夢を背負って
壮大な夢が叶うかもしれない。
その時はたしてあなたは、そしてわたしはどう行動するのだろうか。
叶ったあとは?
そんなことを考えながら読んだ。
フェスタ 馳星周著
産まれる前から大きな夢を託された神の座す山という意味のカムナビと名付けられた一頭のサラブレッドと彼に関わる人たちの物語。
サラブレッドは早く走る為に産まれてくる。
生を全うできるサラブレッドはほんの一握り。
人の手に命を委ねて生きる。
野生のサラブレッドは存在しないってことだ。
けれどこのカムナビは人に媚びず自らの力で生を掴みとる。
多くの人の壮大な夢を背負ってターフを駆けるさまに読者は奇跡を願わずにはいられない。
関わる人の思惑など意も介せず、自らの意志を貫き駆けるカムナビの姿は痛快。
夢を追うものを支える家族愛をも描かれている。
この本のタイトルでカムナビの父、ナカヤマフェスタは実在する名馬で、荒ぶれる事で有名だったのだが、種牡馬引退後はすっかり大人しくなり、今も日高の引退馬を繋養する牧場で悠々自適の余生を送っている。
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