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ストーリー

色々と忙しく、noteから離れていましたが、また書き始めようと思います。

私は最近遅ればせながら、「梨泰院クラス」にハマっています。

このドラマ、とても面白いのですが、当初は何が面白いのか全くわかりませんでした。

恋愛模様もよくある三角関係。長家との復讐物語も、半沢直樹の二番煎じ感は否めません。会長との勝負においても、出てくるビジネス的な手法も一般人でも思いつくような、突飛な展開はありません。

しかし、梨泰院クラスには、日本のドラマにはないような、特別な魅力があるように感じます。そして、その正体がうっすらとわかりました。

それは、歴史です。

梨泰院クラスは非常に長い時間軸で物語が作られています。まだ全てを見たわけではありませんが、今見たところだけでも15年もの年月が劇中では流れています。
国内ドラマではそうはいかないでしょう。多くの国内ドラマは、登場人物の過去に焦点が当たることはありますが、物語の時間軸はそれほど長くなりません。

では、なぜこの時間軸の長さ、つまり歴史が重要なのか。

それは人物の一貫性を掴むことができるからです。

ドラマでは各キャラクターの人物像を描いていきます。
このキャラクターというのは、こういう時にはこういう行動をするとか、こういった事態に対してはどんな印象・感想を抱くといったような、経験則的に描かれるものです。

もちろん、時間軸が短いドラマも、このキャラクターを感じることがは十分に可能です。しかし、時間軸が長くなれば、そのキャラクターの行動的・心理的傾向は、キャラクターの持つ”信念”として視聴者には写ります。

そして、その信念がぶつかって、それを貫いたり、コミュニケーションによってその信念が少しずつ変化する様子に心打たれるのではないでしょうか。

もちろん、通りいっぺんに長い時間軸で人物を描いた方がいいとは言いません。

しかし、人物に共感し、そこに視聴者の心を載せるためには、その人物の信念や人間的な根幹をなす部分を視聴者に理解してもらうが有効なのではないでしょうか。そして、その手段の一つとして、長めの時間軸でストーリーを構成するのが効果的ではないかと思うのです。