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決済者

最近apple musicを使い始めた。

きっかけはapple watchを購入し、apple watch内にも音楽をダウンロードでき、ランニングの時などに聞けることに魅力を感じたから。
私はすでに成人しているので、誰の許可も取らずにすんなりと契約に至ったのだが、サブスクリプションサービスにおいて決済者というのは意外に重要なのではないかとふと考えた。

サブスクリプションサービスは基本的にクレジットカードや携帯キャリアで決済することになっている。そして、コロナの在宅で利用者に変化はあったようだが、娯楽系サービスの利用者は若年層が中心ではないかと考えている。
またサブスクサービスではアカウントを複数人で共有できるなどの特徴もあり、家族での利用も可能になっている。

そうすると、若年層発、特に学生が起点となってサブスクサービスを使いたいと思った時には決済者である両親を口説き落とす必要が出てくる。
お小遣いから減額という形ですんなりと承認を得ることもできるだろうが、お金のない学生にとっては、両親が使えることを盾としてなんとか家族の財布から費用を捻出したいと考えるだろう。

どちらにせよ、両親と子供の相談のプロセスは避けて通れないのではないだろうか。
だとすれば、両親と仲が悪い家庭にとっては、その交渉プロセスだけで入会を妨げる要因になるだろうし、もちろん交渉が決裂すれば入会を果たすことは叶わない。

つまり、ニーズを持っている相手と決済者が異なるという、ややto B向けのような市場環境がサブスクサービスには起きているのではないかと思う。

このような状態に対してサブスクサービスはどうやって立ち向かっていくのか。
現段階においては、若者向けと、主婦層に向けて施策をとっていると私は分析している。

若者向けについては、ニーズの萌芽である若者向けのコンテンツを充実させることで、交渉の数自体を増やすことでユーザーを獲得する意図があるのではないだろうか。

主婦層向けでは、主に韓流ドラマなどを充実させることによって、学生が利用したいと声を挙げた時に、その気持ちを汲み取る”内通者”的な役割を主婦層に果たしてもらおうという狙いがありそうだ。

確かにこの施策自体は意味があるように感じられる。
しかし、今後サブスクサービスはどんどん多様化していくことも考えられるからそもそものお小遣いをキャッシュレスで子供に与えたり、サブスク用のお小遣いみたいなサービスが出てきてもおかしくないと考えている。

お小遣いがキャッシュレスで与えられれば、子供が単月で契約することは可能になりそうだ。しかし、長期契約をするとなった時には、クレジットカードのような自動引き落とし機能が必要になってくるだろう。

そこで、架空の家族クレジットカードのアカウントを付与できる、みたいなサービスが生まれれば、子供が自分で好きなサービスなりを契約することができるようになり、マーケット拡大に役立つのではないだろうか。
また、限度額を設定することもできるだろうから使いすぎも防げそうである。

しかし「家族にiphoneは教えられる携帯」としてブランディングしているように、サブスクは家族のコニュニケーションを活発にするツールみたいなブランディングにするのも面白いかもしれない。