄に及ばぬ所を努力でカバーする事は負けだと思っている。実力世界の中にいる限り、家族であってもけして気持ちは安らぐ事はなく年々それは加速していく。功績を残す事で褒められ、それを親としての愛情だと思っていた。
学校へ通うことによって家族への在り方に疑問を感じる。無条件の安らぎこそが家族なのではないか。そう思うと無性に悲しく、迷いを払うためにヤクザの活動にのめり込む。大学1年の時、その行為がバレて退学処分。

(腹違いについては確定的ではないが、愛情不足をネックにするならいいのかなぁ、とも思うが設定が苦痛連載お涙頂戴になりすぎるのが好きじゃないのでどうするか迷う。苦痛盛りすりゃいいってもんじゃないし。
腹違いの子と分かるとしても結構早い段階で知っていて、母親とも会ったりはするのかな、でも組の敷地に足を踏み入れることが無いのであれば頻繁に会って危ない目に遭わせかねないので控えるしかないかなと思う。でもそうすると、なぜ極道として生きようとするのか?という新たな疑問も生まれるので、早い話設定上で大祐の実親を殺しとくしかなくなる。)

一方、兄も学校を通う事でヤクザとして生きるには悲痛の連鎖の上に生きている事に気づき始める。父に従うのは父を敬う気持ちもあるが恐れているからでもある。(私はこれを「正しい」と思うことの本質だと思う)絶対に正しいというように見えていた。だが学校に行く事によってそうではないのではないかと考えだすようになる。また、だんだんと大祐の実力やセンスに磨きがかかることに気づいており、自分がまるで無意味なように思えるのであった。大祐が大学退学になった時、兄も同時に大学院退学となった。大祐によって一つの将来の道を断たれたのだ。

大祐と兄の悩みは家族性や生い立ちなど本質的には同じようなものである。

「俺はお前だ」
大祐が狼谷さんに恋愛感情を抱いた時、自分の中の女性性を見出すことになる。そういった性別の倒錯というのは、兄を思い出すことにもなるだろう。兄の言葉の呪いのようにも感じる。兄をどこか軽蔑していた気持ちが少なくともあったが、それが全部自分に返ってきている。

大祐と兄
兄弟間での不和は最初のうちは無かった。将来的なことを考えるようになるにつれて一緒に話すようなことは少なくなった。兄弟は他人の始まりというけれど、まんまそれかな。
大祐と兄の共通テーマは「性別のバイアスと家族愛の奪い合い」。問題自体はシンプルで、普遍的な現代さも感じるものかな。


不妊症を抱え苦労の末、兄を産んだ。比較的平均よりも高齢出産となった。


苦労して生まれた子は女の子であった事に複雑な心境。しかしその分思い入れも大きいのか。(腹違いを設定に取り込むなら、数年後愛人との間に男の子が生まれる。)
子供を大切にしたい気持ちはあるが、片方は女の子。男の子に比べたら女の子の方がかなり非力な印象でヤクザとしてのウィークポイントになりかねないと思う。大切にしすぎるあまり大事に巻き込まないよう配慮する。そのためネグレクトっぽく冷淡な印象。不器用な愛情の持ち主。保守的な人なので精神病やジェンダー的な問題にはあまり理解は無いタイプ。他の人だったらどうでもいいような些細なことでも後に引けなくなる。戦うことにメリットがないような場面でも、後には引けない。負け戦でも折れない男気。
後継ぎ問題で兄弟の仲が割れることも見通していたからこそ兄にも否定的であったし、それでもその道を行く兄によって兄弟に深く関わることをやめた。ジェンダー、家族性そういった葛藤をいっそ後継ぎの争いによっての結果にゆだねることにしたのでは。

自論だが、すべての対人関係における問題はコミュニケーション不足から生まれる。また、悩みのほとんども対人から生まれ、金欠なんてのは大抵どうにかなるものである。実際に自殺する人の原因としても借金が原因であるというのは実は50パーセントにも満たない。(と、前に読んだ本に記載してあった)
この関係を良好な方向へ転がすには大祐自身兄への理解と、父との対話が必須で避けては通れない。
自分自身、心理ケアに興味があるので論文を組み立てるくらいの気持ちで大祐と解決へ向かって歩けたらいいなと思う。

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