見出し画像

四十路の主婦がプロジェクトと4ヶ月真剣に向き合ったら、そこにあったのは青春だった話

人生で予想もしていなかったことが起こった。
オンラインコミュニティ「前田デザイン室」のプロジェクトで作ったドット絵ダウンロードサイトDOTOWN(ドッタウン)がTwitter上で5日間くらい毎日バズり、Yahooニュースやライブドアニュースなどでも取り上げられる事態が起きた。
公開前はあんまり外部向けの宣伝はしていなかったので、
「公開したら宣伝に力を入れなきゃな~」
なんて思っていた。

2月2日にプレスリリースが出て、その後Yahoo!ニュースなどにも出て、
「リアルタイムで77人も来てます!」
などとdiscordでワイワイ盛り上がっていたら、
ゲームのWEBメディアなどにツイートされ、
イイネの数がどんどん増え、サイトに訪れる人がどんどん増える‥
最高ではリアルタイムで670人くらい訪問してるのを見た。
2月2日と3日は各所でバズが起き、私は全く仕事が手につかなかった。

なんとイイネ5.8万‥!!

正直言うと、公開前は
「粗ドットってみんなに可愛いと思ってもらえるのかな?
私が1年近く前田デザイン室で粗ドットに触れているから愛着が湧いてるだけなのかな?」

と思っていた。
前田デザイン室のfacebookページで「粗ドット作りませんか~?」と粗ドットがたくさん並んでいる画像を貼ってもイマイチ反応がなかったから。
それが、Twitterでは
「かわいい!」「これが無料なの?」とか賞賛してくれる声がたくさんあった。
嬉しい反面ここまで反響があるとは思わず何だか俯瞰から見つめているようなフワフワした気持ちになった。


DOTOWNプロジェクトが始まった

DOTOWNプロジェクトが始まったのは9月末頃。
元々前田デザイン室の公式インスタグラムで粗ドットを投稿していた。
海外からは時々「nice!」などコメントをもらう事があるけど、国内の人からは特に反応ないし、
「今後は粗ドットではない別のものを投稿した方が前田デザイン室の宣伝になるかもね」
なんて話をしていた事もある。
前田さんからは「フォロワー増やしたいし、ダウンロードできるようにしたい」と言われていたけど、その頃はインスタチームには主婦が多くゆるく活動していたので、
「誰かリーダーやってくれるならお手伝いはするけど、自分が中心になってやるのはチョット‥」
みたいな意見の人が多かった。
その後インスタチームには主婦以外も増え、誰かが「この粗ドット作りました」と言うと「私も作ってみます!」など投稿に関係なくワイワイ粗ドットを作ったりして盛り上がっていた。
そしてその後前田さんが時々やってるLINEでのお悩み相談があった時に、
「何も継続できないんですよね~」みたいな相談を軽い気持ちで送ったところ、親身にたくさんのやり取りをしていただき、
その中で
「粗ドット早くダウンロードできるようにしたい!」
と言われ、それまで何ターンも前田さんが私にLINEを返してくれた感謝もあるし、「やらなきゃ!」という気持ちが強かったのでその日すぐにインスタチームに伝え、そしてプロジェクトが始まった。
私はその後プロジェクトリーダーになり、ディレクターもやり、サイトデザインも担当した。

一番大切にしていたこと

私がプロジェクトを進めていく上で一番大切にしていたこと。
それは「このプロジェクトをやって良かった」と思うメンバーが一人でも多くなればいいなという事。正直言うと「このサイトを多くの人に届けたい」みたいなエンドユーザーへの想いは全くなかった。(スミマセン)
私は前田デザイン室で「design-win」と「NUKEDONE」という二つのプロジェクトに少し関わったけど、どちらも「やって良かった。自分の為にもなって楽しかった。それがきっかけで仲良くなったメンバーもいる」と思ってたから。
他のメンバーにもそう思って欲しかった。
DOTOWNプロジェクトが始まった頃、他にあんまりプロジェクトがなかったので「前田デザイン室に入ったのにやる事ないな」と思われたら嫌だと思って使命感みたいなのもあった。
サイトは正直言うとそこまで複雑なものではないし、粗ドットを作るのが得意な人もいるし、既にスキルがある人だけがやってもそこそこ完成する。
でもそれだとコミュニティとしてどうなんだろう?
もっと色んな人に関わって欲しい。そう思ってデザイン初心者の方もコーディング初心者の方も一緒にやりたいと思った。

ただし、初心者にも関わってもらいたい・都合のいい時にフラッと何か作るだけでもOKとすると、分かりやすい資料の作成だったり情報をどこかにまとめておいて誰が見てもすぐに分かるようにしておく必要があり、それが結構時間がかかった。
粗ドット制作も「なるべく作る人が迷わないように」「フィードバックする人もやりやすいように」とすると作り始める前に
・レギュレーションを考える
・マニュアルを作る
・制作の流れを考える
・スプレッドシートで進行が把握できるようにする
などやって結構時間がかかった。
この辺は得意な人がそれぞれ力を貸してくれた。
そのお陰で制作に入ってからは結構スムーズだったと思う。
そして、粗ドット制作もWEB制作も元々スキルのある人たちが初心者の方に優しく教えてくれていて、とても感激した。
昨日discordを見返してたら、11月の時点で私もサブリーダーのうめちゃんも「参加して良かったと思ってもらえるには」について真剣に考えていた事がわかった。
「やって良かった」と思ってくれたメンバーが少しでもいたら嬉しいなと思う。

良くも悪くも「仕事ではない」

オンラインコミュニティのプロジェクトは「仕事ではない」。
この「仕事ではない」が良いも悪くも働く。
「仕事ではない」からこそ自由にできる。
サイトを公開して全く誰にも見られなくても責められはしない。
「だって仕事ではないし、私はお金をもらってるわけじゃないから」
だからこそ自由にできたし、そこまでプレッシャーに感じてはなかった。
仕事ではないから私はリーダーをやれたんだと思う。
ただ、「仕事ではない」から人に強要できない。
「この作業は私が担当しますね」と言ってくれた人に後で「やっぱり仕事が忙しくなったんでできません」と言われたら、仕事だったら「仕事だからやってください」と言えるけど、オンラインコミュニティのプロジェクトでは「そうなんですね!分かりました。」と答えるしかない。
でも締め切りはあるので一緒にやってくれる人が少ないとコアメンバーに負担が来る。
そして、仕事ではないので楽しくなかったら離れてしまう。なので、なるべく楽しんでもらえるように努力したし、コミュニケーションは大事にした。
何かにフィードバックする時も相手が嫌にならないような言い回しを心がけたつもりだし、「やっぱりあの言い方はあんまり良くなかったかも?」と後で凹むこともたくさんあった。
どの程度その人に任せていいかも分からなかったし、任せてもらえると嬉しい人もいれば困る人もいる。人によるのでコミュニケーションを取るしかないんだなと気付いた。
だからこそ最後まで一緒にやってくれた方、困ってる時に手を差し伸べてくれた方、誰もやりたくないような地味な作業を率先してやってくれた方の存在がとてもありがたかった。
特にこちらから「これやってくれる人いませんか?」と言わなくても「これ私やりますね!」と言ってくれる人の存在がとても大きくて、自分も今後また何かのプロジェクトに関わるときはそういう人になりたいと思ったし、仕事でも言われたことだけやるのではなく必要な事を見つけて提案できる人になりたいと思った。

つい一人で抱え込んでしまった

チームのメンバーが一人でタスクを抱え込んでいたのに気付いた時、私は「今やってる事とこれからやろうと思ってる事を教えて!分担しよう!」と言った。
抱え込んでもその人だけが辛いだけで、他の人は「やれることあるならやるのに」と思ってるかもしれない。折角チームでやってるんだからみんなで協力しよう!と思った。
でも、そんなこと人には偉そうに言ってる自分も気づいたらつい抱え込んでしまう。
「あの人は忙しそうだし‥」とか「こんな作業誰もやりたくないだろうな」とか考えてしまい、自分でやってしまう。「私がやらなきゃ」がどんどん増え、限界になった。
もう無理‥となった時に正直に「自分のせいでタスクが溜まり過ぎてて‥」と伝えた。
ある程度お願いしちゃえばいいのに、ついつい顔を突っ込みたくなる自分のせいでタスクが溜まってしまってることに自分でも気付いていた。
そしたらすぐに助けてくれる人たちが現れた。
やっぱり人に頼るのは大事だと気づいた。
しかしまたやってしまう。
サイトのデザインは私がやっていたんだけど、他のタスクが溜まってたのでついつい後回しになっていた。もう1月になっていよいよ決めないとまずい‥と思ったけど中々いいデザインにならず焦った。ふと「これは誰のサイトなんだろうか?私のサイトか?このまま公開されて自分が見たくなるサイトなのか?」と思い、思い切って「デザインに煮詰まってます。」と本音を言い、意見をくれそうな人を集めた。
そしたら色んな意見をもらえたし、メインビジュアルはもっとデザインが上手なメンバーに任せた。別のメンバーが作ったGIFアニメも入れたし、私のサイトではなく正真正銘の「チームで作ったサイト」になった。
私はずっとフリーランスでやっていたし、元々人に頼るのがどうも苦手でここぞという時は抱え込んでしまう。さらにデザインは10年以上やってるので、指摘されたり否定されるのが怖く恥ずかしかったんだと思う。
このプロジェクトを通して「自分にできない事は人に頼った方がいい」と再確認した。
苦手なことは人にお願いして、得意なことを伸ばす方が絶対にいい。だから「この人は何が得意かな?」とその人の長所を見つけようとしたし、その人の得意そうな事をお願いするととてもスムーズに事が運んでいった。
自分もそうだけど「頼られる」って嬉しいよね。

大変だったけど楽しかった

そんなこんなで走り続けた4ヶ月。
サイトはすぐに話題になった。
エンドユーザーのことは殆ど考えず、ひたすら「前田デザイン室のメンバーに楽しんで作ってもらいたい」という気持ちで作ってきたサイトが、一般の人に受け入れられている。
メンバーが楽しく作ったからそれが伝わったのかな?という気もする。

お披露目会でも話したけど、
私は育児と仕事を半分諦めた。
私の人生においてリーダーをやるという選択はもうないかもしれないし、
途中で投げ出したら絶対後悔する。そう思ったから。
我ながら3歳&5歳の子供いるし、本業の仕事(フリーのWEBデザイナー)もしながらよくやったと思う(笑)

大変だった。
でも、楽しかった。


嬉しい言葉をかけられて涙した事やメンバーが作った動画を見て感動して涙をした。
嬉しくて泣くなんてそうそうない。
でもこの4ヶ月で私は何度か経験した。
本気でやったからこそだし、とにかく素晴らしいチームのメンバーに恵まれたからだと思う。

最後に‥

このプロジェクトが成功したことはやっぱり「前田デザイン室」だからこそだと思う。
元々「前田デザイン室っていい人ばっかりだな」と思ってたけど、特にDOTOWNチームは面倒見が良く「ほっとけない」人が多いように思う。その人達のおかげで私も頑張れたと思う。
サイト公開した後の今も何かあるとすぐにdiscordに集まって意見してくれる。
そして何かあったらすぐに聞いてくれる運営チームのみなさん。
まさかここまで反響があるとは思わず、利用規約などそこまで詰め切れてなかったために問い合わせが多く、「スミマセン‥」と言ったら「謝る事ないよ!」と優しく言ってくれた。
どうも前に出るのが苦手でお披露目会に後ろ向きだったのにやる方向に持って行っていただいたのも、今となっては貴重な機会をいただけてとても感謝しています。
前田さんは私の悩み相談を親身に聞いていただき、あの時にダウンロードサイトについて言及されなかったらもしかしたらDOTOWNはなかったかもしれない。
そして勿論元々前田さんが作った粗ドットが魅力的だったからこそだと思うし、前田デザイン室に入らなかったらこんな経験はできなかったはず。大人になってからこんな青春を味わえるなんて全く想像してなかった。
本当にありがとうございました!

青春が味わえる前田デザイン室はこちら↓

2/6に行われたお披露目会の記事はこちら↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?