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タン・テール・頬の下処理からの煮込み解説。

さて、今回のタン・テール・頬はソミュールに3日間漬け込んで塩漬けにしながら血抜きを行います。

3日経ちましたら塩抜きを30分程度します。

塩抜き。

塩抜きが終わるまでの間に人参・セロリ・玉ねぎ・ニンニクを切り出し、用意します。
塩抜きが終わりましたらよく水気を拭き取ります。
(タンは今回別のお料理にしますので分けておきます。)
大きなフライパンにオリーブオイルをひき強火で外側面を焼き固めます。
この時、焦げる寸前まで焼き色と香りをつける事が完成度を上げるポイントです。

こんがり。

このお肉を取り出し酸化した油脂を捨て、洗わずに香味野菜を投入。
野菜の水分でこびり付いた旨味を纏わせながら、野菜自体にも香ばしい焼き色と香りを付けていきます。

香りがいいですね〜。

焼き色が付き、香りが充分に引き出せたらたっぷりの赤ワインを加えます。
ここで赤ワインの量をケチったら全てが台無しなので、心を無にして注ぎます。
決して「勿体無い〜」とか「原価が〜」とか考えてはいけません。
腰が引けたらヘナチョコに仕上がるだけです。

水分は全て赤ワインです。

ここからは一気にアルコールを飛ばしながらワインを詰めていきます。
煮詰めたら冷まし、取り出しておいたお肉と合わせ、私の場合は日本酒・赤ワインと一緒に三日間マリネします。

さて、3日経ちましたら煮込みます。今回は18時間煮込みました。
それから冷却し、お肉を取り出します。

取り出したお肉。1頭からこれだけしか取れません。。

残った液体を濾し香味野菜を取り除き、磯鶏な油脂を取り除きます。
赤ワインビネガーと蜂蜜をキャラメルにして、濾した液体を少量加えてガストリックを作ります。


花房和牛のガストリック。

このガストリックを赤ワイン、お肉のキュイソンと合わせ伸ばし、ソースとします。
最後にこのソースをお肉に合わせて温めると完成です。

切り口はエッジが立ちますが…


触れると繊維がホロホロと解れます。

これぞクラシックの「王道」です。

どうしても最近のレストランでは歩留まりや原価の問題で「きちんとした煮込み料理」ができない環境になってしまっています。
どうしても赤ワインの量が少なくて紫っぽい色のソースになっていたり、煮込みと言ってもソースを極限に少なくしたりと、コストカットに全力を出すレストランの姿には寂しいものを感じます。
ですので本物の煮込み料理を、贅沢に素材と時間を使ったお料理とタップリのソースを召し上がって頂けるようにしました。

ソースは乳臭さは邪魔になると判断し敢えてバターを入れていません。
赤ワインのキレと牛のハイスペックな味わいをダイレクトに感じて頂ければと思います。

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