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異常な自然

ボディビル。ラガーマン。高校球児。武井壮。
ここには共通点がある。

それは”焼けた肌”だ。

私は先日河川敷をランニングしていると、野球少年たちの現場に遭遇し、とても驚いた。
それは、彼らがとっても”黒かった”からだ。
かくいう私も、学生時代はサッカーに明け暮れ、それなりに黒い時期を過ごした。しかし、東京に越してきてインドアな生活に慣れてきた私は、久しぶりに見た天然の日焼け軍団を間のたりにしてとても新鮮な思いをし、同時に彼らの漲る生命力を強く感じた。

そこから、なぜ私が彼らの日焼け姿に心を動かされたのか考えてみた。確かに、彼らの若さや、仲間と楽しそうに話す姿が輝かしく見えたことは否めない。しかし、”日焼け”自体が持つ、野性味こそがこの都市での生活に慣れた私に訴えかけてきたのではないかと思う。

最初にも挙げたが、”日焼けした肌”は男らしさや、ワイルドさ、アクティブさなど、どこか野性的な印象を人に与える。バーベキューをしているお父さんは日焼けしている人の方が、そうでないお父さんよりも様になるし、焼肉屋の店員さんが日焼けをしていた方がたくさん食べたくなるかもしれない。

ではこの野性味はどこからやってくるのか。私は”異常な自然”からやってくるのではないかと考えている。
世間は便利になり、多くの人が家や建物の中で過ごすことができるようになった。しかし、原始的に私たちは狩猟民族であり、野原を駆け回っていたはずだ。当時人は日焼けしまくっていただろう。
つまり、私たちの遺伝子には狩猟民族として日焼けは同然であるとDNAに刻まれているのに、日常生活では日焼けがアブノーマルなものとなっている。かつての自然は現代の異常になってしまっているのではないか。
だから、現代生きていて特に日焼けをした人を目の前にすると野性味を感じてしまうのではないだろうか。

ここまでの私の考えの真偽は置いておいて、今後の異常な自然が現れるとしたらどんなところだろうか。
私はそれが”体毛”に現れるかもしれないと考えている。

女性の多くはかつてから無駄毛処理をしていたが、最近では男性も毛の処理をし始めている。少なくとも日本においては、人間は毛のない方向への歩みを進めている。
しかしながら、”日焼け”と同じで、原始的には人は毛をはやし放題で生きていたはずだ。だから、今後毛のない社会が実現した時に初めて、逆に野性味を出したいと体毛をはやしたいと考える人が出てくるのではないだろうか。

今ある育毛サロンならぬ、体毛サロンなんかができたらとても面白い。