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シリーズ最高傑作!「ジェラシック・ワールド 新たなる支配者」

少し遅くなったが、観てきた。正直、あんまり実は期待していなかった。というのも、前回の『ジェラシックワールド2 炎の帝国』も「恐竜のブルーを主人公化する」という大胆な発想とコンセプトは面白かったが、名シーンや息を飲むシーンを戦略的に創りきれていなかったところに、少し期待薄を若干たりとも感じていたからだ。そんなJW2の批評を挽回すべく、スピルバーグが立ち上がり、終止符を打とうとしたかどうか、事実は分からないが、自分にはそう見えた。しかしながら、やはりシリーズとしてはもう既に6作目となり、ストーリー(脚本)作成が実に難解だ。前作を超える脚本をつくることがプロデューサー、脚本家の重荷になっている中で、いくらスピルバーグでも難問過ぎてさすがに厳しいのでは・・・?とずっと考えていた。という意味での「期待してなかった」という意味だ。


だがしかし、スピルバーグはやってのけた。


前半を観ているときは、転ぶか、成功するか、正直わからなかった。でも、地中海沿岸部の街シーン(マルタ島)あたりから、、前のめりで観始めるようになる。「おっ、これはおもしろくなってきてる・・・!」 ロケ地がこれで3つ以上になることが確定したため、かなり予算があることをその時、確信した。(実際に180億円もの予算があった)

マルタでの撮影シーン

そして、サム・ニールとローラ・ダーンの組と、クリス・プラットとブライス・ダラス・ハワードの組が、パラレルストーリーで“自然な流れで”合流することが確定した時点で、「あっ・・・これは(名作へ)化けたわ」と思った。つまり、自分の中でここ(中盤)から脚本がコケることはないと明白になった。合流することはもともと予告(を観てしまったせい)で知っていたのだが、持っていくまでの自然なストーリー設計が非常に綿密だった。


サム・ニールとローラ・ダーン
クリス・プラットとブライス・ダラス・ハワード


そして、最後まで名シーンがたくさんあり、こちらもお腹いっぱいになれた。


結論、鬼感動。マジで面白すぎ。ジェラシックシリーズの中でもかなり面白い。


これまでのシリーズは、

ジェラシックパーク
ロストワールド
ジェラシックパーク3
ジェラシックワールド
ジェラシックワールド2(炎の帝国)
ジェラシックワールド3(新たなる支配者)

と続いているが、感動という意味では自分の中で3位かも。
1位:ジェラシックパーク
2位:ロストワールド
3位:ジェラシックワールド3
かな?(笑)

下手すれば、VFXの技術力や美術職、クローンテーマの導入(中国へのアンチ)、人類と人類以外の生物の共存テーマ、黒人の起用、など総合的かつ独断でいくと、実は1位ぐらいの勢いでベタ褒め。

ブルーの赤ちゃんはこんな感じで操作していたらしい


最後に、具体的な観どころだけ2つサクっと伝えたい。

①原点回帰、シリーズへのリスペクト


JP1のキャストをふんだんに起用しているところからも、本シリーズの一作目に対するリスペクトの姿勢がわかる。それだけでなく、やはり名シーンのオマージュがたくさん撮影されているので、ぜひジェラシックパーク1を観てから観に行ってほしいところではある。特に恐竜の種類(と人間との関係性も)については、JP1を観ている・観ていないで面白さが全く変わってくる。1つ1つの工夫やアイディアはファンからすれば最高のプレゼントだったに違いない。


②コンセプト変更も原点回帰へ


JWは、様々なコンセプトを生み出し続けた。「遺伝子操作による新種恐竜の誕生」や「恐竜VS恐竜」や「恐竜とのチームプレー(ブルー)」であったり、様々なコンセプトが導入されてきた。それが面白かったか、面白くなかったかは別にして、とにかくプロデューサーたちが挑戦した作品でもあった。しかし今回は、シリーズ一番はじめのJW1が主軸としていた「恐竜を実際に目の前にした時、どのような恐怖が人間に降りかかるか、体感せよ」というコンセプトへ引き戻しされた。

その結果、やはりめちゃくちゃ面白くなったと思う。これが正解なのか、それとも、『ジョーズ』や『激突』のようなハラハラ恐怖を創り出すのが天才的なスティーブン・スピルバーグだからこそできる芸当なのかは分からない。しかし、ここが非常に観どころであり、今作が大化けした要因だと推察している。

スティーブン・スピルバーグ

もう少し魅力を語りたいところだが、今回はもう遅いのでこの辺にしとこう。

トップガンと少し時期が被ってしまって可哀想だなと思うこともあり、ぜひみんな映画館で観てほしい(笑)






オマケ:パイロット役の黒人女性が「赤髪は最高よね」と言うシーンがあるのだが、あれは120点、センス抜群過ぎて吹いたwww

戸田奈津子さんの意訳か?ちょっとまた今度調べたいと思う(笑)


ケイラ・ワッツ役のディワンダ・ワイズ


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